RFM分析とは?
RFM分析は、「最終購入日(Recency)」「購入頻度(Frequency)」「購入金額(Monetary)」これら3つの指標を用いて顧客をグループに分ける分析手法です。3つの指標の頭文字をとって、RFM分析と呼ばれています。エクセルなどのツールを利用して行うため、費用は基本無料となります。
3つの指標は、以下の定義と評価方法を持つ:
R - 最終購入日(Recency):顧客が最後にいつ購入したのかを算出(最終購買日からの経過時間が短い顧客を高く評価)
F - 購入頻度(Frequency):顧客が何回購入したのかを算出(回数の多い顧客を高く評価)
M - 購入金額(Monetary):顧客が購入した金額合計を算出(金額の高い顧客を高く評価)
RFM分析が重要な理由
マーケティング会社Invespは、顧客維持と獲得に関する調査と分析(クリックすると原文記事が出てきます)において、以下の3つの重要なデータポイントを挙げています。
(1) 新規顧客よりも既存顧客の方が、新製品を試す意欲が50%高く、新製品への消費総額も31%多い。
(2) 新規顧客を獲得するコストは、既存顧客を維持するコストの5倍以上である。
(3) 既存顧客を5%多く維持できれば、全体の利益を25%~95%増加させることができる。
つまり、ブランドにとって、既存顧客の分析と維持にを投資し、顧客とのより深い長期的な関係を築くことにフォーカスした方が、新規顧客獲得よりコストパフォーマンスが良いことが分かる。そして、顧客構造を分析する上で最も有用な方法は、RFM分析である。
RFMのメリット
RFM分析の大きなメリットは、各指標に基づいて整理された顧客グループの分布を可視化し、自社の現状を把握できる点です。
本記事の後半で詳しく述べますが、顧客を「優良顧客」「休眠顧客」「離反顧客」などに分類した場合、全体の中で優良顧客の割合が多いのであれば、現在のマーケティング施策が一定の効果を発揮していると考えられます。
一方で、休眠顧客の割合が高い場合には、リピート購入を促進する施策が不足している可能性があると判断できます。顧客グループの分布が把握できると、優先順位を付けやすくなり、効果が見込めない層へのリソースを削減し、売上に貢献する可能性が高い層にリソースを集中投下することも可能になります。
RFMと顧客生涯価値(LTV)の関連性
顧客生涯価値(LTV)とは、1人の顧客がそのブランドや企業に対して、取引関係を通じて将来的にどれだけの利益をもたらす可能性があるかを示す指標です。顧客と企業の長期的な関係を築き、持続可能な成長を実現するためにとても重要です。

「LTVの向上を図るには、消費者のデータを入手し、正確なデータ分析を行い、より効率的なマーケティングを行い、消費者との深い長期的な関係を築くことが不可欠です。」
- 株式会社クレッシェンド・ラボ代表取締役 薛覲(シュエ・ジン)
LTVの計算式は以下となります:
LTV=平均購入単価 * 粗利率 * 1年間の購入回数 * 継続年数
この式を分解すると、顧客の「1年間の購入回数(購入頻度)」「平均購入単価」「継続年数(顧客寿命)」の3つの指標を高めればよいことがわかります。言い換えれば、顧客の購買頻度が高く、購買期間が長ければ、LTVは自然に高まるということである。 上記のLTVの計算式における「購入頻度」「単価」「顧客生涯」は、RFMとの適合性・類似性が高い。 購入頻度」は「Frequency」、「単価」は「Monetary」に相当し、「Recency」は「顧客寿命」を予測するための最も重要な指標の一つとして用いることができる。
RFM分析のやり方
RFM分析は、次の3つのステップで進められます:
①データ収集・統合
RFM分析を行う際には、まず解決すべき課題を設定し、それに対する仮説を立てることが重要です。なお、後述するさまざまな分析手法の中から、RFM分析が最適であると判断した場合に実施します。
次に、立てた仮説を検証するために、必要な「最終購入日」「購入頻度」「購入金額」に関するデータを集計する必要があります。例えば、売上が伸びていない原因が「リピーターの不足」にあるとすると、検証するためには購入頻度をチェックしなければなりません。また、顧客の年齢、性別、居住地域などの属性データを必要に応じて確認する必要があります。
データ収集が完了すると、Excelや
そして、データ収集時に避けられない課題として、収集チャネルの多様化によりデータ管理が煩雑になることが挙げられます。顧客データが複数の場所に散在し、正確な顧客理解が困難になる場合があります。
