企業のマーケティングやDX(デジタルトランスフォーメーション)、業務改善では、「データ統合」が重要な役割を果たします。 顧客データ、購買データ、Web行動データ、POSデータ、アンケート結果など、企業が保有するデータは年々増え、複数の場所に分散しています。
しかし、データが分散したままだと、例えば次のような問題が発生します。
- 担当者が手作業でデータをまとめる必要がある
- 分析に時間がかかり、意思決定が遅れる
- データに誤りや重複があり、正しい判断ができない
こうした課題を解決するのがデータ統合です。
本記事では、データ統合の意味、メリット、実際の仕組み、データ統合の代表的なタイプを分かりやすく整理して解説します。
さらに、後半では、データ統合の課題を解消しながら、マーケティング実践までつなげられるソリューションとして「MAAC」の活用方法や具体的なデータ連携方法もご紹介します。
データ統合とは?
データ統合とは、複数のシステムに分散したデータを一つの場所にまとめて、統一された形式で利用できるようにする仕組みです。

企業が日常的に扱うデータには、次のようなものがあります。
- ECサイトの購買履歴
- Webサイトやアプリの行動データ(どのページを見たか、何をクリックしたか)
- CRM(顧客管理システム)に登録された顧客情報
- アンケートやキャンペーンの応募情報
- 実店舗のPOSデータ(購入履歴や金額など)
これらのデータを一つの場所に集めて整理することで、担当者はデータを探したり加工したりする手間を減らし、より正確で速い意思決定ができるようになります。
データ統合のメリット
データ統合には大きく分けて3つのメリットがあります。
1. 業務効率化・作業時間の削減
データが分散している企業では、担当者が以下のような作業を毎日行うことがあります。
- Excelで手作業でデータをまとめる
- データ形式を揃えるためにコピー&ペーストを繰り返す
- 複数のシステムからデータを1つずつダウンロードする
- 重複や欠損データを手作業で修正する
データ統合を導入すれば、このような作業を大幅に減らせます。
さらに、APIや自動連携を活用すれば、異なるシステムのデータを自動で同期でき、分析や改善施策に集中できるようになります。
2. 分析精度と信頼性の向上
統合データを活用することで、サンプル数が増え、抜け漏れや偏りを減らせます。
例えば、Webアンケートの回答データとECサイトの購入データを統合すれば、より正確な顧客分析が可能です。
3. 意思決定の質向上
統合されたデータにより、顧客像・購買傾向・商品レビューなどを一元管理でき、その結果販売戦略やマーケティング施策の意思決定のスピードと精度が向上します。
特にDXを推進している企業では、次のような活用が可能です。
- CRM・EC・GA4のデータ統合で顧客理解を深める
- オンラインとオフラインの行動を一続きで把握
- 全チャネルの売上・行動を1つのダッシュボードで確認
データ統合の仕組み(ETL)
代表的なデータ統合の方法としてETLがあります。
- Extract(抽出):各データソースからデータを取り出す
- Transform(変換):フォーマットや項目を統一
- Load(格納):統合先のデータベースやDWHへ保存
例えば、ECサイトの購入データを取り出し、顧客IDや日付の形式を揃えて、統合データベースに格納する流れです。
ETLを活用することで、複雑なデータも効率的に統合できます。
データ統合の代表的な3タイプ
1. マルチソース統合(オンラインデータ)
オンラインで生成されるデータを統合し、一元管理する方法です。
データは「ファーストパーティーデータ」「サードパーティーデータ」「ゼロパーティーデータ」などの種類に分けることができます。
- ゼロパーティーデータ:アンケートやフォームでユーザーが自発的に提供するデータ
- ファーストパーティーデータ:自社の顧客やユーザーから直接収集したデータ
- セカンド/サードパーティーデータ:Web解析や広告プラットフォームのデータ
クレッシェンドラボが提供するLINE MAツールMAACを使えば、これらのようなマルチソースのデータをまとめて管理・活用でき、顧客理解を深められます。
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LINEでファーストパーティー**データを収集:**顧客の購買履歴や関心のある商品など、直接データを取得可能
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サードパーティーデータ**データと統合:**Google Analyticsなどのデータとつなげて、LINEから公式サイトまでの顧客行動を一元管理
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ゼロパーティー**データの収集・管理:**顧客が自発的に提供するアンケート回答(SurveyCake、Googleフォームなど)も自動で取り込み、ラベル付け
2. オンライン×オフライン統合(OMO)
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オンラインデータと実店舗のPOSデータなどを統合し、顧客の行動を360°把握できる方法です。
具体的には以下のようなデータを統合します。
- 実店舗のPOSデータ(購入履歴、来店回数、購入金額など)
- 会員カードやポイントカードでの履歴
- Webサイトやアプリでの閲覧・購入履歴
- 広告やメール配信への反応
OMOを実現するためには、オンラインとオフラインのデータを同じ基盤で扱う必要があります。
クレッシェンドラボが提供するLINE MAツール MAACは、店舗のPOS(販売時点情報管理)システム連携が可能なため、オンライン・オフライン両方のデータを統合し、顧客の行動を正確に把握することができます。
例えば、消費者が実店舗でLINEクーポンのバーコードを提示しそれをPOSでスキャンすると、購入情報が即時にMAACに反映され、さらに自動でラベル分けされます。
関連記事:OMOとは?O2Oとの違いやLINE活用術をわかりやすく解説!
3. 会員データ統合(既存CRM/CDPとの統合)
既存のCRMやCDPに新しいデータを統合し、会員IDの紐付けやデータクレンジング(データの品質を向上させるために、データを洗浄すること)を行う方法です。
多くのブランドはすでにCRMやCDPを導入していますが、新しいデータソースを追加して会員情報を統合しようとすると、会員IDとの紐付けができない/データ品質が揃わない/運用が複雑になるといった課題が発生しがちです。
そこでクレッシェンドラボが提供するOpen API 統合サービスを活用すれば、LINE MAツールMAACと既存のCRMやCDPを簡単に連携することができます。

