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LTVを最大化!活用方法とよく使われる3つの計算式

Kohyoh Hayashi

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    LTVとは顧客生涯価値を意味し、ある顧客が自社と取引を開始してから終了するまでの期間にどれだけの利益をもたらしてくれるかを表す指標です。企業が長期的に顧客から得る総収益を測定するために使用され、顧客関係管理(CRM)の重要な指標です。

    新規顧客の獲得が難しくなってきた現在、既存顧客に対する重点的なアプローチから売上向上を狙う視点が必要となり、LTVも重要視されています。本記事では、LTVの概要と重要な理由、具体的な計算方法、および顧客生涯価値を向上させるためのヒントを説明します。既存顧客へのアプローチによって、売上向上を目指したい方はぜ参考にしてください。

     

    目次

    LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)とは

    LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)とは**、ある顧客が自社の商品・サービスを初めて利用してから終わるまでの期間で得られる利益を指します。1回の取引だけではなく、2回目以降のリピート購入による利益も含まれるため、**継続的に商品を購入する既存顧客のほうが、LTVは高くなります。そのため、特にNetflixやSpotifyのようなサブスクリプションモデルでは、顧客との長期的な関係を構築することがビジネスの成功に直結するため、より重要な考え方であることがわかります。

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    LTV はなぜ重要?

    LTVを高めるためには、既存顧客の維持が欠かせません。マーケティングの通説には「1:5の法則」や「5:25の法則」がありますが、いずれも新規顧客獲得ではなく既存顧客維持の有効性を説明する法則です。ここでは、LTV(顧客生涯価値)が重要である理由を以下の4点から説明します。

    • 新規顧客の獲得・新規市場の開拓が難しくなっている
    • 顧客ロイヤルティーの向上が求められている
    • 「One to Oneマーケティング」が主流化している
    • サブスクリプションモデルが増えている

    新規顧客の獲得・新規市場の開拓が難しくなっている

    新規顧客を獲得するためのコスト(広告費、プロモーション費用)が年々増加し、競争も激化しています。このため、既存顧客からの収益を最大化することが重要です。LTVは、既存顧客の価値を評価し、その顧客との関係をより長期的に維持することで、マーケティングコストを削減しながら収益を確保するための指針となります。

    顧客ロイヤルティーの向上が求められている

    競合が多い市場では、顧客が他社に乗り換えるリスクが高まります。ロイヤルティーの高い顧客は解約率が低く、LTVが高い傾向があります。LTVを追求することで、ロイヤルティー向上に必要な施策(パーソナライズサービス、ロイヤルティプログラムなど)を具体化し、顧客満足度を高める戦略を構築できます。

    「One to Oneマーケティング」が主流化している

    顧客一人ひとりにパーソナライズされた体験を提供する「One to Oneマーケティング」は、顧客ロイヤルティーの向上に直結します。この手法では、顧客ごとのLTVを正確に把握し、その価値に応じたマーケティング施策を設計することが重要です。高いLTVを持つ顧客には追加サービスや特典を提供する一方で、LTVが低い顧客の価値を高めるためのアプローチを検討する必要があります。

    サブスクリプションモデルが増えている

    サブスクリプションモデルは、顧客の継続的な利用がビジネスの成功に直結します。LTVは、顧客の契約期間や利用頻度を示す重要な指標であり、長期的な収益性を確保するための意思決定を支えます。解約率を下げ、契約期間を延ばすための施策(柔軟なプラン提供、満足度向上施策など)を計画・実行するには、LTVを基準に評価することが効果的です。

    LTVの活用方法

    ここまで説明してきたLTVですが、どのように活用することができるでしょうか。以下の3点に絞り、活用方法を紹介します。

    • マーケティング施策の評価
    • ターゲット顧客の選定
    • プロダクトやサービスの改善

    マーケティング施策の評価

    LTVを分析することで、どのマーケティングチャネルやキャンペーンが高い価値を生んでいるかを把握することができます。各マーケティングチャネルごとにLTVを計算、比較することで、高いLTVを生むチャネルに予算を重点配分することもできます。