この問題を解決する手段として、CRMを導入しなければなりません。CRMとは、Customer Relationship Managementの略称で、日本語で「顧客関係管理」と表現されます。これは、顧客情報を管理・分析し、顧客との長期的な信頼関係を築くための仕組みです。
Crescendo Labが開発したLINE拡張ツールMAAC(マーク)では、Open APIが用意されています。これにより、大手CRM企業であるSalesforceやTreasure Dataなどの外部データベースと容易に連携できるだけでなく、データベースから顧客情報を取得・更新し、さらにMAACで生成されたタグ情報をデータベースに逆送信することも可能です。加えて、各チャネルのデータを統合し、管理や観察を効率的に行うことができます。
②データの分析
データが準備できたら、次にRFMの3つの指標を基に顧客を分類します。まず、「最終購入日」「購入頻度」「購入金額」の分布をヒストグラムで可視化し、それぞれの特徴を把握します。この際、各指標の数値は絶対的なものではなく、ビジネス全体の状況を踏まえて分析することが重要です。
例えば、特定の購入金額帯で急激なピークが見られる場合、その理由を分析する必要があります。例えば、特定の金額以上で送料が無料になる施策や、ブラックフライデーセールなどの大規模なセールイベントが影響している可能性があります。これらのイベント要素も考慮に入れながらユーザーを分析し、ランク分けを行います。
よく使われるランク付け方は、1-5のポイントをつけてR、F、Mの総合点を計算することです。ランクをより分けるなど、分類基準は柔軟に調整可能ですが、過度に細かく分類すると作業負荷が増えるため、実行可能な範囲に留めましょう。以下は例となります:
スコア | 最終購入日 | 購入頻度 | 購入金額 |
---|---|---|---|
5 | 1週間以内 | 20回以上 | 20万円以上 |
4 | 1か月以内 | 15回以上 | 10万円以上 |
3 | 2か月以内 | 10回以上 | 5万円以上 |
2 | 半年以内 | 5回以上 | 3万円以上 |
1 | 1年以内 | 5回未満 | 1万円未満 |
もし、RFMの三つの項目以外のデータも収集した場合、それらのデータの総合値を計算するだけでなく、CRMを活用して分析することが重要です。例えば、年齢層や購買力により購買傾向が大きく異なり、プロモーションに適したチャネルも変わります。また、都心と地方では顧客ニーズが異なる場合もあります。そのため、自分のビジネスの顧客層がどのような人々であるかを見極めることが不可欠です。
具体的な例を挙げると、ある顧客が数年前に北海道旅行を楽しんだ際に「札幌で食べた味噌ラーメン」と回答した場合、CRMを活用してそのデータを基に「札幌ツアー」や「リピーター限定の特別ラーメン割引」を提案することができます。このように、パーソナライズされたマーケティング施策を実施することで、顧客は企業やブランドとの関係をより深く感じることができるでしょう。
おまけに、CRMは蓄積されたデータを基に顧客の行動パターンや購買傾向を解析し、企業がどの顧客グループに対してどのアプローチが最も効果的かを正確に予測する機能を提供します。例えば、定期的に消耗品を購入する顧客に対して、タイムリーなリマインダーや特典付きの提案を行うことで、リピート購入を促進できます。
③施策の実行
データ分析を行った後は、施策を考える必要があります。前の2つのステップで得られたRFM分析の結果を基に、ターゲットを絞った施策を立案し、実行することが重要です。
また、AIの活用も効果的です。AI分析を取り入れることで、自動的に「潜在顧客」のリストを作成することが可能になり、RFM分析との相性が非常に良いと言えます。
さらに、MAACを利用することで、本来は膨大な時間を要するRFM分析が非常にシンプルに行えるため、業務の効率化を実現できます。
RFM分析で分類できる8種類の顧客
顧客生涯価値を高め、効果的な顧客関係管理(CRM)を達成したいのであれば、RFMセグメンテーションを使用して自社の現在の顧客構造を特定し、各顧客グループを分析する必要があります。 次に、R、F、Mの3つの指標の高低値を順に見ていき、それぞれが示す機会と問題点を確認しましょう。
アクティブ顧客
