SMSは、「ショートメール」とも呼ばれる、携帯電話やスマートフォンを使って短いテキストメッセージを送受信するサービスのことです。セキュリティ性の高さから本人確認によく利用されており、開封率も高いため、最近では強力なマーケティング手段として使用されています。
本記事では、SMSの特徴やLINEとの違いを解説し、ビジネスにおけるSMSの活用メリットと注意点について詳しく紹介します。顧客との効果的なコミュニケーションを実現するために、それぞれの特性と使い方を理解するようにしましょう。
SMSの特性と強み
SMS関連の統計データを一覧(2024年版)
- 95% 平均開封率
- 19% 平均クリック率
- 91% の消費者がSMSの受信を希望している
- 96% のマーケティング担当者がSMSが有用だと考えている
SMSの5つの強み
SMSは、スピーディかつ簡潔なコミュニケーション手段であり、カスタマージャーニーの過程でオーディエンスと積極的に関わり、イベントページへのアクセスや商品の購入などのアクションを誘発するのに適しています。それでは、SMSマーケティングの5つのメリットを詳しく見ていきましょう:
1. ダイレクトコミュニケーション
SMSは他のメッセージングアプリを経由せずにターゲットの手元に届きます。会員登録の必要がなく、インターネットや通知オフによって制限されることもありません。メールと違って迷惑メールやプロモーションメールに分類されることも少ないです。
2. 圧倒的なレスポンス率
上記のデータのように、SMSはメッセージの手段として非常に高い開封率とクリックを誇っています。調査によると、95%のSMSは送信後3分以内に既読されます。SMSが未だにマーケティングの主要手段になっていないからこそ、消費者は重要な内容だと思って読みやすいです。
3. 抜群な投資収益率
新規顧客開発はいつだって高コストです。しかしSMSの送信相手は、「SMSの受信を許可している人」が多いため、顧客獲得が狙いやすい。広告などのマーケティング手段と比べて、SMSはコストが低く、効果が高いです。
4. すぐに始められる手軽さ
SMSマーケティングは複雑な準備をほとんど必要とせず、この柔軟性により企業は変化への適応や競合他社への迅速な対応という点で優位に立つことができます。
ビジネスでのSMSとLINEの主な違い
SMSの比較対象として、よくLINEが挙げられます。では、SMSとLINEのそれぞれの特徴や違うところを見ていきましょう。
以下がSMSとLINEの違いをまとめた表です:
SMS | LINE | |
---|---|---|
送信先 | 携帯電話番号を知っている相手 | LINEで友だち登録している相手 |
利用料金 | 受信は無料 送信は文字数によって3~33円 |
無料 |
送信可能な内容 | 文字のみ | 文字、画像、動画、スタンプなど |
最大文字数 | 670文字 | 1万文字 |
安全性 | 端末契約時の本人確認手続き | IDとパスワードによるログイン認証 |
配信地域 | 全世界 | LINEを提供している国・地域 |
SMSマーケティングのやり方
ビジネスシーンで使われるSMSには、大きく分けて
トランザクション型 と プロモーション型
の2つの種類があります。
以下の表では、この2種類のテキストメッセージのパーパス、効果、ターゲットなどを分析し、実用例や注意点についても説明します。
プロモーション型 (宣伝型) |
トランザクション型 (通知型) |
|
パーパス | 製品・サービス・イベントの宣伝 | 注文などのお知らせ |
効果 | ・アクセス数向上 ・顧客維持率と購入率の向上 |
・カゴ落ち対策 ・消費体験の向上 |
ターゲット | 製品やキャンペーン に関心のある方向け |
購入済みの方 または会員登録済みの方向け |
実用例 | ・限定クーポン ・新製品情報 ・イベントリマインダー ・アンケート |
・注文状況の更新 ・受け取りのお知らせ ・会員特典のお知らせ ・ワンタイムパスワード認証 |
注意点 | ・魅力的な文章が必要 ・適切にCTAを配置 ・過度な送信を控えよう |
・内容をわかりやすく ・取引行動に応じて即座の送信が 必要 |
