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LTV最大化の方法|計算方法・3つの式・LINE活用施策【無料テンプレあり|2025年版】

Kokoro Tomita

目次

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LTVとは顧客生涯価値を意味し、ある顧客が自社と取引を開始してから終了するまでの期間にどれだけの利益をもたらしてくれるかを表す指標です。企業が長期的に顧客から得る総収益を測定するために使用され、顧客関係管理(CRM)の重要な指標です。

新規顧客の獲得が難しくなってきた現在、既存顧客に対する重点的なアプローチから売上向上を狙う視点が必要となり、LTVも重要視されています。

この記事でわかること:

  1. LTV(顧客生涯価値)の基本的な意味と重要性
    ― なぜ今、新規顧客獲得よりも既存顧客のLTV最大化が注目されているのか。
  2. 代表的な3つのLTV計算方法と使い分け
     一般的なビジネス向け・サブスク型・顧客寿命ベース、それぞれの算出式と事例。
  3. LTVを向上させる具体的な施策とLINE活用の実践例
    単価UP/頻度UP/継続UPを実現する施策と、MAAC導入企業の成功事例。

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→ ltv計算式に関する解説はこちら

LTV(顧客生涯価値)とは?

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LTV(Lifetime Value:顧客生涯価値)とは、ある顧客が自社の商品・サービスを初めて利用してから終わるまでの期間で得られる利益を指します。1回の取引だけではなく、2回目以降のリピート購入による利益も含まれるため、継続的に商品を購入する既存顧客のほうが、LTVは高くなります。

LTV はなぜ重要?

1)新規顧客の獲得コストが既存顧客維持の5倍

新規顧客を獲得するためのコスト(広告費、プロモーション費用)が年々増加し、競争も激化しています。マーケティングの「1:5の法則」によれば、新規顧客獲得は既存顧客維持コストの5倍。このため、既存顧客からの収益を最大化することが重要です。LTVは、既存顧客の価値を評価し、その顧客との関係をより長期的に維持することで、マーケティングコストを削減しながら収益を確保するための指針となります。

2)サブスクリプションモデルの急増

サブスクリプションモデルは、顧客の継続的な利用がビジネスの成功に直結します。LTVは、顧客の契約期間や利用頻度を示す重要な指標であり、長期的な収益性を確保するための意思決定を支えます。解約率を下げ、契約期間を延ばすための施策(柔軟なプラン提供、満足度向上施策など)を計画・実行するには、LTVを基準に評価することが効果的です。

今すぐできるLTV改善施策5選

 1. 購入履歴ベースの自動クロスセル(実装期間:1週間)ECサイトの購入完了画面に関連商品を3つ表示。平均単価15-20%向上を狙えるケース多数。

2. 解約防止オファーの自動化(実装期間:3日)サブスクリプション解約画面で割引オファー/一時休止を提示。解約抑制が見込める。

3. 休眠顧客への限定復帰キャンペーン(実装期間:即日)最後の購入から90日で限定クーポン配信。復帰率+12〜15%が目安。

4. VIP顧客プログラムの導入(実装期間:2週間)上位20%の顧客に特典・先行案内を提供。継続率の向上が期待できる。

5. 購入サイクル予測リマインド(実装期間:1週間)平均購入間隔の80%時点でリマインドメール送信。リピート率25%向上を目安に。

(※効果は商材/顧客構成で変動。前後比較・コホート比較で実測してください。)

LTVを向上させる3つの核心ポイント

LTVを高めるための要素は多岐に見えますが、実際に成果に直結するレバーは大きく3つに整理できます。
それが「単価を上げる」「購入頻度を増やす」「顧客寿命を延ばす」です。以下では、それぞれの改善ポイントと実践的なアプローチを紹介します。

1. 単価を上げる(AOV/ARPA)— 実践アプローチ

即効施策(1–2週間)

  • バンドル販売:関連3点セット10%OFF → AOV +30%を狙う設計
  • 送料無料ライン:例)¥5,000以上で送料無料 → カート単価押し上げ
  • アップセル提案:決済直前/直後に上位版を提示 → 追加採用率 8〜12% を目安

中期施策(1–3ヶ月)

  • プレミアムプラン:価格×2、価値×3の設計で差別化
  • パーソナライズ推奨:行動/購買データで単価+15%レンジを狙う

例(SaaS):月¥10,000→¥15,000の上位プランに20%が移行 ⇒ 平均単価+¥1,000


2. 購入頻度を増やす — 段階実装

ステージ1:基礎固め(1ヶ月目)