アクティブ度の高い顧客は、以下の3つのタイプに分かれます: Recency⬆️ Frequency⬆️ Monetary⬆️ 重要優良顧客「重要優良顧客」は、企業やブランドにとって最も価値のある顧客タイプです。彼らはブランドとのインタラクションに非常に積極的で、高いロイヤリティを持っているだけでなく、高額消費を行う顧客グループでもあります。優良顧客の中でも最優先すべき存在であり、会員制や特典を設けるなどして、彼らとの関係を継続的に管理し、休眠顧客にならないように全力で維持します。 Recency⬆️ Frequency⬇️ Monetary⬆️ 潜在優良顧客「潜在優良顧客」はすでに初回購入を行っており、消費金額も高額なため、重要優良顧客になりやすいといえます。 このタイプの顧客の購入頻度を高めるために、プッシュ通知でリマインダーを送信し、重要優良顧客へと育てていくべきです。 Recency⬆️ Frequency⬆️ Monetary⬇️ 一般優良顧客「一般優良顧客」とは、アクティブ度と購入頻度が高く、インタラクティブ性を備えた顧客を指します。このタイプの優良顧客は最も人数が多いため、個々の顧客の消費金額ではなく、全体の累積消費額を重視しながら増加を目指すべきです。また、このグループの顧客が持つ高いロイヤリティを活用し、ブランドの宣伝役としての役割を期待できます。 |
休眠顧客
アクティブ度の低い休眠顧客は、以下の2種類に分かれます: Recency⬇️ Frequency⬆️ Monetary⬆️ 休眠傾向顧客「休眠傾向顧客」とは、最終購入日がかなり前であるものの、過去に購入頻度や購入金額が高かった顧客を指します。このタイプの顧客は、一般的な休眠顧客とは異なり、かつて優良顧客であった可能性が高く、再購入を促す難易度が比較的低いと考えられます。何かの理由で最近購入していないだけかもしれないので、購入していない理由を理解した上で積極的に最購入を促すことが重要です。 Recency⬇️ Frequency⬆️ Monetary⬇️ 一般休眠顧客最終購入日がかなり以前で、かつ消費金額が低い顧客を「一般休眠顧客」と呼びます。このタイプの顧客は、さまざまな理由で長期間ブランドと関わっていない可能性があり、ブランドにとって残念な存在です。休眠傾向顧客より優先度が低いが、あまり負担をかけず、インセンティブを提供し再購入を促すことが重要です。 |
その他
Recency⬆️ Frequency⬇️ Monetary⬇️ 新規顧客このような顧客は、「新規顧客」である可能性が高いです。お試しで商品やサービスを購入しているため、顧客体験を向上させたり、リピート購入を促すことで、優良顧客になる可能性があります。 Recency⬇️ Frequency⬇️ Monetary⬆️ 非定着顧客購入金額のみ高い場合、まだブランドに定着していない「非定着顧客」である可能性があります。このようなタイプの顧客は、一回の購入額が高額である傾向があるため、購入頻度を向上させる施策を試みるのも良いでしょう。 Recency⬇️ Frequency⬇️ Monetary⬇️ 離反顧客R、F、Mの三つの項目とも数値が低い顧客は「離反顧客」と呼ばれます。このような顧客層の価値は相対的に低いため、マーケティングリ22ソースをあまり費やすべきではありません。優良顧客の維持や休眠顧客の呼び起こしに注力することが重要です。 |
RFMの活用事例:CRMをサポートするには
RFM分析と顧客関係管理(CRM)は、切り離すことができない関係にあります。最後に、RFM分析の4つの部分について、事例を交えて見ていきましょう。R、F、Mの3つの部分をそれぞれ改善し、マーケティングとCRMの効果を最適化しましょう。
1. 事前準備|データの自動収集・統合・セグメント化
RFM分析を行う前に、顧客を最新度、頻度、金額の観点でグループ化するためには、
そのためには、まず正確かつ包括的なデータが不可欠です。しかし、顧客データを分類し、タグ付けを行う作業は煩雑になりがちです。さらに、複数のデータソースを手動で統合し、頻繁に更新を行う必要がある点も課題です。
これらの課題を解消するため、市場にはモジュール式のデータ統合サービスが必要です。例えば、株式会社クレッシェンドラボが開発したオールインワンマーケティングプラットフォーム「MAAC」では、一般的な会員データやCRM、CDPを迅速に統合できます。加えて、消費行動に基づく自動タグ付けやセグメンテーションの自動化により、効率性と正確性を高めることが可能です。
具体例として、MAACでは「過去180日間購入していない会員」などのセグメントタグを設定できます。この機能により、休眠顧客とアクティブ顧客をワンクリックでフィルタリングして分類することができます。さらに、ブランド独自のタグや基準を設定して、業界やブランド特性に基づいたより細かなセグメント化も可能です。
