目次
はじめに

LINE公式アカウントの運用で、
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「友だち全員に一斉配信しているのに、反応がいまひとつ」
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「メッセージ配信数だけ増えて、費用対効果(ROI)が合わない」
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「関係ないメッセージが多く、ブロック率がじわじわ上がっている」
こんなお悩みはありませんか?
その多くは、“とりあえず一斉配信” が、ユーザーにとって単なるノイズになっている ことが原因です。
今の顧客が求めているのは、
「自分にとって必要な情報が、ちょうどいいタイミングで届くこと」
つまり パーソナライズされたコミュニケーション です。
それを実現するための中核機能が、LINE公式アカウントの「セグメント配信(絞り込み配信)」です。
本記事では、LINEセグメント配信を活用して ROIを最大4.8倍まで高める「4R戦略」 と、
実際に開封率96%を達成した飲食チェーンをはじめとする成功事例、
そして今日から使える具体的な設定手順まで、分かりやすく解説していきます。
この記事を読めば、以下のことが分かります:
- LINE公式アカウントのセグメント配信(絞り込み配信)の基本と設定方法
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ブロック率を下げ、エンゲージメントを最大化する「4R戦略」
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タグ・オーディエンス設計とパーソナライズの考え方
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MAツール・AIツールを使った「次世代セグメンテーション」戦略
はじめに: LINEセグメント配信(絞り込み配信)とは?
LINEセグメント配信(絞り込み配信)とは、友だち全員に一斉送信するのではなく、属性や行動データにもとづいて“届ける相手”を絞り、必要な情報だけを配信する機能です。
「配信通数=コスト」が発生するLINEでは、セグメント配信を使うほどムダ打ちが減り、ROIを改善しやすくなります。
セグメント配信で得られる主な効果
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ブロック率の低減:関係ない通知を減らし、通知疲れを防ぐ
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配信コストの最適化:反応しやすい層に絞り、通数を圧縮
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CVR/ROASの改善:興味・検討度が高いユーザーに“刺さる訴求”を届けやすい
まずは「公式機能でできる範囲」を押さえ、成果が出てきたらタグや外部ツールで“精度と再現性”を上げていくのが王道です。
1.【設定ガイド】LINE公式アカウントの「絞り込み配信」基本手順
まずは、LINE公式アカウントだけで使える 標準のセグメント配信機能 を整理しましょう。
LINE公式アカウントのセグメント配信(絞り込み配信)は、
特定の属性や行動履歴に基づいて、配信対象を絞り込む機能です。
これを正しく使うことで、
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無駄な配信コストの削減
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ユーザーにとって価値の高い情報だけを届ける
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ブロック率の抑制
を同時に実現できます。
配信対象を絞り込む方法は、主に以下の2種類です。
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属性による絞り込み
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オーディエンス/過去配信による絞り込み
順番に見ていきましょう。
1-1:属性(年齢・地域など)で絞り込む手順と注意点
「属性」による絞り込みは、LINEが自動的に推定しているデモグラフィック情報
(性別・年齢・OS・エリア・友だち期間など)を利用する方法です。
設定手順(PC版管理画面)
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LINE Official Account Managerで「メッセージ配信」を開き、新規メッセージを作成
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「配信先」で [絞り込み] にチェック
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「属性で絞り込み」のアイコンをクリック
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利用可能な属性(友だち期間/性別/年齢/OS/エリア など)から条件を選択
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必要に応じて複数条件を掛け合わせる 例)「20代 × 女性 × 関東地方」

注意点
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ターゲットリーチ数の制限
属性で絞り込みを行う場合、ターゲットリーチ数が 100人以上 ないと配信できません。 -
データのタイムラグ
属性情報はおおよそ 数日前時点の情報 をもとに推計されています。
直近で条件を満たした友だちは、まだ対象に含まれないことがあります。 -
推計データであること
年齢・性別などはあくまで推計値です。
「絶対に20代だけに届く」というよりは、傾向をつかむためのフィルターとして使いましょう。
1-2:オーディエンスと過去配信の活用方法
「オーディエンス」は、ユーザーの行動に基づいて作成するリスト(セグメント)です。
属性よりも一歩踏み込んだ、「実際の反応」を元にした配信ができます。
オーディエンスを使った絞り込みの手順
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メッセージ配信画面で「配信先」→「絞り込み」を選択
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「オーディエンス」の編集アイコンをクリック

3. 作成済みオーディエンス一覧から配信対象にしたいものを選び、配信したいセグメント:[含める]配信対象から除外したいセグメント:[除外する]
4. 保存して完了
まだオーディエンスを作成していない場合は、
画面の指示に従って「追跡したい行動」を選び、リストを作成します。