    ターゲット顧客の選定

    LTVは高価値顧客を特定し、リソースを集中させることもできます。顧客をセグメント化し、セグメントごとにLTVを算出することで、高LTV顧客に対してロイヤルティプログラムや特別なオファーを提供し、継続的な取引を促進します。

    プロダクトやサービスの改善

    LTVを活用することで、顧客満足度を向上させ、継続利用を促進することも可能です。LTVを分析し、顧客離脱の原因となる要素を特定し、サポートの向上や価格改定などの改善ポイントを明確にし、顧客体験を強化します。

    LINEで LTVを最大化したい方にはこちらの記事がおすすめです:LINE連携で実現する店舗とECのオムニチャネル戦略

    顧客生涯価値を計算するための3つの公式と重要用語

    1 人の顧客の LTV を計算するのは比較的簡単です。Aさんが70年の人生で1杯500円のスターバックスラテを100杯購入し、スターバックスで他の買い物をしなかったと仮定すると、Aさんがスターバックスに提供した顧客生涯価値は50,000円(500 x 100)となります。

    しかし、実際はそれほど単純ではありません。Invesp の統計レポートによると、76%の企業が LTV が重要な指標であると考えていますが、顧客生涯価値を正確に計算している企業はたった42%であるとしています。そのため、具体的な計算方法を理解し活用することで、他の企業と差をつけることができます。

    LTVはさまざまな計算方法で求めることができますが、代表的な3つの公式を紹介します。

    式1 : LTV = 平均購入単価 × 粗利率 × 1年間の購入回数 × 継続年数

    例えば、粗利率50%で単価5,000円の商材を毎月1回、3年間継続して購入した顧客の場合は、「5,000円 × 0.5 × 12回 × 3年」という計算式でLTVは90,000円となる。この数値から顧客の獲得・維持コストを差し引くと、コストを考慮したLTVも算出することができます。

    また、サブスクリプションモデルのサービスでは、以下のように「チャーンレート(解約率)」を利用したLTVの算出方法も一般的です。

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    式2 : LTV = 平均購入単価 ÷ チャーンレート

    この計算式は、おもにサブスクリプション型のサービスなどで活用されています。チャーンレートは解約率のことで、「チャーンレート = 解約顧客数 ÷ 期間開始時点の総顧客数」で求めることができます。ここから、「平均購入単価を引き上げること」と「解約率を低く抑えること」の重要性がひと目でわかルはずです。この計算式に粗利率を乗算すれば、利益ベースでLTVを把握することも可能です。自社に合った算出方法を採択しましょう。

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    式3 : 平均顧客寿命 = 1 ÷ チャーンレート

    また、顧客が企業と取引を継続する平均期間を示す平均顧客寿命も重要な指標です。例えば、チャーンレートが10%(0.1)の場合、平均顧客寿命 は「1 ÷ 0.1 = 10ヶ月」となります。また、顧客の数が莫大ではない場合は「顧客寿命の合計 ÷ 顧客総数」でも、平均寿命を求めることができます。特に、チャーンレート(解約率)が季節や状況で大きく変動する場合は、「顧客寿命の合計 ÷ 顧客総数」の計算式を使うべきです。

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    LTVに関する重要用語

    • ARPA:Average Revenue Per Accountの略で、1アカウントあたりの平均売上金額

    【計算式】ARPA = 売上 ÷ アカウント数

    • CAC:Customer Acquisition Costの略で、1顧客を獲得するのに生じたコスト

    【計算式】CAC = 獲得に要したコスト(広告・マーケティング費用など)÷ 新規顧客獲得数

    • MQL:Marketing Qualified Leadの略で、マーケティング活動により得られた有望なリード(見込み顧客)
    • ユニットエコノミクス:顧客1人あたりの採算性

    【計算式】ユニットエコノミクス= LTV ÷ CAC

    →一般的には、ユニットエコノミクスの値が3以上であれば、サブスクリプションビジネスは健全な状態であると考えられている。ユニットエコノミクスが低い場合は、LTV(顧客生涯価値)に対してCAC(顧客獲得コスト)が高いことを意味するため、ビジネスの収益性が悪化していると言える。