迷惑メール対策
せっかく送信したSMSが、消費者に迷惑メールや詐欺メールと思われたら努力が台無しです。消費者に信頼されるように、いくつかの工夫をしなければなりません:
- 内容をできるだけ簡潔にし、目的を明確にする
- 企業名またはブランド名を記載し、送信元を明確にする
- 受信者の名前を記載し、受信者に関連する内容であることを明確にする
- 他のコミュニケーションチャネルと併用し、ブランドと受信者のつながりを強化する
逆に、消費者に上記のポイントを使って、企業からのメッセージを詐欺かどうか判断するよう呼びかけることもできます。
クロスチャネルでのSMSの活用例
企業と消費者との交流チャネルが多様化するにつれ、企業はクロスチャネルマーケティングまたはオムニチャネルマーケティング戦略を展開する必要があります。
SMSはいくら開封率が高いとはいえ、SMSだけに頼っていては、顧客とのタッチポイントが限定され、高いマーケティング効果を期待することができません。
そのため、SMSを利用する際は、他のチャネルと連携させるようにしましょう。すると、以下のような使い方ができます:
1. イベントリマインダー
メールやLINE公式アカウントなどのSNSで宣伝したイベント(オンラインもオフラインも可)が近づいた際に、SMSでリマインダーを送信し、より高い参加率を狙います。
2. クロスチャネルで友だちの数を増やす
SMSでほかのチャネルを宣伝し、登録/追加を促すことで、ほかのチャネルのフォロワー/友だち数を効率的に増やせます。SMSから追加したユーザーに特典をあげるなどのキャンペーンを設けることで、より効果的になります。
3. 顧客の呼び起こし
SMSでLINEやメールを確認していない顧客に対してフォローアップメッセージを送信し、確認するよう促します。これにより、より高い開封率を確保でき、再び顧客との関係性を築けます。
4. オフライン店舗への来店促進
購入商品の店舗受け取りや、期間限定オファーの利用を促すSMSを送信し、オンライン顧客をオフライン店舗に誘導しましょう。
5. パーソナライズされたメッセージ配信
顧客データを統合できるCRMツールを使用すると、SMSを他のチャネルのサポートに使うだけでなく、ほかのSNSで集めたデータを利用してSMSを送信することも可能です。
例えば、クレッシェンド・ラボ(Crescendo Lab)開発のMAACは、SMSとLINE公式アカウントという2つのチャネルを統合しています。これにより、企業はLINE公式アカウントを登録してくれている友だちの個人データを集め、ターゲットを絞ったセグメント配信をSMSでできるようになります。
SMSとLINEを併せて使おう
しかし、いくらSMSは強力だとしても、日本国内でSMSのみでコミュニケーションを完全に依存することが難しいです。LINEの普及により、日常生活やビジネスにおいても主要なコミュニケーションツールはLINEに変わっております。そのため、SMSとLINEを併合して利用したほうが現実的です。
クレッシェンド・ラボ開発のMAACでは、新しい機能として「SMS+」が2025年春に実装予定です。SMS+は、電話番号だけで送信相手がLINEの友だち追加をしているかどうかを自動的に判別し、LINE Push、LON、SMSの3種類のメッセージを状況に応じて最適な手段で送信する機能です。
LINE PushとLINE LONを活用したマーケティング戦略
「SMS+」は、「LINE Push」「LINE LON」「SMS」の3つのチャネルにAPIを統合するし、管理をよりシンプルにしてくれます。3つのチャネルを自動的に選び、最も安価で適切なチャネルでのメッセージ送信を支援します。
メッセージの種類
-
LINE Push:
皆さまが普段利用しているLINE公式アカウントから送信されるの一般的なメッセージのことです。あらゆる内容が可能です。 -
LINE LON
「LON」はLINE Official Notificationの略称で、トランザクション型メッセージの一種です。クーポンやイベントアナウンスなどを送信することができません。 -
SMS
SMS+の2つのアドバンテージ
