目次
はじめに
AI を活用して、マーケティング・カスタマーサポート・営業・CRM 業務を効率化したことはありますか?最新のグローバル AI トレンド予測によると、2026 年以降、企業の AI 導入は、特定の業務や部署に限った単発的な活用から、部署を横断して活用される全社共通の AI 基盤を構築するフェーズへと移行していくとされています。
しかし、「全面的に導入している」企業は、まだごく一部です。マッキンゼーのレポートによると、企業の92%がAIへの投資をしている一方で、実際にAIが完全に組織に浸透し、確立された成果を上げている企業は約1%だけという統計が示されています。
CMO、CXO、カスタマーサポート責任者、営業責任者、DX推進リーダーなど、企業の中核を担う立場の方々にとって、いま直面している本当の課題は「AIを使うかどうか」ではありません。問われているのは、組織全体をどのようにAI活用へ移行させ、成果につなげていくかという点です。
こうした状況を踏まえ、クレッシェンドラボは、12週間でAI活用を現場に定着させるための実践ロードマップとして、「12週間で変わる、AI時代の顧客コミュニケーション戦略」を策定しました。
このチェックリストは、業務の自動化を進める「オートメーション」、成果やパフォーマンスを高める「最適化」、そして部門単位の成功を全社へ広げる「スケール展開」という3つのステップを軸に構成されています。マーケティング、営業、カスタマーサービス、データ分析(Analytics)といった複数部門を横断しながら、AIをどのように組織に根づかせるかを具体的に整理しています。
本ガイドは、AI活用を一部の取り組みで終わらせるのではなく、企業の競争力そのものを引き上げるための実務ガイドです。2026年を見据え、AIを使いこなす組織づくりの第一歩として、ぜひご活用ください!
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AI活用を進化させる3つのステップ(3Aモデル)
1. Automatic AI(自動化型AI)
業務を自動化し、負荷を減らす
ワークフローの自動化、チャットボットによる一次対応、コンテンツ生成などをAIに任せることで、これまで人手に依存していた業務を大幅に削減できます。実際、手作業の50〜70%を削減できるケースも珍しくありません。
チームは日々の作業に追われる状態から解放され、より戦略的で付加価値の高い業務に集中できるようになります。
2. Agentic AI(対話・自律型AI)
AIが判断し、実行まで担う
AIは「人の指示を待つ存在」から進化しつつあります。Agentic AIでは、目標設定から計画立案、実行、効果測定までの一連のプロセスをAIが自律的に担います。人は細かな指示出しから解放され、意思決定や全体設計に集中できるようになります。この次世代モデルは、2026年までに約40%の企業が導入すると予測されており、今後のスタンダードになると考えられています。
3. Actionable AI(データ分析AI)
データを即アクションに変える
Actionable AIは、データ分析とオートメーションを連携させ、分析結果をそのまま即時アクションへつなげる考え方です。Analyticsで得られた示唆をもとに、顧客対応・マーケ施策・営業活動を自動で起動し、リアルタイムに最適化していきます。「見て終わり」ではなく、常に次の一手を自動で打ち続ける状態を実現できます。

Tips : AIが単なる支援ツールではなく、組織の中で「判断し、動き続ける存在」に
なることで、企業活動そのもののスピードと質が大きく変わっていきます。
Week 0|基盤づくり:次世代のビジネスコミュニケーションに向けたAI導入準備
はじめに、AI活用を全社で進めるには、ツール導入の前に「土台づくり」が欠かせません。このフェーズでは、経営層の理解とコミットメントを得たうえで、組織文化と推進体制を整え、チーム全体が同じ方向を向いてスタートできる状態をつくります。
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目的:経営層の理解とコミットメントを獲得し、組織文化を整え、AI推進体制を立ち上げることで、全社の準備を整える。
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推進体制・役割分担:組織図(Org Chart)を整備し、AI推進をリードするAIチャンピオンを任命します。HR(人事部門)と各部門責任者が連携しながら、全社で取り組みを推進します。
実施チェックリスト
| チェック | 項目 |
| 1 | 経営層の支援を明確にし、実効性のある「AI KPI」を設定する。 |
| 2 | データドリブンなマインドセットを育て、社員のAI理解を深める組織文化を整備する。 |
| 3 | マーケティング、営業、カスタマーサービス、データアナリシス部門の各部門の代表で構成するAIタスクフォースを設置し、部門横断の連携体制を構築する。 |
| 4 | AIの提案内容やダッシュボードを効果的に活用できるよう、教育・スキル開発を通じてチームをトレーニングする。 |
成功の判断指標
| チェック | 項目 |
| 1 | 経営層から明確な支援とコミットメントが得られている。 |