    LTVを向上させるための3つのポイントと2つのデジタルツール

    ここまで活用方法などからLTVの重要性をお伝えしてきました。LTVの計算式を見ると、顧客生涯価値を向上させたいと考えているブランドは、次の3つのポイントから始めることができます。

    1. 単価を上げる
    2. 購入頻度を増やす
    3. 顧客寿命を延ばす

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    前述の「平均購入単価」「1年間の購入回数」「継続年数」はいずれも「LTV(顧客生涯価値)」と正の相関関係があります。簡単に言うと、顧客が購入ごとにより多くの商品を購入し、より頻繁に、そしてより長く購入し続けることができれば、LTVは自然に向上します。しかし、これら3つの重要なポイントを低コストかつ効率的な方法で改善するのは簡単ではありません。結局のところ、マーケティング活動の組織化や消費者との関係構築には、時間、人的資源、および費用がかかります。したがって、マーケティングと顧客関係管理をサポートするデジタルツールを選択することが、ブランドにとってLTVを向上させる第一歩となります。この記事の最後に、MAAC(LINEマーケティングオートメーション)CAAC(LINEカスタマーチャット)の機能を紹介し、クレッシェンド・ラボのツールがどのように企業の成長をサポートできるかを説明します。

    1. 顧客の360°ビューの構築

    MAACを使用すると、ブランドはLINEを通じてデータを効果的に収集できます。MAACのデータ連携機能を使用すると、ECサイト上の顧客情報やCDP、Salesforce、その他のCRMシステムなどの多くの既存データと迅速に接続できるようになります。 また、Surveycakeを使ったアンケートを実施しても、フィードバックデータはすぐに統合することができます。ここから、顧客の360°ビューを構築し、顧客の好みに合わせたマーケティングを実施することができます。

    2. マーケティングのパーソナライズ化

    ブランドが顧客の360°ビューが構築されると、MAACを使用して消費者をタグ付けおよびセグメント化することができます。例えば、アクティビティ、購買力などに応じて顧客を分類し、より効率的かつ正確にマーケティングを行うことができます。これらの詳細なタグ付けと詳細なセグメント化がLTVを向上させる鍵となります。これにり、ブランドは前述した3つのポイントを向上させることができるからです。

    (1)単価を上げる:購買力に応じて異なる商品価格を提供

    (2)購入頻度を増やす:製品の好みに基づいて、さまざまな購入促進広告を掲載

    (3)顧客寿命を伸ばす:アクティビティとロイヤルティなど、さまざまなレベルに応じてリソースを分配

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    3. 顧客体験の向上

    一般的なマーケティング機能に加えて、MAACは消費者がブランドと対話するプロセスをより楽しめるようにするための多くのゲームテンプレートも提供しています。さらに、マーケティング担当者は、さまざまな返信テンプレートを設定し、キーワードに基づいてメッセージを自動的に送信するオート返信や、AI予測に基づいて最適な時間に情報発信を行うこともできます。

    また、多くのブランドは一方的な情報発信に加えて、顧客に高品質のサービスを提供する上で、コミュニケーション課題を抱えています。クレッシェンド・ラボ は、ブランドの顧客サービス、販売、管理担当者がよりスムーズに対応できるようにするCAAC (LINEカスタマーチャット)を開発しました。CAACは顧客対応の向上に役立ち、顧客とのコミュニケーションをより円滑にすることで、LTVを最大化させます。

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    まとめ

    LTVは既存顧客との関係を深め、長期的な収益を最大化するために不可欠です。クレッシェンド・ラボでは、600以上の企業にサービスを提供しており、LINEマーケティングにおける顧客生涯価値の重要性も理解しています。弊社は市場のトレンドに精通したMAツール「MAAC」および「CAAC」を通して、顧客生涯価値を大幅に向上できるようサポートします。

    MAACを開発するクレッシェンド・ラボについて:https://www.cresclab.com/jp