これにより、LINE会員との紐付けやデータ統合をスムーズに行えるだけでなく、誘導リンクの生成や各マーケティング施策の成果の追跡も可能です。
関連記事: CDPの顧客データをLINEに統合!2つのマーケティング戦略
LINEで顧客管理(CRM)をする方法とは?成功事例やメリットを紹介
MAACでデータ統合を効率化!
ここまで紹介したデータ統合をよりスムーズに実現できるのが、クレッシェンドラボが提供するLINE MAツール MAACです。
MAACは、企業が保有するオンライン・オフライン・CRMデータを一元化し、マーケティング施策に活かせる形で管理できます。

MAACの特徴
- WebhookやOpen API、各種コネクタによる外部ツールとの柔軟なデータ統合
- LINE・Web・EC・CRM・CDPなど複数プラットフォームのデータを一元管理
- 顧客の操作・メッセージ配信・リッチメニュー操作などを詳細に記録
- CRM/CDPとの双方向同期で、常に最新の顧客データを保持
- セグメント配信:顧客データをもとに精度の高いセグメントやパーソナライズ配信が可能
MAACについて詳しく知る:MAAC|マーケティング効果を向上するためのLINE CRMツール
MAACで実現するLINE × データ統合の例
MAAC × LINE × GA4
LINE公式アカウントとGA4をMAAC経由で連携することで、ページ閲覧・商品閲覧・カート投入・購入金額・購入回数といったウェブデータをLINEと統合することができます。
できるようになること
- LINE上の操作履歴とウェブ行動を統合し、購買までの一連の流れを可視化
- GA4データを用いた高度なセグメント作成(例:累計購入額10万円以上など)
- カートリマインドや購入後フォローを自動化
- 配信ごとの収益(ROI)を正確に計測し改善へ活かす
- GAデータをAIが学習し、見込み顧客予測・レコメンド配信を自動化
活用例 1:高額顧客を自動で抽出して VIP 配信
例えば、「直近30日で累計10万円以上購入」など条件を設定し、 自動でセグメント化することが可能です。
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VIP顧客への限定オファー
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LTV向上のための定期的なケア
これらが自動化されるため、売上を支える「コア顧客」を逃しません。
活用例 2:カートリマインドで取りこぼしを防ぐ
「商品をカートに入れたまま購入しなかった人」に、数時間後や1日後など好きなタイミングで自動通知を送れます。
LINE × GA4について詳しく知る:簡単連携!明日からウェブサイトのデータをLINEで活用
MAAC × LINE × 顧客データ統合(CRM/CDP)
MAACは、双方向同期を採用しており、LINE上の行動(タグ付与・アンケート回答・購入行動など)が更新されると、自動的にCRM/CDPへ反映されます。
できるようになること
- 会員データをLINE配信に活用(性別・購買履歴・会員ランクなど)
- LINEの行動データをリアルタイムにCRM/CDPへ送信し、常に最新データで統合
- CRM/CDPが持つ高精度セグメントをMAACで直接配信へ活用
- オンライン行動 × 店舗購買 × LINE操作を組み合わせたOMO文脈での顧客理解
活用例 1:会員ランク別の自動通知+クーポン配布
会員ランクが更新されたタイミングで、自動的にLINE通知とクーポンを配信。
- ゴールド・プラチナ会員への限定オファー
- 休眠顧客への復帰施策
- 会員ランクごとのパーソナライズ化
活用例 2:店舗購入データを基にしたLINEパーソナライズ施策
店舗購入データやアンケート情報を自動で統合し、LINE配信に活用。具体的には以下のような配信が可能になります。
- 購入履歴に基づくおすすめ商品の自動通知
- 来店頻度やポイント履歴に応じた個別ケア
LINE × CRM/CDPデータ統合について詳しく知る:顧客データが“つながる”だけで、LINEマーケティングがここまで変わる
LINE × データ統合で実現した顧客理解と売上改善 | フィッツコーポレーション
香水・コスメブランドを展開するフィッツコーポレーションは、従来の「一斉配信中心のLINE運用」では顧客行動が把握できず、改善の打ち手が限られていました。そこでMAACを導入し、データ活用型マーケティングへとシフト。LINE公式アカウントのデータに加え、SurveyCakeともデータを連携することで、「メッセージ開封 → 購買」までの顧客行動を一気通貫で可視化できるようになりました。

可視化されたデータをMAACでタグとして整理・運用した結果、97%という高いタグ保持率を達成。これにより、
- 購買見込みの高いユーザーへのパーソナライズ配信
- カゴ落ちユーザーへの自動リマインド
- 反応率の高いセグメントごとの最適配信
といった施策が継続的に実行され、エンゲージメントと売上改善につながる運用体制を構築することに成功しました。
事例について詳しく知る:株式会社フィッツコーポレーション メール離れ時代の顧客接点をLINE×MAACで再構築
まとめ
データ統合は、マーケティングのスピードと質を大きく高める基盤です。
そしてMAACなら、WebhookやAPIによるシームレスな連携で、各チャネルのデータをひとつにつなぎ、顧客ごとに最適なコミュニケーションを自動で届けることができます。
「データが多すぎて活かせていない」 「LINEをもっと戦略的に使いたい」
そんな課題を抱える企業に、MAACは大きな力を発揮します。
ぜひMAACを導入し、チームのデータ活用力を次のレベルへ押し上げましょう。
Crescendo Lab JP
株式会社クレッシェンド・ラボ(漸強實驗室)