| 2 | AIタスクフォースが正しく稼働している。 |
| 3 | 社員がAIの基礎知識を含めたトレーニングを修了している |
Week 1-2|現状理解と将来設計:Automatic AIの基盤を構築する
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目的:現在のワークフロー(業務フロー)を調査・可視化し、AI 活用によって 「どの業務を、どのように改善するか」 を明確にする。あわせて各部門の役割と責任範囲を整理し、AI 導入に向けた基礎設計を行う。
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担当:各部門リード + AI チャンピオン(必要に応じてプロジェクト担当)
多くの日本企業で AI 活用への関心が高まっていますが、現場を見てみると、次のような課題が浮き彫りになっています。
- ワークフローも断片化されているため、チーム間でタスクが重複している。
- 複数のシステムを使用していますが、それらは相互に連携されていない。
- AI を活用して実際の結果を得たいが、どこから始めればよいのかは不明
このような状況では、いきなり AI ツールを導入しても、十分な効果は得られません。
最初の 1〜2 週間は、「AI を使い始める期間」ではなく、実際の業務プロセスを起点に Automatic AI が機能する土台を整えるための重要なフェーズです。
ここで基礎設計を行うことで、AI 活用は試験導入で終わらず、測定可能なビジネス成果へとつながる状態をつくることができます。
1. 各部門におけるコミュニケーションおよび業務フローの再設計
AIは、分断されがちなコミュニケーションチャネルをつなぎ、CRMをはじめとする外部データと社内のメッセージフローを一元化できます。これにより、部門ごとに分かれていた情報や対応履歴を横断的に把握できるようになり、組織全体の意思決定や対応スピードが大きく向上します。
もし貴社で日常的に部門横断の連携が発生しているのであれば、最初に取り組むべきは「時間と労力を最も消費している定型業務」の特定です。AI活用を検討する際、すべてを一度に変える必要はありません。まずは、負荷が大きく、改善効果が見えやすい領域から着手することが重要です。
たとえば、定型メッセージの作成や、同じ内容のやり取りを繰り返す問い合わせ対応などは、AI導入の効果が出やすい代表的な領域です。ルール化しやすく、Automatic AIによる自動化によって短期間でも成果を実感できます。 以下、MAACの機能より抜粋

重要なのは、AI導入を単なるテクノロジーのアップグレードとして捉えないことです。AI活用はツールの置き換えではなく、組織変革となります。特定担当者の効率が上がったかどうかだけで測るべきではなく、組織全体として、どれだけ定性・定量の観点から価値を生み出せる状態になっているかという視点で評価することが重要です。
2. 自動化に適した定型・反復業務の特定
カスタマーサポートや営業などの顧客対応業務では、問い合わせ件数が日によって大きく変動し、そのうち約半数がFAQなどの繰り返し質問で占められているケースも少なくありません。これは、本来自動化できる業務に多くの人的リソースが割かれている状態だと言えます。
一方、マーケティング部門でも、キャンペーン設計、マルチチャネル広告の運用、施策後のレポーティングや分析など、毎回ゼロから対応している業務が多く、慢性的に負荷を抱えがちです。こうした反復業務がどれほどの時間と労力を奪っているかを可視化できれば、Automatic AIは現場の負荷を軽減し、チームが本来注力すべき業務に集中できる環境をつくる存在として機能します。
3. 部門ごとの責任者と全体をつなぐ担当者を決める
AIが行動原則として現場に浸透し始めると、次の課題が見えてきます。AIは、CRM・ERP・CDPをどう連携させ、業務全体を自動化できるのかという点です。
従来のオートメーションは、特定業務に閉じた部分最適にとどまりがちでした。しかし2026年に求められる本質的な進化は、システムを横断して業務をつなぐ「クロスシステム・オーケストレーション」にあります。これは「ツールを追加していく状態」から、業務プロセスそのものを設計・統合する「オーケストレーション*」への転換を意味します。
この変革を成功させるには、各部門の責任者だけでなく、部門横断でAI活用を統括する担当者を明確に任命することが不可欠です。
*複数のシステムやアプリケーション、サービスを連携・調整・管理し、複雑なタスクやワークフロー全体を自動化・統制する仕組み
4. マーケティング/営業/カスタマーサポート/データアナリシス部門のKPIを設定する
AIと協働する新しい業務モデルでは、通話件数や労働時間といった従来型のKPIは徐々に意味を持たなくなっていきます。そこで重要性を増しているのが、「Agent-centric KPI」という考え方です。これは、人の作業量ではなく、AIを含めた業務全体がどれだけ成果に貢献できているかを測る指標です。
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例: タスク完了率(Task Completion)、コンバージョンへの貢献度、問題解決やリカバリーの成功率(Recovery Rate)など。