2. Recency|休眠顧客の再活性化とアクティブ顧客の維持
最新購買日をもとに、顧客を分類した後は、それぞれに異なるメッセージを送信します。たとえば、台湾発のファッションブランドVEMARでは、LINE CRM機能を活用し、「過去180日間購入していない顧客」をタグ付けされたユーザーにのみLINEメッセージを送信し、休眠顧客を効率的に再活性化しています。
また、MAACではAIを活用したデータ分析機能により、顧客の将来的な購入可能性をより正確に予測します。例えば、最新購入日が近い顧客であっても再購入率が低いと判断される場合は、メッセージ送信を控えることが推奨されます。これにより、顧客体験を損なわず、効果的なマーケティングが可能となります。
3. Frequency|効率的かつ邪魔にならない:的確なコミュニケーション、賢い送信時間、自動化されたカスタマージャーニー
顧客によって、ブランドにお金を使う頻度は異なります。
ブランドは、顧客がブランドと関わる頻度を高めるため、より精度の高いコミュニケーションを試みることができます。また、顧客に疲労感や不快感を与えないようにし、将来的なコミュニケーションの機会が無視されたりブロックされたりする可能性を低くすることも重要です。そして、的確なコミュニケーションとは、「適切な人に適切なタイミングで適切なメッセージを送る」ことを意味します。
「適切なタイミングで、適切な人に、適切なメッセージを」
アンケート:より高精度なセグメンテーションマーケティングを行い、適切なパーソナライズメッセージを配信するために、ゼロパーティデータを収集・活用することが可能です。MAACは、アンケート作成のためにSurveyCakeと連携しています。たとえば、株式会社PEACH JOHNでは、MAACを利用して作成したクーポン付きLINEアンケートを活用しています。回答したユーザーは、アンケートを終えると同時にタグ付けされます。
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セグメント配信:セグメンテーションに基づき、PEACH JOHNが配信するメッセージの平均開封率は50%以上を達成しています。さらに、周年イベントや大型キャンペーンなどのイベント時には、メッセージ開封率が通常60~70%に達します。同社はLINEとMAACをマーケティングツールとして活用した結果、「LINE会員は非常に頼りになる存在で、効率が極めて高い。さらにアクティブ会員も増加している」と評価しています。
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スマート送信:MAACのスマートな送信機能は、ユーザーのアクティブな時間を自動的に検知し、メッセージを開封する可能性が高い時間帯を特定することができます。フランス発のコスメブランドMAKE UP FOR EVERはこの機能を活用し、開封率を1.15倍に向上させました。
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オートマチックジャーニー
カスタマージャーニーを通じて、ブランドは顧客体験、インタラクションの行動、タッチポイントをより深く理解することができます。デジタルマーケティングのタッチポイントのうち、MAACは顧客の好みや消費頻度、習慣に基づいて自動化されたカスタマージャーニーを設計するために使用することができます。マーケティングオートメーションは、データをフルに活用して、ユーザーを効率的に誘導し、スムーズな顧客体験を作り出すことができます。
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4. Monetary|「VIP顧客」へのアプローチと会員管理
購入金額に基づき顧客をグループ化し、それぞれに適したリソース配分やプロモーション戦略を展開することが、効果的なCRMに繋がります。
顧客が1回に消費する金額は、企業やブランドが分析すべき重要な要素の一つです。インタラクションのタイミングに関連する最終購買日や購入頻度に対し、購入金額はプロモーション商品の方向性や価格帯に大きく関連しています。
MAACの一つの機能は、商品推奨メッセージです。AIによって取得・統合されたデータに基づき、消費者の好みに合った主要商品の画像を自動的にプロモーションします。台湾発のある大手ECサイトは、10周年記念キャンペーンで、過去30日以内に頻繁に交流のあったLINEの友人をターゲットとし、機械学習モデルを使用して彼らの消費履歴を分析しました。その結果、わずか3日間でクリック率が81%を超え、430件以上の注文を獲得しました。
