LINEで顧客管理(CRM)をする方法とは?成功事例やメリットを紹介
LINEマーケティング • 2024/05/29 16:06:15 • Written by: Nae Saito
LINEでの顧客管理(CRM)とは広く普及しているLINEを用いることで効率よく顧客情報を収集分析し、企業が顧客と良好な関係を築くことを目指します。
この記事ではLINEで顧客管理(CRM)することのメリットや運用の際のコツをご紹介します。CRMについての理解をさらに深め、効率良く顧客との良好な関係を築くことで収益の拡大を目指しましょう。
この記事はこんな方にオススメ!
・LINE公式アカウントを活用して顧客管理(CRM)を改善したい人
・LINE公式アカウントによる効率的な配信で収益を拡大したい人
・既にLINE公式アカウントを導入しているが活用の仕方が分からない人
【目次】
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CRMとは?
CRMとは顧客関係管理(Customer Relationship Management)の略称であり、企業と顧客間の良好な関係を構築するためのマーケティング施策を指します。
本来、企業が顧客情報を把握し管理することをCRMと呼称していましたが、最近ではCRMツールやシステムを含めてCRMと総称することが一般的です。
CRMを上手に運用するコツとしては、顧客情報や行動履歴をより正確に把握し管理することが重要とされています。
LINEをCRMツールとして活用する傾向が、近年高まっている主な要因としても、アクティブユーザー数の多さや、顧客がLINEを使い慣れていることに由来する顧客情報の集めやすさが挙げられます。
日本国内では、普及率の高さからLINEが唯一無二のメッセージアプリであるということが言えますが、CRMとして活用できる機能の豊富さもLINE公式アカウントが注目されている理由の一つです。
次に、LINE公式アカウントで実際にCRMとして活用できる機能を紹介しながら、LINEをCRMツールとして活用する際の特徴について紹介します。
LINE公式アカウントでの顧客管理(CRM)
LINE公式アカウントにはCRMを行う際に利用できる機能が豊富に装備されています。
代表的な機能を紹介します。
- チャット:従来のチャット機能。顧客が使い慣れているLINEチャットを媒体として利用することで簡単に1対1のお問い合わせ対応が可能。
- メッセージ配信:友だち追加している顧客に対して一斉にメッセージを配信。
- セグメント配信:属性やLINE上の行動を基にカテゴライズし、セグメント別に配信。
- クーポン:主に店舗で使用することのできる友だち限定のお得な特典やクーポンを配信。
- ショップカード:来店時や商品購入時にポイントを貯めることのできる機能。一定のポイントを貯めることで特典を配布。
- 自動応答:特定のキーワードに対してあらかじめ設定しておいた文章もしくは画像を配信。
- 分析:各機能に対するクリック率や利用率などを確認することができ、分析・効果測定が可能。
LINEをCRMとして活用するメリット
次にLINEをCRMとして活用するメリットを4つ紹介します。
アクティブユーザー数の多さ
LINE最大の特徴はなんと言ってもアクティブユーザー数の多さです。
LINEは、メッセージアプリとして国内トップの地位を確立し、約9,600万人にも上る月間利用者数は、日本人口の7割以上を占めます。
LINEが発達する前からCRMとして主流であったメルマガ配信を始めとする、様々なSNSと比較しても、圧倒的な利用率を誇り、そのターゲット層は非常に広いものであります。年代や地域を問わず包括的に利用されているため、さまざまなマーケティングシーンで活用することが可能です。
アクティブユーザーが多いということは、それだけLINEを活発に利用している潜在顧客が多く、ビジネスチャンスにもつながりやすいということです。
また、半数以上の友だちが「クーポンを目当てにLINE公式アカウントを友だち追加した」という調査結果からもわかる通り、LINEクーポンやショップカードのような友だち限定で利用できるお得な情報への顧客の関心度は高いということが言えます。
自動応答メッセージやAI技術の活用による業務効率化
LINE公式アカウントで利用できる機能の中には、業務効率化に役立つものがいくつか含まれています。LINEをCRMとして活用する際には、これらの機能を活用していくことが望まれます。
例えば、自動応答メッセージやAIを活用したテンプレートメッセージの作成は顧客とのやり取りを自動化し、顧客対応にかかる時間を短縮することで、業務の効率化を図ることを可能にします。