AI KPIは期待値を過度に引き上げるためのものではなく、チームがどれだけAIに適応し、自然に業務の一部として活用できているかを測るための指標です。AIと人が無理なく協働できている状態こそが、最終的なゴールになります。
実施チェックリスト
| チェック | 項目 |
| 1 | 各部門のコミュニケーションと業務フローを確認し、現状を整理する。 |
| 2 | 自動化に適した重複業務・定型業務を洗い出す。 |
| 3 | 各部門責任者および、部門横断で連携する担当者を任命する。 |
| 4 | マーケティング、営業、カスタマーサービス、データアナリシス部門のそれぞれのKPIを設定する。 |
成果の判断指標
| チェック | 項目 |
| 1 | ワークフローマッピング(業務フロー図)が完成している。 |
| 2 | AI導入の対象業務が明確に定義されている。 |
| 3 | 各部門のKPIが設定され、関係者間で合意されている。 |
Tips : まずは「処理量が多く、複雑性が低いワークフロー」から着手すると、早期に成果を出しやすくなります。
Week 3-4|マーケティングを全体最適へ:AI Marketingを育てる (Automatic AI)
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目的:自動化キャンペーンを構築し、パーソナライズ配信とAnalytics連携を前提に、データ活用の基盤を整える。
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使用ツール:MAAC
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担当:マーケティングチーム + AIチャンピオン(+ 必要に応じてプロジェクト担当)
Week 1–2 で業務フローとデータ基盤を整理した次のステップは、マーケティング領域における AI 活用を、本格的に「成果が出る形」で回し始めることです。
多くの企業では、マーケティング施策が
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部分最適なキャンペーン運用にとどまっている
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パーソナライズ配信と分析が分断されている
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成果が担当者依存になり、再現性が低い
といった課題を抱えています。
Week 3–4 では、こうした状態から脱却し、「自動化 × パーソナライズ × 分析」を前提とした AI Marketing の基盤を構築します。ここで重要なのは、単に施策を増やすことではなく、データを起点に、マーケティング活動全体を一貫した仕組みとして回せる状態をつくることです。
1. 顧客データを統合する (CRM/LINE/GA4/広告)
データをただ蓄積するのではなく、AIがすぐ使える状態(AI-ready data)へ整備することが重要です。CRM、LINE、GA4、広告などが正しく連携されているかを確認し、全タッチポイントを一貫して可視化できる状態をつくります。
世界有数の情報技術調査およびコンサルティング会社であるガートナーは、AI 対応データこそが AI プロジェクトの成功を示す最良の指標であると述べています( Smart Insights )。
2. MAACで自動化キャンペーンを実行する
オートメーション基盤を整えることで、業務の複雑さを下げ、人的ボトルネックを解消しながら、ROIを高められます。MAACは複数ステップのカスタマージャーニーを自動で設計・実行し、成果をリアルタイムに可視化します。
3. インパクトの大きい施策から始め、ROIを測って横展開する
AI Automationは、あらゆる顧客接点でのブランド一貫性を高めます。単発施策ではなく、一貫性を土台にした継続的なカスタマージャーニーへ進化させることが重要です。
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実施チェックリスト
| チェック | 項目 |
| 1 | 顧客データソースを統合(CRM / LINE / GA4 / 広告)。 |
| 2 | MAACで自動化キャンペーンを実行。 |
| 3 | インパクトの大きい施策から着手し、ROIを測定したうえで横展開。 |
| 4 | KPIをモニタリング(Conversion Rate/Engagement/ROAS)。 |
成果の判断指標
| チェック | 項目 |
| 1 | キャンペーンが自動化されている。 |
| 2 | エンゲージメント指標が改善している。 |
| 3 | ROIを定量的に測定・評価できている。 |
Tip: パーソナライズ用ダッシュボードを活用すると、運用負荷を増やさずに配信の一貫性と精度を高められます。
Week 5-6|より高度でスケーラブルな顧客対応へ:AI Customer Service (Agentic AI)
