Go Back Up

back to blog

LINE連携で実現する店舗とECのオムニチャネル戦略

イベントレポート • 2024/11/15 9:22:18 • Written by: Kohyoh Hayashi

2024年9月10日、『〜LTVを最大化〜「LINE連携で実現する店舗とECのオムニチャネル戦略」』というテーマで、ウェビナーを開催しました。今回はゲストとして、株式会社クラブネッツの長岡弘司さん(以下敬称略)をお迎えし、弊社クレッシェンド・ラボ日本支社統括・猪股唯耶と「LINE×オムニチャネル」についてお話ししました。この記事では、ウェビナーの内容をもとに、オムニチャネルの基本知識から導入事例まで解説していきます。

この記事は以下のような人におすすめ!

  • 店舗の売り上げをLINEで最大化するための施策を実行したい方
  • EC店舗ラインのシームレスな顧客体験の構築方法が知りたい方

目次

  1. オムニチャンネルとは
  2. オムニチャネルの重要性と課題
  3. LINE×オムニチャネル
  4. ECのLINE施策
  5. 店舗ごとのLINE施策
  6. 店舗とECをLINE起点で繋げる方法
  7. まとめ

オムニチャンネルとは

「オムニチャネル(Omni-channel)」とは、小売業を中心に普及している販売戦略の1つですが、その戦略を完全に理解できている自信がない、または導入したいがどのように実践すれば良いのかわからない、という方は多いのではないでしょうか。オムニチャネルは、インターネットやスマートフォンの普及により、消費者が複数のチャネルを使いこなすようになったことをきっかけに注目されるようになりました。

オムニチャネルは、顧客に対して複数の販売チャネルや接点を統合し、シームレスで一貫性のある購買体験を提供する戦略を指します。この概念は、小売業やサービス業を中心に広がっており、店舗、オンラインショップ、モバイルアプリ、SNSなどのあらゆるチャネルが相互に連携し、顧客がどのチャネルを利用しても統一されたサービスが得られるようにすることを目的としています。

なぜオムニチャネル?

「オムニチャネル(Omni-channel)」はラテン語由来の言葉です。「オムニ(Omni)」が「あらゆる、すべての」、「チャネル(Channel)」が「経路、集客するための媒体」という意味であり、「あらゆる販売経路」と訳すことができます。

オムニチャネルとマルチチャネルの違い

オムニチャネルとマルチチャネルの違いは、「店舗やオンラインショップ、SNSなどが連携しているかいないか」です。オムニチャネルは、すべての販売経路で商品管理や顧客管理、物流などを統合し、顧客に「より質の高い購買体験」を提供します。

一方、マルチチャネルは、顧客向けに複数の販売経路を用意してはいるものの、それぞれが独立した運営を行います。そのため、サービスやプロモーション内容がチャネルごとに異なるケースもあり、顧客体験に一貫性がないことも多くあります。

オムニチャネルとO2Oの違い

オムニチャネルと混同しがちなのが、O2Oです。O2O(Online to Offline)とは、「オンラインからオフライン」に顧客誘導をするマーケティング手法のことを指します。どちらもオンラインとオフラインのチャネルを活用する点では共通していますが、チャネルの統合度や利用の流れなどに違いがあります。

O2Oは、チャネルを完全に統合することまでは求めず、オンラインでの活動がオフラインに接続する形になるため、統合よりもチャネル間の「橋渡し」としての役割が強調されます。例えば、実店舗を持つ飲食店が、オンラインで割引クーポンやサービス追加クーポンを提供することや、位置情報サービスによって積極的に店舗の認知や来店を促すことがO2Oの役割です。

一方、オムニチャネルは「実店舗とネットショップの境をなくした販売戦略」です。つまり、「オンラインからオフライン」のような販売経路の誘導は行わず、顧客に選択を委ねます。そのため、購入はECサイトで行い、受け取りは実店舗で行うや、在庫状況をオンラインで確認し、実店舗に足を運ぶなど、多種多様な購買体験を提供できます。