このように、自動応答メッセージやチャットボット、AI技術などを活用することで、顧客対応業務を大幅に効率化することができます。従来、人手で行っていた個別対応を自動化することで、担当者はより付加価値の高い業務に注力することが可能となります。
顧客体験(UX)向上
LINEは、双方向のリアルタイムなコミュニケーションを可能にするプラットフォームです。顧客からの問い合わせに迅速かつ丁寧に対応することで、顧客満足度を大幅に向上させることができます。
また、顧客とのやり取りを通して得られたデータを分析することで、顧客のニーズを深く理解し、最適な商品やサービスを提案することができます。さらに、アンケート機能やクーポン機能などを活用することで、顧客との双方向的なコミュニケーションをさらに活性化することができます。
顧客それぞれにあったマーケティングをできる
LINE CRMでは、顧客データを活用して、顧客属性や興味関心、購買履歴などに基づいた高度なセグメント配信を行うことができます。属性や行動データに基づいて顧客を分類することで、より効果的なマーケティング施策を実行することができます。
また、LINE公式アカウントのクーポン機能やリッチメッセージ機能などを活用することで、個別化されたメッセージやクーポンを配信することができます。顧客一人ひとりに最適な情報を届けることで、顧客満足度向上や売上アップに繋がります。
LINE公式アカウントで顧客管理をする方法
LINE公式アカウントで利用できるCRMの機能は大きく分けて2つの種類に分類することができます。それは、①LINE公式アカウントにもともと備わっている標準機能と②オートメーションツール等のAPIを利用することで拡張できる機能の2つです。
LINE公式アカウントで用いることのできる標準機能については、上記でご紹介した通り豊富な機能を提供していますが、オートメーションツールを活用することでより細かい顧客情報の分析・管理が可能です。
例えば、顧客に付与できるタグの数は標準機能よりも多く設定できるため、より細かなセグメント分けをすることが可能です。細かいセグメントを用いて顧客一人ひとりに合った配信を行うことが可能です。
また問い合わせ内容に記載されている特定のキーワードに反応して自動で担当振り分けをするなど、時間短縮や専門性の高い対応を可能にし、企業・顧客の双方にとって効率の良いサービスを提供することができます。
さらにAI機能を用いて文章作成をツール内で行うことも可能です。簡単なキーワードを設定し、文章生成を依頼することができるため、時間を節約しながら適切な文章を送信することができます。
次に、実際にオートメーションツール等を利用することでLINEでのCRMを成功させた事例をご紹介します。
LINEでCRMを実践した成功事例
顧客の属性や行動範囲に合わせてリッチメニューの表示を切替-YANUK
L.A.発のデニムブランドYANUKは、リッチメニューの表示を顧客ごとに合わせて切り替え表示したり、タブ切り替えで用途に合わせたリッチメニューを表示したりすることで、セグメント配信に負けない効果的な配信を実現しました。
従来のリッチメニューでは、限られたスペースの中で商品情報を伝えることが困難でしたが、リッチメニューの出し分け機能を活用することで、ターゲット層に属する顧客に絞っておすすめの商品について詳しく表示できるようになりました。これにより、顧客一人ひとりに最適な情報を提供することが可能となり、最終的に収益向上に繋げることができました。
また、リッチメニューのタブを切り替えることで、「ECサイト利用時」と「実店舗利用時」で推したいそれぞれの機能(Webサイトへの動線やショップカードなど)を状況に合わせて顧客に存分に伝えることが可能です。
参照:「リッチメニューでも活用の仕方次第で購買までいける!」 YANUK 牧様に聞くMAAC活用のコツ
LIFFアプリを活用した行動履歴の追跡-TAMSAN
TAMSAN代表取締役の二階堂氏は、LINE運用支援と開発で、多くの成功事例を生み出しています。
自動応答機能を活用し謎解きキャンペーンを企画した事例では、幅広い属性、年齢層の方をターゲットとして活用できる点、多くの人が既に利用しているため気軽に参加してもらえるという点、顧客情報を管理(CRM)するのに最適なツールであるという点からLINEを活用し、企画の成功に繋げました。
LINE公式アカウントの友だち追加でキャンペーン利用が可能になるため、参加者に次回開催時お知らせを送信することで継続的な参加を促進したり、アンケートを実施し収集した回答を基に配信内容を調整したりと、顧客情報を活用することで顧客体験(UX)向上を実践することが可能です。
また*LIFFアプリを活用してユーザーの行動記録を取ったり、収集した行動履歴を元に顧客の嗜好にあった配信を行うことは、顧客関係管理(CRM)を行う上で効果的な方法です。
- LIFF(LINE Front-end Framework):LINEが提供するウェブアプリのプラットフォーム。このプラットフォームで動作するウェブアプリをLIFFアプリと呼ぶ。