  • メルマガ最適化:セグメント配信で開封率+30%
  • カート放棄対策:自動メール/メッセで回収率+20%

ステージ2:エンゲージ強化(2–3ヶ月目)

  • ポイント還元(例:5%)で頻度1.5倍を目標
  • 会員限定48時間セールで購買間隔を短縮

3. 顧客寿命を延ばす — 解約防止フレーム

早期検知

  • 危険信号:ログイン頻度-50%, サポート問合せの増加 など
  • 対応:CSMアサイン使い方Tips限定オファー

継続インセンティブ

  • 3ヶ月継続で10%OFF6ヶ月で15%OFF
  • ロイヤルティプログラム:在籍期間×利用頻度で特典階層化

LTVの計算方法3つ【無料テンプレ付き】

LTV calculation

1 人の顧客の LTV を計算するのは比較的簡単です。Aさんが70年の人生で1杯500円のスターバックスラテを100杯購入し、スターバックスで他の買い物をしなかったと仮定すると、Aさんがスターバックスに提供した顧客生涯価値は50,000円(500 x 100)となります。

しかし、実際はそれほど単純ではありません。Invesp の統計レポートによると、76%の企業が LTV が重要な指標であると考えていますが、顧客生涯価値を正確に計算している企業はたった42%。そのため、具体的な計算方法を理解し活用することで、他の企業と差をつけることができます。

LTVはさまざまな計算方法で求めることができますが、代表的な3つの公式を紹介します。

式1 : 一般的なビジネス向け

[LTV = 平均購入単価 × 粗利率 × 1年間の購入回数 × 継続年数]

例えば、粗利率50%で単価5,000円の商材を毎月1回、3年間継続して購入した顧客の場合は、「5,000円 × 0.5 × 12回 × 3年」という計算式でLTVは90,000円となる。この数値から顧客の獲得・維持コストを差し引くと、コストを考慮したLTVも算出することができます。

💡 使用例:単価5,000円、粗利率50%、月1回購入、3年継続

→ LTV = 5,000 × 0.5 × 12 × 3 = 90,000円

 

式2 : サブスクリプション向け

[LTV = 平均購入単価 ÷ チャーンレート]

この計算式は、おもにサブスクリプション型のサービスなどで活用されています。チャーンレートは解約率のことで、「チャーンレート = 解約顧客数 ÷ 期間開始時点の総顧客数」で求めることができます。

💡 使用例:月額3,000円、解約率5%

→ LTV = 3,000 ÷ 0.05 = 60,000円

式3 : 顧客寿命ベース

[平均顧客寿命 = 1 ÷ チャーンレート]

また、顧客が企業と取引を継続する平均期間を示す平均顧客寿命も重要な指標です。

例えば、チャーンレートが10%(0.1)の場合、平均顧客寿命 は「1 ÷ 0.1 = 10ヶ月」となります。また、顧客の数が莫大ではない場合は「顧客寿命の合計 ÷ 顧客総数」でも、平均寿命を求めることができます。特に、チャーンレート(解約率)が季節や状況で大きく変動する場合は、「顧客寿命の合計 ÷ 顧客総数」の計算式の使用がおすすめです。

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LTV最大化にはLINE活用がおすすめ!
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ここまで活用方法などからLTVの重要性をお伝えしてきました。おさらいすると、顧客生涯価値を向上させたいと考えているブランドは、次の3つのポイントから始めることができます。

  1. 単価を上げる
  2. 購入頻度を増やす
  3. 顧客寿命を延ばす

前述の「平均購入単価」「1年間の購入回数」「継続年数」はいずれも「LTV(顧客生涯価値)」と正の相関関係があります。簡単に言うと、顧客が購入ごとにより多くの商品を購入し、より頻繁に、そしてより長く購入し続けることができれば、LTVは自然に向上します。

しかし、これら3つの重要なポイントを低コストかつ効率的な方法で改善するのは簡単ではありません。結局のところ、マーケティング活動の組織化や消費者との関係構築には、時間、人的資源、および費用がかかります。

そこで注目されているのが、国内9,600万人以上が利用するLINEを活用したCRMアプローチです。LINEは到達率・即時性・双方向性に優れ、CRMチャネルとしての基盤が強いのが特長。またメールの平均開封率は概ね15〜25%と言われる一方、LINEメッセージは「開封率60%前後」の事例も多数報告されており、エンゲージメント獲得に適したチャネルです。

MAAC/CAAC連携でLTV向上を加速

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MAAC/CAACは、クレッシェンド・ラボが提供するLINE公式アカウント専用のマーケティングオートメーションツールです。 600社以上の導入実績を持ち、LINEの特性を最大限に活かしたCRM機能で、前述の「単価UP」「頻度UP」「継続期間延長」を同時に実現します。