1. LINE PushとLINE LONの活用でコストを大幅削減
SMSの最大の欠点はそのコストの高さです。リーチにおいてLINEメッセージより勝るが、メッセージごとに費用が発生するため、大量配信を行う際に多額のコストがかかります。
これに対し、電話番号のみで相手がLINE公式アカウントに登録しているかどうかを探知し、以下のように最適なメッセージチャネルを探ります。
- LINE Pushを送信するシチュエーション:
1.相手がすでにLINEで友だち登録をしている場合 - LINE LONを送信するシチュエーション:
1. 相手がLINEで友だち登録をしていないものの、電話番号が分かっている場合
2. 月間メッセージ数制限に達している場合 - SMSを送信するシチュエーション:
1. LINE公式アカウントがブロックされている場合
2. 相手が24時間以内に電話番号を認証していない場合
3. 相手がLINEを利用していない場合
LINE PushとLINE LONを優先することによって、SMSの需要性を最小限に縮小させることが可能です。これにより、従来のSMS配信コストを大幅に削減できます。実際、台湾の大手医療会社はMAACのSMS+を導入することで、年間コストを39%カットしました。
2. LINE友だち獲得をより簡単に
LINE LONとSMSを活用することで、LINE公式アカウントへの友だち登録を促進する効果も得られます。具体的には、LINE LONとSMSを通じて顧客に登録案内を送ります。これにより、友だち追加率は最大40%アップします。
また、データによると、以上のプロセスでLINEで友だちになったお客様は、
10%未満とブロック率が低く、継続的な関係構築が見込める「ハイクオリティカスタマー」となります。
SMS+では、電話番号とLINE公式アカウントのプロフィールをマッピングし、会員データ(レベル、購買履歴、タグなど)を同期します。これにより、
- 配送後14日経過後の再購入促進
- 会員登録後30日経過後の会員向け販売
- 決済完了後の商品推奨
などの効果的なセグメント配信が可能になります。
SMS送信サービスの選び方
豊富な機能が欲しい場合の選び方
多くのSMS送信サービスは、機能面ではサービスごとに違いがあります。
たとえば、NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社のサービス「空電プッシュ」は送信先の契約者が変わっていた場合に誤送信を防止する携帯番号履歴判定機能や、URL短縮機能、開封確認機能などを搭載しています。更に、自社システムとのAPI連携による送信も可能です。
■ 空電プッシュ(NTTコム オンライン) お問い合わせ.資料ダウンロードはこちら。 |
できるだけ安価に利用したい場合の選び方
数千人から数万人への一斉配信や定期的な送信が必要な場合は、コストがかさむため、料金体系を重視して選ぶことが大切です。
このようなケースでは、配信数が増えるほど1通あたりの単価が安くなるボリュームディスカウントプランを提供しているサービスが適しています。ただし、「何通以上の配信でどれだけ安くなるのか」はサービスごとに異なるため、事前の確認が必要です。
■ SMS送信サービス(CM.com Japan 株式会社) お問い合わせ.資料ダウンロードはこちら。 |
LINEと併合して使いたい場合の選び方
企業が効果的なマーケティング戦略を展開するためには、LINEと他のチャネルを併合して活用する方法を検討することが重要です。
LINEとSMSの統合により、コストを大幅に削減できるだけでなく、顧客接点を増やし、ブロック率の低いユーザーにLINE公式アカウントを追加してもらう仕組みを構築できます。
■ MAAC(株式会社クレッシェンド・ラボ) お問い合わせ.資料ダウンロードはこちら。 |
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Kosuke Bu
株式会社クレッシェンド・ラボ グローバルコンテンツマーケティング部Specialist LINEマーケティングに関する情報を詳しくお伝えしていきますので、貴社のマーケティング施策に、ぜひご活用ください!