参照:【プロに学ぶ】LINE公式アカウント運用成功のカギ #8
LINEを媒体とすることで顧客情報を容易に取得-パーソナルリンクカンパニー
近年、LINE公式アカウントは顧客とのコミュニケーションツールとして多くの企業で導入されています。パーソナルリンクカンパニーの倉本氏によると、LINE公式アカウントの大きなメリットは、データの獲得と活用のしやすさです。
LINE公式アカウントでは、顧客とのやり取りを通して、アンケート回答や行動履歴などのデータを収集することができます。これらのデータを分析することで、顧客の熱量やニーズを把握し、効果的な営業活動を行うことが可能となります。
具体的には、以下のようなステップで顧客データを活用することができます。
①顧客の熱量をスコアリング:友だち登録の流入経路、アンケート回答、行動履歴などを基に、商品に関連する知識や情報収集状況、購入検討状況などを判断し、営業担当者への引き継ぎタイミングを最適化します。
②熱量の高い顧客に営業担当者がアプローチ:スコアリング結果の高い顧客に対して、営業担当者が個別にアプローチを行います。またどのような経路から興味を持ったのかを分析することによってLINEでのコミュニケーションをさらにスムーズに行うことが可能です。
参照:【プロに学ぶ】LINE公式アカウント運用成功のカギ #6
LINEを活用したCRMを成功させるためのポイント
次にLINEを活用しCRMを成功させるために重要なポイントを紹介します。
セグメント配信
セグメント配信はある条件を満たす顧客を対称群にし、ターゲット層を絞ってコンテンツ配信を行うことを言います。属性や行動に基づいてセグメント分けを行うことで、より効果的なマーケティング施策を実施することを目指します。
顧客管理(CRM)を行う上で、顧客情報を収集分析し活用することがカギとなるため、セグメント配信はCRMの重要な要素として挙げられます。
LINE公式アカウントの標準機能では、オーディエンスと属性にもとづいたセグメント分けを行うことができます。
- オーディエンス:メッセージやリッチメニューのクリックやインプレッションなどLINE上での行動や、特定のページへのアクセスなどWebサイト上での行動、友だち追加経路、チャットタグをセグメントとし、条件に当てはまる友だちを抽出したものを指します。
- 属性:友だち追加されてからの期間や、性別、年齢、地域など顧客の属性に関する情報。
ID連携
ID連携とは異なるサービスのアカウントを、同一人物のアカウントとして認識し紐づけることを指します。つまりLINE上でのID連携は、自社で既に保有している会員情報とLINEアカウントを紐づけることを指します。
ID連携を行うことで、顧客の基本情報やECサイト/実店舗等での行動をもとにLINEでの配信が可能になるため、顧客一人ひとりによりカスタマイズされたコンテンツを配信することができます。また配信に限らず、ID未連携/連携済みのセグメント別にリッチメニューの表示を区別するなど、さまざまな機能を用いて顧客体験を向上することができます。実際の導入事例は👉こちら
ID連携は顧客視点から、ログイン時に便利なだけでなく、パーソナライズメッセージの配信に活用されることで不必要なメッセージを受け取ることが減少します。それぞれの顧客に適したコンテンツの送信により、ブロック率の低下や顧客エンゲージメントの向上、LTVの向上が見込めます。それに伴い、新規顧客獲得へ莫大な広告費を割く必要性が低下し、結果として支出を減らすことができます。
ID連携を活用した顧客管理(CRM)は企業と顧客双方にとって利点がある一方で、利用する上で懸念となる点があります。それは個人情報保護やセキュリティに関する部分です。
ID連携を思いとどまる顧客に対して個人情報の利用範囲について明確に表記したり利用したくなるような導線を用意したりすることが求められます。
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自動応答メッセージやAI技術を活用した業務効率化
LINE CRMにおける自動応答メッセージやチャットボット、AIの活用は、顧客対応とオペレーションの効率化に大きな貢献を果たします。
自動応答メッセージは、特定のキーワードに反応して事前に設定しておいたメッセージをもって対応することが可能です。よくあるお問い合わせや顧客の予測し得るお問い合わせに対しては、事前に自動応答メッセージを設定しておくことで、24時間365日自動で対応することができます。
これにより、人件費削減や顧客満足度向上につながります。また、AI技術を活用することで、短時間でより適切な回答を導き、顧客対応することも可能です。
また、AI技術を活用したテンプレートの使用は、顧客対応のフローを標準化し、顧客対応の品質を向上させることができます。