過去配信を活用した絞り込み
LINE公式アカウントでは、「過去の配信」を基準に絞り込むこともできます。例えば:
開封者へのフォローアップ
前回のキャンペーンを開封したユーザーだけに、詳細情報や限定クーポンを配信
未開封者へのリマインド
重要なお知らせを開封していないユーザーだけに、件名や切り口を変えて再送信
クリック者への深掘り訴求
商品ページをクリックしたが購入に至らなかったユーザーに、レビューや比較情報を配信
「興味はあるが、まだ決めきれていない層」に
一歩踏み込んだコミュニケーションを取れる のが、過去配信を活用するメリットです。
1-3. 絞り込み配信ができない時のチェックリスト
「設定したのに配信できない」「思ったより人数が少ない…」というときは、
次のポイントをチェックしてみてください。
チェックリスト
◻︎ 属性セグメントのターゲットリーチ数は 100名以上 あるか
◻︎ オーディエンスの有効友だち数は 50名以上 あるか
◻︎ データ反映のタイムラグ(24〜48時間程度)を考慮しているか
◻︎ 複数条件を掛け合わせすぎて、母数が極端に小さくなっていないか
◻︎ スマホアプリではなく PC版管理画面 から設定しているか
◻︎ 利用している料金プラン・認証ステータスで、機能制限を受けていないか
◻︎ オーディエンスの有効期限が切れていないか
ポイント:
セグメント配信の精度を上げたい気持ちが先行しすぎると、
「条件を絞り込みすぎて誰にも送れない」という状況に陥りがちです。“必要最低限+余白を残す” くらいの粒度から始めるのがおすすめです。
2.セグメント配信がもたらすROI改善の仕組みと効果
セグメント配信の目的は1つ。
LINEアカウントの収益性と効率性を根本から高めることです。
ここでは、その仕組みをクレッシェンドラボが提案する「4R戦略」と具体的な効果の2つの観点から整理します。
2-1. 仕組み:4R戦略で「最適な顧客体験」を設計する

ビジネスコミュニケーション成功の鍵は、4つのRです。
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Right Person(最適な人に)
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Right Message(最適なメッセージを)
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Right Time(最適なタイミングで)
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Right Channel(最適なチャネルで)
セグメント配信は、この4Rを実現するための「エンジン」。
4Rが揃ったメッセージは、ユーザーに
「自分は理解され、大切にされている」と感じさせ、
長期的な信頼関係とLTV向上につながります。
2-2. 効果① ブロック率を下げ、エンゲージメントを最大化
ブロックは、せっかく獲得した友だちという「資産」を失う行為です。
セグメント配信は、このリスクを大きく減らします。
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不要なメッセージを減らし、「通知疲れ」を防ぐ
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ユーザーの興味関心に合った情報だけを届ける
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結果として、ブロック率の低減とエンゲージメント向上を両立
2-3. 効果② コスト効率を高め、ROASを最大4.8倍に
セグメント配信は、
「配信コストの削減」と「売上の最大化」を同時に実現します。
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関心の低いセグメントへの配信を減らし、メッセージ通数を最適化
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ターゲティング精度を高めることで、1通あたりの売上(ROAS)が向上
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Crescendo Labの事例では、
タグ×セグメントに基づく4R施策により、
セグメント配信未実施のブランドと比べ最大4.8倍の効果改善を確認
📚 詳しい解説と成功事例を詰め込んだ資料はこちら>脱とりあえず一斉配信:LINEでのセグメンテーションをより高度に、効果的に
3. 一歩先のセグメント配信:タグ設計とパーソナライズの基盤
LINE公式アカウントの管理画面(LINE Official Account Manager)は非常に優秀なツールですが、「本格的に売上を作る」フェーズに入ると、いくつかの「機能の壁」にぶつかります。
例えば、「特定の商品を買った5人のVIP客だけに案内を送りたい」と思っても、管理画面の仕様上、ターゲットが少なすぎると配信できません。 多くの企業が直面する「管理画面だけでできること」と「MAAC導入でできること」のギャップを整理しました。
| 比較項目 | LINE OA Manager (無料・管理画面) |
MAAC (APIツール) |
|---|---|---|
| ① データの正確性 |
△ みなし属性 LINEの推計データ (実際の性別・年齢と異なる場合あり) |
◯ 実データ 自社サイトの行動・購入履歴など 「事実」に基づく正確なデータ |
| ② 100人未満への配信 |
× 不可 推計100人(一部50人)未満の 小規模セグメントには配信できない |
◯ 可能 「特定商品を買った5人」など 1人単位から確実に配信可能 |
| ③ タグ付け作業 |
△ 手動のみ チャットや管理画面で 1つずつポチポチ設定が必要 |
◯ 完全自動化 URLクリック、サイト訪問などで 自動的にタグが付与される |
| ④ 外部データ連携 |
× 不可 ECの購入データや会員ランクを リアルタイムに反映できない |
◯ 自動連携 Shopifyや基幹システムと連携し 「購入翌日」等のトリガー配信が可能 |
| ⑤ 分析の解像度 |
△ 全体傾向のみ 「何人がクリックしたか」は分かるが 「誰が」までは特定できない |
◯ 個人特定 「Aさんが何に興味を持ったか」を特定し 個別の営業・追客に活かせる |
ご覧の通り、管理画面(無料機能)は「広く浅く」届けるのには向いていますが、「個人の行動に合わせて、ここぞというタイミングで届ける」には限界があります。この「かゆい所に手が届かない」部分を解消し、収益化を加速させるのがMAACなどのAPIツールです。
そこで、ここからは、LINE公式機能だけでは届かない
「一歩先のセグメント配信」を考えていきます。
キーワードは、
「タグ → セグメント → パーソナライズ(4R)」 です。
3-1. パーソナライズは「タグ」から始まる