RFM分析の限界・問題点
RFM分析は、顧客の購買行動を把握する上で非常に有用な手法ですが、いくつかのデメリットも抱えています。
- 購入頻度が低い商品や購買行動の予測への不適性: 購入頻度が低い商品や、購買行動が予測しにくい顧客に対しては、RFM分析だけでは効果的な分析ができません。以下のカテゴリーが挙げられます:
- 車や家電、家具などの高額耐久消費財
- ゲーム機やカメラ、音響機材などの高額な趣味用品
- 新生児服や結婚指輪などのライフイベント関連用品
- スキーウェアなどの季節性の高い用品
- 計測タイミングによる結果の変動: 顧客の購買行動は常に変動するため、分析するタイミングによって結果が大きく変わる可能性があります。
- 顧客属性やライフステージの考慮不足: RFM分析だけでは、顧客の細かい属性やライフステージの変化を捉えることが難しいです。
- 優良顧客の誤判定: 計測期間の設定によっては、長期間にわたって安定して購入している顧客よりも、短期間に大量に購入した顧客を優良顧客と誤って判断してしまう可能性があります。
これらのデメリットを克服するためには、RFM分析だけでなく、その他の分析手法との併用が有効です。RFM分析だけでは捉えきれない部分を、他の顧客分析手法で補うことで、より多角的な視点から顧客を理解できます。以下のような分析手法が挙げられます:
- CPM分析: CPM(Customer Portfolio Management)分析は、RFM分析と同じく顧客をグルーピング分析手法です。RFM分析と異なり、CPM分析では「購入頻度」「購入金額」「最終購入日からの経過日数」のほかに「初回購入から最終購入までの経過日数」という指標があります。 RFM分析では、一度優良顧客から脱落すると、そこからの掘り起こしは難しいです。一方、CPM分析では休眠や離反へと至るまでを段階的に分類するため、より細かい分析とアプローチが可能となります。
- デシル分析: デシル分析とは、顧客を購入金額の高い順に10のグループに分類し、それぞれの購買データを基に顧客分析を行う手法です。この分析では、各グループが全体売上に占める割合を算出します。特に購買力の高い上位グループを可視化することで、売上への貢献度が高い顧客層を特定し、その層に向けた集中的な施策を展開することが可能になります。 注意点として、デシル分析は購入頻度や顧客寿命を一切考慮せず、購入金額のみを指標とするため、そこまで高額でない消費を長期間にわたってしている顧客より一回だけ極めて高額購入を行った顧客の方が評価される可能性もあるため、分析に使用するデータの期間設定や更新頻度には慎重な配慮が求められます。
- CTB分析: 顧客を「カテゴリー(Category)」、「テイスト(Taste)」、「ブランド(Brand)」の3つの指標で分類し、顧客の趣味嗜好を分析する手法です。顧客の「購買行動」にフォーカスするに対し、CTB分析は顧客の「属性」や「趣味趣向」にフォーカスするため、両者は明確に異なります。 具体的なやり方としては、まずは商品をカテゴリー分けします。この時は、「食品」「化粧品」のような大分類でも、アパレル業界なら「トップス」「ボトムズ」のような小分類でも構いません。次に、カテゴリ分けした商品に共通する項目を洗い出し、購買履歴を参照しながら商品の色やサイズ、柄、素材などに着目し、顧客の趣味嗜好を分析します。そして、顧客の好むブランド(キャラクターやメーカーでも構いません)を分析し、顧客ペルソナの解像度を上げて施策を考えます。
- ABC分析: ABC分析は、アイテムを重要度に応じて分類し、優先的な対応を明確にするための分析手法です。アイテムは重要度に基づいてA、B、Cの3つのクラスに分けられ、Aクラスは最も重要、Bクラスは中程度の重要性、Cクラスは相対的に重要度が低いとされます。この重要度は、売上高や利益、在庫コストなどの指標を基に評価されます。この分析手法を活用することで、リソースを効率的に配分することが可能になります。
RFM分析の効率化ならMAAC
MAACとは、LINE公式アカウントの機能拡張ツールです。
顧客とのやり取りを通じて、好みや属性を自動で収集・管理するすることで、集めた情報をもとに各顧客の嗜好に合わせた情報を配信できます。
Kosuke Bu
株式会社クレッシェンド・ラボ グローバルコンテンツマーケティング部Specialist LINEマーケティングに関する情報を詳しくお伝えしていきますので、貴社のマーケティング施策に、ぜひご活用ください!