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目的:Agentic AI(自律型AI)を導入し、AIの自動稼働と人への引き継ぎを整備することで、CS組織全体の生産性と品質を高める。
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使用ツール:CAAC
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担当:CSチーム + ITチーム + AIチャンピオン
Week 3–4 までに、マーケティング領域では自動化とデータ活用を前提とした AI 活用基盤が整いました。次に取り組むべきは、顧客接点の最前線であるカスタマーサポート(CS)の高度化です。
多くの CS 組織では、
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問い合わせ件数の増加に人手が追いつかない
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担当者ごとに対応品質や判断基準にばらつきがある
-
本来注力すべき重要案件に十分な時間を割けていない
といった課題を抱えています。
Week 5–6 では、Agentic AI(自律型 AI)を導入し、AI が自動で対応できる領域と、人が対応すべき領域を明確に分担することで、生産性と品質を両立したスケーラブルな CS 体制を構築します。
1. CAACでAgentic AIを設定し、AIと人の引き継ぎを整える
AIは反復業務を処理し、人は感情的配慮が必要な対応や複雑な判断に集中する。これがプレミアムな顧客体験に向けた基本形になります。引き継ぎ前提の仕組みにより、CSチームは重要案件へ集中でき、顧客はより早く、的確で、一貫した対応を受けられます。
2. CSチームがAI提案を最大限活用できる状態をつくる
AI Copilotが返信内容を考案、テンプレート、行動履歴に基づく提案をリアルタイムに提示することで、担当者は承認や微調整のみで対応を完了でき、品質の均一化が実現します。

実施チェックリスト
| チェック | 項目 |
| 1 | CAACでAgentic AIを設定し、AI↔人の引き継ぎフローを実装。 |
| 2 | CSチームがAI提案を活用できるようトレーニングを実施。 |
| 3 | 主要KPIを継続モニタリング(CSAT/応答時間/AI対応カバレッジ率)。 |
| 4 | マーケティング、データアナリシス部門と連携し、オムニチャネル型のCS体制を構築。 |
成果の判断指標
| チェック | 項目 |
| 1 | CSAT(Customer Satisfaction Score)=顧客満足度指標が向上している。 |
| 2 | 応答時間が短縮している。 |
| 3 | AI対応カバレッジを可視化し、定点観測できている。 |
Tips : まずはメッセージ量の多いチャネルから導入し、段階的に他チャネルへ広げると定着しやすくなります。
Week 7-8|リードを売上へ:AI Sales x Agentic AI(自律型AI)
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目的:リード管理を自動化し、AI Salesによる自律的な営業プロセスを整備する。
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使用ツール:CRM + CAAC(必要に応じてMAAC連携)
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担当:Salesチーム + AIチャンピオン
マーケティングとカスタマーサポートにおける AI 活用が進むと、次に求められるのは 「リードを確実に売上へ変換する営業プロセス」です。
多くの営業組織では、
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リードの優先順位付けが属人的
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フォロータイミングが遅れ、機会損失が発生
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CRM に情報はあるが、次のアクションに活かしきれていない
といった課題を抱えています。
Week 7–8 では、Agentic AI(自律型 AI)を営業プロセスに組み込み、
リード管理・ナーチャリング・判断を自動化することで、
スケーラブルで再現性の高い AI Sales 基盤を構築します。
1. AIでリードスコアリングと優先順位付けを行う
AI Salesの時代では、Agentic AI(自律型AI)が顧客行動を分析し、将来価値を予測し、重要顧客を高精度で特定します。これにより、最小限の運用コストで高精度な精緻なマーケティング/営業が可能になります。
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2. CRM連携で自動リードナーチャリングを設計する