良いパーソナライズは、すべてタグ付けから始まります。
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タグ(Tag)
友だちの行動・属性・関心などを表す最小単位のデータ
例:来店有無、カテゴリ閲覧、カート放棄、誕生月 など -
セグメント(Segment)
関連するタグを組み合わせて作る、意味のあるグループ
例:「30日以内に2回以上購入 × レディースカテゴリ閲覧 × 誕生月」 -
パーソナライズ(Personalization)
セグメントごとに4Rを実行し、
「誰に・どんな内容を・いつ・どのチャネルで届けるか」を最適化
LINE公式アカウントの「タグ」や「オーディエンス」だけでも基本は実現できますが、
タグ数・条件が増えてくると、手動運用だけでは管理が難しくなります。
そこで役立つのが、Crescendo Lab の MAAC / MAAC AI / CAAC / DAAC といったツール群です。
📚LINEタグ付けの方法・MAACを用いたタグ付け自動化の解説はこちら>LINEタグ付けの使い方&活用法|4種のセグメント配信でマーケティングを最適化!
3-2. 顧客フェーズごとにセグメントを使い分ける

同じユーザーでも、「今どのフェーズにいるか」で求める情報は変わります。
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認知・興味(Awareness / Interest)
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友だち追加経路、閲覧カテゴリなど
→ LINE公式の属性+タグで「どんなテーマに興味がある人か」をざっくり把握
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検討・コンバージョン(Consideration / Conversion)
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カート放棄、特定商品の詳細閲覧、来店・購入など
→ MAAC の自動タグ付与・動的セグメントで「今まさに検討中の人」を抽出
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ロイヤリティ・離反予備軍(Loyalty / Churn Risk)
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最終購入日・購入頻度・購入金額
→ MAAC の RFM セグメントや MAAC AI によるスコアリングで、「優良顧客」「離反しそうな層」を可視化
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公式セグメント機能で土台を作り、
行動データが増えてきたタイミングで MAAC や MAAC AI を追加するのが、最も効率的なステップアップです。
3-3. 部門横断でタグを共有すると ROI が跳ね上がる

タグはマーケティングだけのものではなく、
セールスやカスタマーサポート(CS)とも共有できる「共通言語」です。
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マーケ:興味・検討度に応じた配信で、反応率と売上を向上
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セールス:購入意欲の高いリードだけを抽出して優先的にフォロー
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CS:問い合わせ内容や利用状況に応じて、最適なフォローアップ配信を実施
タグを部門横断で活用しているブランドは、
ROAS が約 3.9 倍向上したというデータもあります。
ここで重要になるのが、Crescendo Lab の
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CAAC(会話特化ソリューション):チャット上の会話内容・履歴からタグを生成し、
1to1 コミュニケーションに活かす -
DAAC(データ×広告連携プラットフォーム):
POS / EC / CRM データと LINE 行動データを統合し、
Meta 広告・Google 広告などのオーディエンスとして再利用(随時公開予定)
といったツールとの連携です。
LINE公式アカウントは、「ただ配信する場所」ではなく、
事業全体のデータ基盤として機能するチャネルへと進化していきます。
4.【成功事例】ROI改善・ブロック回避を実現した3つの応用手法
ここでは、MAACを活用した戦略的なセグメント配信によって、具体的な成果を出した3つの成功事例を紹介します。
4-1. 行動タグ×RFM分析で開封率96%(国内大手ファストフードチェーン)