20240910 Webinar deck_ 〜LTVを最大化〜 「LINE連携で実現する店舗とECのオムニチャネル戦略」 (1)

オムニチャネルの重要性と課題

これまで説明してきたように、各チャネルの連携により、より良いショッピング体験が提供できます。たとえば、オンラインで見つけた商品を店舗で購入したり、店舗で買った情報をもとにオンラインでレコメンドしたりできます。

しかし、オムニチャネルは認知されてはいますが、あまり進んでいないのが現状です。オムニチャネルに取り組む際に発生する課題として、3つ挙げられます。20240910 Webinar deck_ 〜LTVを最大化〜 「LINE連携で実現する店舗とECのオムニチャネル戦略」 (2)

顧客管理が複雑

まず、実店舗とECで管理しているユーザー像、購入履歴などを一元管理し、最適なコミュニケーションを取る必要があります。各チャネルで異なるユーザー像をもとにマーケティングが行われていると、一貫性を欠いたコミュニケーションが発生する可能性があります。これを解決するには、CRMシステムを導入し、顧客データを統合したり、さらにデータを活用して、パーソナライズされたコミュニケーション戦略を策定したりすることが重要です。

内部調整のコストが重い

次に、各チャネルの違いや保有リソース、必要な能力を理解し、適切な調整、共有を促進する組織体制が必要です。このため、オムニチャネル戦略に特化した部門の設立や、部門横断的な調整役を配置することが推奨されます。社内での共通理解やスムーズな意思決定を促すため、定期的な勉強会や情報共有の場を設け、オムニチャネル戦略の目的や方針を社内に浸透させることも効果的です。

ツールの導入コストが高い

また、顧客情報を一元管理するための集約システムを入れないといけません。オムニチャネル戦略を実行するには、データを一元管理するための集約システムやマーケティングオートメーションツールなどが必要ですが、それらの導入には高額な費用がかかります。加えて、新しいツールの導入に伴う教育やサポート費用も発生します。ただし、導入コストを最小限に抑えるために、既存システムとの連携が容易なソリューションを選択することが賢明です。また、段階的に導入することで、コストと効果のバランスをとりやすくなります。20240910 Webinar deck_ 〜LTVを最大化〜 「LINE連携で実現する店舗とECのオムニチャネル戦略」 (3)

LINE×オムニチャネル

そこでオススメなのがLINEです。LINEには以下のような特徴があります。

  • 日本人口の約70%以上が利用
  • よく行くお店の情報源No.1
  • 約80%がその日のうちに開封

20240910 Webinar deck_ 〜LTVを最大化〜 「LINE連携で実現する店舗とECのオムニチャネル戦略」 (4)

つまり、LINEは様々なチャネルの中でも利用ハードルが低く、即効性のあるものだと言えます。

しかし、LINEにももちろん課題はあり、データ連携がしづらいです。LINEはサードパーティーツールなので、別のツールを繋ぐ必要があり、データ連携の課題をつきまといます。LINEや店舗、ECサイトなど、様々なデータを統合して活用するのは難しいです。そこで、LINEの補助ツールを合わせて使うことで、店舗の売り上げをLINEで最大化することができます。

店舗ごとのLINE施策

実店舗運営において、店舗が属している商圏は店舗ごとに異なることを前提に、商圏特性に応じた戦略を展開していく”エリアマーケティング”は非常に重要な戦略となります。そのエリアマーケティングに強みをも強みを持つLINE補助ツールが、クラブネッツの「+DIRECT(プラスダイレクト)」です。

「+DIRECT」は、企業や店舗がLINEを活用して顧客と効果的にコミュニケーションを取るためのマーケティングツールです。最大の特徴は、複数のLINE公式アカウントと1対Nでの連携が可能な点です。それにより、顧客データベースと複数のLINE公式アカウントを連携し、データの活用を最大化することが可能になります。LINE公式アカウントと連携し、顧客情報の一元管理やセグメント配信、スマホ会員証、クーポン配布などが可能で、紙の会員証に代わる形で顧客管理ができます。主に、LINEメッセージ配信、カスタムメニュー表示、チャットボットによる自動応答、天気に連動したクーポン配信など多機能で、各店舗や地域の特徴に合わせたプロモーションを実現できます。20240910 Webinar deck_ 〜LTVを最大化〜 「LINE連携で実現する店舗とECのオムニチャネル戦略」 (6)