AIとCRMを連携すると、分析結果を即アクションに変換できます。MAACのジャーニー設計や再活性化フローを自動化し、自己循環型のナーチャリング基盤をつくれます。
3. KPIをモニタリングする (コンバージョン率/パイプライン精度)
Agentic AI(自律型AI)導入後は、特に売上に直結するConversion指標に注目します。これらはAIがアドバイザーとして機能しているかを測る指標になり、同時にブランド一貫性を担保する統制設計にも活用できます。
実施チェックリスト
| チェック | 項目 |
| 1 | AIによるリードスコアリングで優先順位付けを自動化。 |
| 2 | CRM連携でリードナーチャリングを自動化。 |
| 3 | KPIを継続トラッキング(Conversion Rate/Pipeline Accuracy)。 |
| 4 | 営業チームがAI Sales Insightsを活用できるようトレーニング。 |
成果の判断指標
| チェック | 項目 |
| 1 | 優先順位付けが自動化されている。 |
| 2 | ナーチャリングが一貫して機能している。 |
| 3 | コンバージョン率が改善している。 |
Tips : まずは顧客価値の高いアカウントに絞ると、成果創出が加速します。
Week 9-10|インサイトを意思決定へ:Actionable AIによるレポーティング (Actionable AI)
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目的:データから得た示唆を、リアルタイムのアクションへ即座に変換する。
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使用ツール:DAAC(日本では2026年にローンチ予定)
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担当:Analyticsチーム + 各部門リード + AIチャンピオン
マーケティング、カスタマーサポート、営業で AI 活用が進むと、
次に直面するのが 「データはあるが、意思決定や行動につながらない」 という課題です。
多くの企業では、
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部門ごとにレポートが分断されている
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分析結果が共有されても、次のアクションに反映されない
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意思決定が依然として経験や勘に依存している
といった状態にとどまっています。
Week 9–10 では、Actionable AI を活用し、データから得られた示唆(Insight)を、リアルタイムで実行可能なアクションへ変換する仕組みを構築します。ここで初めて、AI は「分析ツール」から 意思決定を動かす存在へと進化します。
1. 部門データを一元化する (マーケティング、営業、カスタマーサービス、データアナリシス部門)
これからのAl for Businessで重要なのは、ツールを追加することではなく、コミュニケーションを単一の基盤へ統合することです。MAAC/CAAC/DAACが連携し、「ひとつのAIチーム」として機能する状態を目指します。
2. リアルタイムデータを活用し、AIの自動アクションを有効化する
DAACは購買確度の高い顧客セグメントを自動抽出し、広告プラットフォームやMAAC/CAACと連携することで、分析結果をワンクリックで施策へ接続し、営業やCSへのアラート通知も自動化できます。

実施チェックリスト
| チェック | 項目 |
| 1 | マーケティング、営業、カスタマーサービス、データアナリシス部門のデータを一元化し、DAACでダッシュボードを構 |
| 2 | リアルタイムデータをもとに、AIによる自動アクションを有効化。 |
| 3 | KPIを定期レビューし、ワークフローを継続最適化。 |
成果の判断指標
| チェック | 項目 |
| 1 | 実行につながるActionable Insightsが得られている。 |
| 2 | 顧客への応答スピードが向上している。 |
| 3 | 部門横断の意思決定がデータドリブンに行われている。 |
Week 11-12|PoCを全社へ:組織レベルのAIトランスフォーメーション (Actionable AI)
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目的:AI活用を全社に拡大し、持続可能な新しい業務スタンダードを確立する。
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使用ツール:MAAC/CAAC/DAAC
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担当:全チーム + AIチャンピオン
ここまでのフェーズで、
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マーケティング