まとめ
LINEは、顧客管理(CRM)に最適なツールです。多くの人が利用しているプラットフォームであること、顧客との双方向のコミュニケーションが可能であること、様々な機能が用意されていることなどが利点です。LINEをうまく活用することで、顧客満足度を向上させ、売上増加につなげることができます。
LINEで顧客管理(CRM)をするメリット
- アクティブユーザー数の多さ: 日本で圧倒的なシェアを誇るLINEは、顧客へアプローチしやすいプラットフォームです。
- 自動応答メッセージやAI技術による業務効率化: 顧客対応の自動化や、AIによる最適な回答の提案で、業務効率化が図れます。
- 顧客体験(UX)の向上: 双方向のコミュニケーションで、顧客満足度の高いサービスを提供できます。
- 顧客一人ひとりに合わせたマーケティング: 属性や行動データに基づいたセグメント配信で、効果的なマーケティング施策を実行できます。
LINEを活用したCRMを成功させるためのポイント
- セグメント配信:顧客の属性や行動データに基づいて、顧客をセグメント化し、ターゲティングを行います。より効果的なマーケティング施策を実行できます。
- ID連携:自社の顧客情報とLINEアカウントを紐づけることで、より詳細な顧客情報に基づいたコミュニケーションが可能になります。
- 自動応答メッセージ等を利用した業務の効率化:よくある質問への自動応答や、AIによる最適な回答の提案で、顧客対応を効率化し、顧客満足度を向上できます。
よくある質問
Q. LINEを使ってCRMを行うことのデメリットは何ですか?
LINEはCRMの優れたツールですが、他のツールと同様に、デメリットもあります。例えば、LINE公式アカウントは無料のフリープランから利用することが可能であり、企業が有料のCRMシステムと同じレベルの機能を提供できない可能性があります。
Q. 自社にとってLINE CRMが適切かどうかを判断する基準は何ですか?
LINE CRMが適切かどうかを判断する基準は、企業のニーズと目標によって異なります。例えば、LINEが顧客とのコミュニケーションの主要なチャネルである場合、LINE CRMは非常に効果的です。しかし、企業がより高度なCRM機能を必要とする場合、マーケティングオートメーションツールの併用が適している可能性があります。
Q. LINE CRMを導入する際にかかる費用はどれくらいですか?
LINE CRMを導入する際にかかる費用は、企業のニーズと規模によって異なります。LINE公式アカウントは無料で利用することのできるサービスですが、企業がより多くの機能を利用したい場合は、有料のプランに加入する必要があります。また、企業がLINE CRMを自社システムに統合する場合、追加の費用がかかる可能性があります。
LINEを活用した顧客管理ならクレッシェンドラボにお任せください!
LINE ID連携やAPI連携でさまざまなチャネルから顧客情報の取得を実現し、タグ付け管理。
顧客情報を適切に収集・分析することで、それぞれの顧客にあったメッセージ配信や効率の良いキャンペーン配信を可能にします。
クレッシェンドラボが提供するLINEオートメーションツールMAACやチャットツールCAACを利用することで顧客情報を効率よく活用し、利益の拡大を目指しましょう。
▽ MAAC(オートメーションツール)でご利用いただけるおすすめの機能
- ID連携:MAACでは、日本で主に使用されている3つの方法でID連携を実現しています。顧客に実践してもらいやすい方法を実装することで、より多くの顧客データを活用しましょう。また顧客データをうまく活用することで、それぞれの顧客にあった配信を可能にし、顧客満足度の向上を目指しましょう。
- セグメント配信:MAACではあらゆる種類のタグ(流入経路、クリック箇所、クリック内-容、アンケート回答内容、クーポンの使用、キャンペーン参加有無)をユーザーに付与することができます。
タグの種類やタグ付けされたタイミング、タグの強度や性別・誕生日などの顧客データを参考に緻密なセグメント設定を行うことで、それぞれの顧客にあった配信の実現が可能です。
▽ CAAC(LINE公式アカウント向けチャットツール)でご利用いただけるおすすめの機能
LINE公式アカウントのチャットと比べて、さらに豊富な権限管理と、自動担当割り当てによって柔軟なチームコラボレーションが可能です。
またMAACとのデータ連携を利用することで、LINE上で得た顧客情報が一元化され、顧客のセグメントから適した担当への自動割り振りをすることでより専門性の高いサービスを顧客に提供することが可能です。
また顧客のタグやセグメントなどの細かい情報を確認することができるため、適切なメッセージの送信を可能にし、お問い合わせ対応時の時間短縮にも繋がります。