ECのLINE施策

クレッシェンド・ラボの「MAAC(マーク)」は、LINE公式アカウント向けのマーケティングオートメーションツールで、精密な顧客ターゲティングと自動化をサポートします。MAACは、顧客のインタラクションデータを収集し、パーソナライズされたメッセージ配信を行い、購買予測やスマート送信といったAI機能を活用して、効果的なリターゲティングやユーザーエンゲージメントを促進します。さらに、LINEの友達追加や会員獲得、ポイント・クーポンの利用といった、メンバーシッププログラムの実行も可能です。

たとえば、連携するGA4のデータを見ながら顧客が求めているものを見つけたり、LINEカートリマインド配信で顧客の買い忘れをリマインドしたりなど、オンラインとオフラインでのユーザーデータを統合して、ユーザーごとの顧客体験を強化することができます。また、ゲームモジュールを活用してインタラクティブなプロモーションも行うこともでき、これにより顧客を細分化して特定のセグメントに最適なコンテンツを提供できます。

20240910 Webinar deck_ 〜LTVを最大化〜 「LINE連携で実現する店舗とECのオムニチャネル戦略」 (5)

店舗とECをLINE起点で繋げる方法

LINEに補助ツールとして「+DIRECT」と「MAAC」を併用することで、企業は顧客とのコミュニケーションを大幅に強化し、マーケティング効果を最大化できます。それぞれのツールが持つ機能を組み合わせることで、以下のような利点が得られます。

1. 一元管理とデータ統合

  • +DIRECTは、LINEを通じた顧客とのコミュニケーションを円滑にし、リアルタイムでの顧客情報の更新やセグメント配信が可能です。
  • MAACは、顧客の行動データを分析し、購買予測やパーソナライズされたメッセージ配信を実現します。

2. パーソナライズされたコミュニケーション

  • MAACの機能を活用することで、顧客の興味や行動に基づいたメッセージを送信できます。たとえば、特定の商品の購入履歴に基づいて関連商品の情報を提供したり、プロモーションを行ったりすることが可能です。
  • +DIRECTを使用することで、LINE上でのクーポン配布や会員証機能を活用し、顧客のロイヤリティを高めることができます。

3. エンゲージメントの向上

  • MAACにより、顧客の開封率やクリック率を分析し、メッセージの効果を測定できます。これにより、コミュニケーション戦略を最適化し、顧客との関係を深化させることができます。
  • +DIRECTの機能を併用することで、特定のキャンペーンに対する顧客の反応をリアルタイムで把握し、迅速な対応が可能になります。

20240910 Webinar deck_ 〜LTVを最大化〜 「LINE連携で実現する店舗とECのオムニチャネル戦略」 (7)

まとめ

  • オムニチャネルは、オンラインと店舗のより良いショッピング体験を提供するために重要
  • ブランドごとのLINEではなく、店舗ごとの運営が重要
  • LINEでデータを連携させ、最適なコミュニケーションを顧客に提供することで、顧客満足度が向上する

オムニチャネルは、オンラインとオフラインの各チャネルを統合し、顧客に一貫した購買体験を提供する戦略です。このアプローチは、消費者がさまざまな販売経路を活用する現代において重要性を増しています。顧客がオンラインで商品を探し、店舗で購入するなど、シームレスな体験を実現します。

この戦略を効果的に実践するためには、顧客データの一元管理が不可欠です。そこで、LINEが注目されており、高い利用率と即効性が特徴です。LINEの補助ツールである「+DIRECT」や「MAAC」を活用することで、企業は顧客とのコミュニケーションを強化し、パーソナライズされたマーケティングを実現できます。

オムニチャネル戦略を導入することで、企業は顧客満足度を向上させ、競争力を高めることが可能になります。顧客の利便性と満足度を高めるための一貫した取り組みが、今後のビジネスの成功に繋がると言えます。

MAACを開発するクレッシェンド・ラボについて:https://www.cresclab.com/jp

Kohyoh Hayashi

Intern, Content Marketing, Japan