目次
はじめに
AI時代の顧客ビジネスにおいて、サービスレベルを維持しながら顧客対応を効率化することは、企業にとって「守り」と「攻め」の両面で欠かせない重要なテーマです。
私たちクレッシェンドラボのお客様からも、「問い合わせが増えすぎて、迅速な対応ができない」「対応に追われる前に対策をしたい」という相談を多くいただきます。しかし、適切なツールとフローを導入すれば、対応時間を半分にしつつ、顧客満足度(CSAT)を上げることは十分に可能です。
本記事では、2026年の最新トレンドであるAIやマルチチャネルでの運用における顧客対応の効率化ノウハウについて解説します。
顧客対応の効率化とは?なぜ今、重要性が高まっているのか?
深刻な人手不足と「待てない顧客」の増加
日本の労働人口は減少の一途をたどっています。一方で、AI時代におけるテクノロジーの発達により、顧客は「今すぐ答えが欲しい」と考える傾向が強まっています。
例えば、デジタルネイティブ世代は、リアルタイム性やスムーズなデジタルインタラクションへの期待が強まっているという示唆が示されています。
つまり、顧客は単に「回答が遅い」ことに不満を感じるだけでなく、現代のデジタル・サービス環境においては、よりシームレスで即時性のある体験を前提としてサービスを評価するようになっていることが分かります。
※参考・引用元 |カスタマーサービスに関する統計データ限られた人数で、即時性を求める顧客に対応するには、昨年に引き続き顧客対応の効率化の仕組みづくりが不可欠です。
![[JP] LINE Customer Service Localization](https://blog.cresclab.com/hs-fs/hubfs/%5BJP%5D%20LINE%20Customer%20Service%20Localization.webp?width=1674&height=968&name=%5BJP%5D%20LINE%20Customer%20Service%20Localization.webp)
顧客対応の効率化とは、単に「時間を短縮すること」ではなく、「AIやツールで処理できる単純作業を自動化し、スタッフが人間にしかできない『感情に寄り添う対応』に集中できる環境を作ること」が肝心です。
これにより、業務コストを下げながら、顧客のLTV(生涯顧客価値)を高めることができます。
顧客対応の業務効率を阻害している3つの原因とは?
- チャネルの分散(メール・電話・LINE・SNS)
担当者が「メールを見ながら、電話を取り、同時にInstagramのDMも確認する...」といったマルチタスクは、著しい効率低下を招きます。ツールを行き来する時間(スイッチングコスト)は、1日単位で見ると大きなロスになります。 - ナレッジ(社内知識)の属人化
「この件、〇〇店舗の担当者しか分からない」という状態は非常に危険です。その担当者が不在の時、回答が遅延するだけでなく、回答内容にバラつきが生じ、企業の信頼を損なう原因になります。 - よくある質問(FAQ)への反復対応
「パスワードを忘れました」「送料はいくらですか?」といった、サイトを見ればわかる質問に時間を割いていませんか? 全体の問い合わせの30〜50%は「よくある質問」だと言われています。これらを自動化するだけで、負担は劇的に軽くなります。
顧客対応を効率化する5つの具体策|AI時代のカスタマーサポート改善ガイド
AI時代の今、カスタマーサポートの役割と設計は大きく変化しています。
従来、人が対応していた基本的な問い合わせ対応やFAQ対応は、AIによる自動化が標準になりつつあります。
AIは問い合わせ内容をリアルタイムで分析し、FAQ・情報収集段階の問い合わせ(コールドインクワイアリー)・定型質問を自動分類します。これにより、問い合わせの初期対応や簡易対応は即時にAIが完結し、全体の50%以上の会話がAIのみで解決できるようになります。
※参考・引用元 Intercom|Self-Service Automation
一方で、人の役割がなくなるわけではありません。
人は、購入やサービス利用意欲の高い問い合わせ(ホットリード)や、判断・提案・関係構築が必要な重要ケースに集中することで、より高い価値を発揮できます。
つまり、AIはカスタマーサポートの「効率化と自動化」を担い、人は「顧客体験の向上と価値創出」を担う。
この役割分担こそが、AI時代におけるカスタマーサポートの新しいスタンダードとなるとクレッシェンド・ラボは考えています。
顧客対応を効率化する5つの具体策
1. 問い合わせチャネルを一元管理する
〜管理画面の「行ったり来たり」をなくす〜
上記のトレンドを踏まえて、改めて効率化の第一歩から解説します。
先ずは、問い合わせチャネルを一元管理から始めます。メール、LINE、SNS、チャットなど、複数の窓口を個別に確認するのは時間のロスとなり、返信漏れのリスクを高めます。
- 管理画面の統合: 全てのチャネルを1つの画面で受信・返信。
- 対応履歴の集約: 「以前LINEで聞いた件」といった過去の経緯を、どのスタッフでも即座に把握。
「どこから来たか」を意識せずに運用できる環境が、工数削減の鍵となります。
2. 定型化と自己解決の仕組みを整える
〜ムダな問い合わせを未然に防ぐ〜
そして人間が対応する必要のない質問を減らすことです。
- 対応フロー・テンプレートの整備: 回答の質を均一化し、ゼロから文章を作る時間を削減します。
- FAQ(よくある質問)の最適化: 単にページを作るだけでなく、問い合わせフォームの直前など「顧客が困った瞬間」に提示することで、自己解決率を最大化させます。
ポイント: 顧客にとっても「問い合わせる手間」が省けるため、満足度(CSAT)向上に直結します。
※参考お役立ち資料 : LINE自動返信の設定方法と活用術【2025年版】
3. チャットボットで「即レス」を自動化する
〜24時間365日の対応体制を構築〜
顧客は「今すぐ」の回答を求めています。AIとシナリオを組み合わせた自動応答が有効です。