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カスタマーサポート
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営業
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データ分析
それぞれの領域において、AI 活用による成果が見え始めているはずです。
しかし、多くの企業がこの段階で直面するのが、「PoC(試験導入)で止まり、全社に広がらない」という壁です。Week 11–12 では、個別最適な AI 活用を超え、AI を組織全体の業務スタンダードとして定着させるフェーズへ進みます。目指すのは、一部のチームだけが使う AI ではなく、全社で共通言語として機能する AI 活用モデルです。
1. 拡張性の高いワークフローを選定する
拡張性の高いワークフローとは、一つのチームで成果が出た取り組みを、他チーム・他部署にも横展開できる業務プロセスを指します。
選定の目安は、次のいずれかを満たすことです。
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高頻度:毎日・毎週繰り返される業務
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高インパクト:売上や顧客満足度など成果に直結する業務
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高複雑性:判断や分岐が多く、属人化しやすい業務
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高コスト:人手・時間・外注費が多くかかっている業務
たとえば、
マーケティングの定型キャンペーン配信、CS の FAQ 一次対応、営業のリード優先順位付けなどは、
頻度が高く、他部署にも応用しやすいため全社展開の起点として適しています。
最初から全社で導入する必要はありません。
各チームでまず 1 つ選び、Before/After(工数・応答時間・KPI など)を測定し、
成果を確認しながら段階的に拡張することが重要です。
2. 継続的に評価・改善するサイクルを設ける
AI 活用は「導入して終わり」ではなく、優秀なチームメンバーを育てていくプロセスとして捉えることが重要です。そのため、次のようなレビューサイクルを設けます。
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月次(現場):AI 対応状況や提案精度を確認し、改善点を洗い出す
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四半期(部門):KPI の推移をもとに、活用範囲や業務設計を見直す
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年次(全社):AI 活用の成果を総括し、次年度の戦略・投資方針を決定する
たとえば、CS で成果が出た AI 対応フローを、営業やマーケティングの一次対応にも展開することで、組織全体の生産性と一貫性を高めることができます。このように定期的な評価と改善を続けることで、
AI は単なるツールではなく、信頼できるチームメンバーとして定着していきます。

実施チェックリスト
| チェック | 項目 |
| 1 | 各事業機能の成果を振り返る。 |
| 2 | 横展開効果の高いワークフローを選定する。 |
| 3 | 定期的な評価・改善サイクルを設計する。 |
| 4 | AI文化を醸成し、部門横断の協働体制を強化する。 |
成果の判断指標
| チェック | 項目 |
| 1 | AI活用範囲が全社的に拡大している。 |
| 2 | KPIが維持または改善している。 |
| 3 | 共通の業務プロセス・基準が定着している。 |
まとめ|12週間で実現する、AIによる顧客コミュニケーションの本格活用
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
本ロードマップで目指すのは、AIを部分的に導入することではありません。
Automatic AI (自動化AI)→ Agentic AI(自律型AI) → Actionable AI (分析x実行型AI)の3段階を通じて、顧客とのコミュニケーションを業務効率化にとどめず、確かなビジネス成果へとつなげていくことです。
AIによる顧客コミュニケーション変革を成功させるためには、テクノロジーだけでなく、
リーダーシップ、組織文化、そして MAAC/CAAC/DAAC によるシームレスなデータ・実行基盤、
さらに部門を越えた連携が欠かせません。
これから求められる次のステップは、「AIをもっと使うこと」ではなく、長期的な視点で人とAIが自然に並走しながら顧客理解を深め、意思決定の質・業務効率・競争優位性を継続的に高めていく組織をつくることです。
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Nari Fujiie
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