以下、LINE CRMにMAACを導入することで得られる3つの核心機能と、実際の成果をご紹介します。

1. 顧客の360°ビューの構築

MAACのデータ連携機能により、ECサイト、CDP、Salesforce等のCRMシステムと迅速に接続。Surveycakeアンケートのフィードバックデータも即座に統合し、顧客の全体像に基づいたマーケティングができます。

2. マーケティングのパーソナライズ化

顧客の360°ビューを基に、タグ付けとセグメント化を実施。詳細なセグメント化がLTV向上の鍵となり、以下の3つのポイントを改善します:

  • 単価を上げる:購買力に応じた商品価格の最適化
  • 購入頻度を増やす:製品の好みに基づく購入促進広告
  • 顧客寿命を伸ばす:ロイヤルティレベルに応じたリソース配分

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3. 顧客体験の向上:顧客を夢中にさせる「ゲーム機能」で、ブロック率 11%タグ保有率 89% を実現!(多慶屋)

一般的なマーケティング機能に加えて、MAACは消費者がブランドと対話するプロセスをより楽しめるようにするための多くのゲームテンプレートも提供。

▼導入前の「もったいない」

食品から医薬品、ファッション、リフォームまで多様な商品を扱う多慶屋では、顧客一人ひとりの興味が多岐にわたるため、 一斉配信では「誰にも響かない」 メッセージになりがちでした。顧客の関心を惹きつけ、 来店や購入を促す新しい仕掛けが求められていました。

そこで導入されたのが、MAACの「パーソナライズ×ゲーム機能」。多慶屋では、MAAC の柔軟な「タグ」システムを活用し、顧客の興味・関心や属性を詳細に分類。さらに、MAAC のゲーム機能を積極的に導入し、顧客が楽しみながらブランドと接触する機会を創出しています。

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▼導入施策:

  • 興味別の特別オファー: タグで分類した興味・属性に合わせ、最適化したメッセージとインセンティブを設計。
  • 「ゲーム機能」による能動的エンゲージメント: 顧客が「わくわく」するようなルーレットやガチャなどのゲーム機能をLINE上で提供。これにより、顧客は楽しみながら能動的にブランドと関わるようになりました。
  • 行動データに基づく自動フォローアップ: ゲームの結果に応じて顧客に「タグ」を付与し、「当選者には景品引換案内」、「未当選者には再挑戦クーポン」といったパーソナライズされたメッセージを自動配信。これにより、顧客を飽きさせずに次の行動へと導きました。

▼導入後の成果

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高いタグ保持と安定した既読・クリックは、精緻なパーソナライズ×楽しい体験設計が機能している証拠です。

→ LTVのレバーに当てはめると、提案の適合度向上=単価UP/再来訪の習慣化=頻度UP/ブロック抑制=継続期間延長に直結します。より多くの導入事例はこちらから>脱とりあえず一斉配信 LINEでのセグメンテーションをより高度に、効果的に

さらに、キーワード自動返信やAIによる最適配信時間を組み合わせ、満足度と応答率を強化。CAAC(LINEカスタマーチャット)と連携することで、問い合わせ〜購入までの双方向コミュニケーションを滑らかにし、LTVの最大化につなげます。

FAQ

Q1. LTVの計算式はどれを使えばいいですか?

ECなど単発購入が中心なら「平均単価×粗利率×年間購入回数×継続年数」。サブスクは「月額単価÷月次チャーン率」を推奨します。

Q2. LTV/CACはいくつを目標にすべき?

一般的な目安は3以上。成長初期は2.5〜3を下回る場合も、解約率改善で引き上げます。

Q3. LTV最大化、何から始めればいい?

まず現状LTVの計算→顧客セグメント分解→クイックウィン施策を1つ実装の順が最短です。

Q4. LINEは本当に開封されますか?

商材や配信設計に依存しますが、メールの平均15〜25%に対し、LINEで40〜60%前後の事例もあります。頻度とセグメント設計が鍵です。

まとめ

LTVは既存顧客との関係を深め、長期的な収益を最大化するために不可欠です。クレッシェンド・ラボでは、600以上の企業にサービスを提供しており、LINEマーケティングにおける顧客生涯価値の重要性も理解しています。弊社は市場のトレンドに精通したMAツール「MAAC」および「CAAC」を通して、顧客生涯価値を大幅に向上できるようサポートします。

MAAC・CAACを開発するクレッシェンド・ラボについて:https://www.cresclab.com/jp