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施策内容
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購入回数・最終購入日・購入金額をもとにRFM分析
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「直近購入あり×高頻度×高単価」の優良顧客セグメントを抽出
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新商品・期間限定メニューなど、「ファンほど喜ぶ情報」に絞って配信
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成果
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開封率が 96.64% まで上昇
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無駄な配信を減らしつつ、売上の大きい層へのリーチを最大化
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📚MAACで可能になるRFM分析の活用についてはこちら>RFM分析とは?やり方と顧客分析への手法を徹底解説
4-2. フリクエンシーコントロールでブロック率11%を維持(HOTEL LOVERS)

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施策内容
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「直近で配信を開封したユーザー」を除外するセグメントを作成
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MAAC AIのスマート配信で、ユーザーごとに最適な送信タイミングを自動学習
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成果
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「送りすぎ問題」によるブロック増加を防ぎながら、
安定して ブロック率11%前後 を維持 -
必要な人にだけ、ちょうどいい頻度でメッセージを届ける体制を構築
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4-3. ゲーム機能でタグ保有率89%を実現(多慶屋)

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施策内容
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ルーレットなどのゲーム型コンテンツを導入
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ゲームの参加結果に応じて、興味・来店頻度などのタグを自動付与
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成果
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ユーザーが「楽しく遊ぶ」だけで、自然に興味関心データが蓄積
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結果として タグ保有率89% という高いデータ充実度を達成
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📚 詳しい解説と成功事例を詰め込んだ資料はこちら>脱とりあえず一斉配信:LINEでのセグメンテーションをより高度に、効果的に
5. AIセグメンテーションが変えるLINEマーケティングの未来
最後に、ROIをさらに最適化し未来のマーケティングに対応するための、AIとツールの活用法を解説します。
5-1 予測型ターゲティング:静的セグメントから動的なラベルとAI予測へ
従来のセグメント配信は、
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年齢・地域などの 固定属性
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登録経路・会員ランクなどの 静的ラベル
に頼ることが多く、変化するユーザー行動を捉えきれませんでした。
今後は、
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行動ログに応じてリアルタイムに更新される 動的ラベル
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AIがコンバージョン確率を予測する スコアリング
を組み合わせることで、
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「今週購入確率が高いユーザー」
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「そろそろ離反しそうなユーザー」
といった タイミングベースのセグメント が主役になっていきます。
5-2 顧客データ連携とAIによるメッセージ自動生成・最適化

MAAC / CAAC / DAAC のようなツールとAIを組み合わせると、
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LINE上の行動データを安全に広告プラットフォームへ連携し、
広告リターゲティングの精度を高める -
顧客属性・行動・購入履歴をもとに、
AIが パーソナライズされたメッセージ案 を生成 -
A/Bテスト結果を学習し続けることで、
時間とともに コピー・クリエイティブの精度も向上
といった「継続的な最適化サイクル」を回せるようになります。
📚随時公開予定のCrescendo AIに関する詳しい紹介はこちら>AIを、もっと身近に。
まとめ:LINEセグメント配信でROIを最大化するために
セグメント配信は、LINEアカウントを「収益を生むエンジン」へと変革させるための戦略的基盤です。
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【基本】 公式機能の「属性」「オーディエンス」「過去の配信」を理解し、絞り込み配信ができない時の制限(100人/50人制限、データラグ)をクリアしましょう。
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【戦略】 4R戦略(Right Person / Right Message / Right Time / Right Channel) を軸に、
ブロック率を下げつつ、メッセージあたりのROIを最大化することができます。 -
【応用】 タグ設計を基盤とし、RFM分析、除外セグメント、AI連携といった高度な手法を取り入れることで、高い成果を再現可能です。
導入企業の声
「“なんとなく配信”から脱却し、高精度なセグメント配信へ移行できました。アンケート結果とセグメントを掛け合わせて最適化したことで、クリック率が127.7%向上。数値を見ながら改善できるため、再現性の高いPDCAを構築できています。」(ライフデザイン・カバヤ株式会社 WEB・デザイン室 牧田様)
次の一手:セグメント配信を“自動で回す”ところまで進めたい方へ
セグメント配信で成果が出てくると、次に課題になるのが「毎回手動で設計・配信する負荷」です。
その場合は、シナリオ配信/ジャーニー設計などの自動化を組み合わせることで、4Rの実行がさらに安定します。
📚自動配信・シナリオ設計の解説はこちら>シナリオ配信(オートマチックジャーニー)より効果的なLINEセグメント配信をGA4・外部データ活用で実現
あなたのブランドのLINE公式アカウントが、
「なんとなく配信するチャネル」から
“収益を生み続けるコミュニケーション基盤” へと変わるよう、
戦略設計から運用までサポートいたします。
Kokoro Tomita
JP Content Writer, Crescendo Lab, Taiwan