- シナリオ型ボット: 配送状況の確認や返品ルールなど、定型的な案内を確実に遂行。
- AI型ボット: 複雑な言い回しを理解し、マニュアルから最適な回答を抽出。
夜間や休日、繁忙期の一次回答をボットに任せることで、スタッフは複雑な案件に集中できるようになります。
※参考お役立ち資料 : 初心者でも簡単!LINEチャットボットで顧客対応を完全自動化
4.「非同期コミュニケーション」への転換
〜「現場での対応」からの脱却〜
非同期コミュニケーションとは、メールやチャットのように、送信者と受信者がリアルタイムにやり取りせず、それぞれの都合のよいタイミングで情報を伝達する手法です。
特に、電話対応は「その場を離れられない」という制約があるため、これをLINEなどのメッセージ形式にシフトさせます。
- 電話からLINEへの誘導: 待ち時間の長い電話をLINE対応へ切り替え。
- マルチタスクの実現: スタッフは同時に複数のチャットを進行でき、ピークタイムの稼働を平準化できます。
※参考お役立ち資料 : LINE公式アカウントは複数管理できる?多店舗・多ブランド時代の運用設計ガイド
5. CRM × AIで「対応の質」を飛躍させる
〜パーソナライズとスピードの両立〜
最後に、AI(LLM)と顧客管理システム(CRM)の連携させます。顧客対応の効率化、またLTV最大化につながる最も強力な効率化手段です。
- 顧客情報の自動照会: 問い合わせが来た瞬間に、購入履歴や属性を表示。ヒアリングの時間を短縮します。
- AIによる回答案の自動生成: 導入するツールによりますが、過去の履歴に基づいた最適な回答案をAIが下書き。人は「最終チェック」をするだけで送信可能になります。

クレッシェンドラボの製品で「顧客対応の効率化」はどう実現できるのか?
顧客対応効率化を支える2つのプロダクト
クレッシェンドラボでは、顧客対応の効率化を目的に、主に2つのプロダクトを提供しています。
一つは、問い合わせ対応そのものを効率化する会話型プラットフォーム CAAC(カーク)。
もう一つは、問い合わせが発生する前のコミュニケーションを自動化するCRM型プラットフォーム MAAC(マーク)です。それぞれの役割を見ていきましょう。
CAAC(カーク):問い合わせ対応を「一元化」する守りの自動化
CAACは、LINEやSNS、Webチャットなど、分散しがちな問い合わせ対応を一元管理できる顧客対応プラットフォームです。LINE公式アカウント、Instagram / Facebook DM、Webチャットといった複数チャネルの問い合わせを、一つの画面で確認・返信できるため、ツールを切り替える手間がなくなり、返信漏れや対応遅延を防ぐことができます。
また、配送状況や返品方法といった「よくある質問」は、AIやチャットボットによる一次対応で自動化が可能です。24時間365日対応できるため、夜間や休日の問い合わせにも即時対応でき、結果として問い合わせ全体の30〜50%を自動処理できるケースもあります。
特に、すべての対応履歴がナレッジとして蓄積されるため、「この件は特定の人しか分からない」「担当者ごとに回答内容が違う」といった属人化を防止できます。誰が対応しても、一定品質の回答ができる体制を構築できる点も大きなメリットです。

MAAC(マーク):問い合わせを「発生させない」ための攻め自動化
MAACは、LINE公式アカウントを活用したマーケティングオートメーション(MA)ツールです。CAACが「来た問い合わせを効率化」する役割を担うのに対し、MAACはそもそも問い合わせを発生させないためのコミュニケーション設計を担います。
例えば、発送完了通知や商品の使い方ガイド、よくある質問の事前案内などを自動配信することで、「問い合わせが来る前に答える」状態を作ることができます。これにより、サポート工数を大きく削減することが可能です。
また、購入履歴や行動履歴といった顧客データをもとにAIマーケティングが可能で、必要な情報を必要な人にだけLINEで配信できるため、一斉配信では実現できない、きめ細かなコミュニケーションが可能になります。FAQへの誘導やチャットボットへの接続、緊急度が高い場合のみ有人対応に切り替えるといった「問い合わせ導線」を設計することで、サポートのピーク負荷を分散することもできます。
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CAAC × MAAC 連携で実現する理想的な顧客対応フロー
CAACとMAACを連携させることで、顧客対応の流れは大きく変わります。まずMAACで購入後フォローや事前案内を自動化し、それでも発生した問い合わせはCAACで受付。AIが一次対応を行い、本当に人の判断が必要なものだけをスタッフが対応します。対応履歴はCRMとして蓄積され、次回以降の対応にも活かされます。
この仕組みにより、対応時間を最大50%削減*しながら、CSATやLTVの向上につなげることが可能になります。 *当社調べ
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顧客対応の効率化は「コスト削減」ではなく「価値創出」
顧客対応の効率化は、単なる業務削減や人件費削減の話ではありません。スタッフが疲弊せず、顧客一人ひとりに寄り添う余裕が生まれ、データが蓄積されることで、結果としてリピート率やLTVの向上につながります。
クレッシェンドラボのCAAC・MAACは、蓄積されたデータを分析・活用することで、「対応を減らすためのツール」のみならず、継続的に「良い顧客体験を提供するための仕組み」となります。
顧客対応の効率化に成功した企業事例
事例1:LINE活用で電話問い合わせを40%削減したD2C
企業
電話対応に追われていた海外家具メーカーは、問い合わせ窓口をLINEに誘導。チャットボットで「配送状況」や「返品規定」を自動回答させることで、有人対応が必要な問い合わせを40%削減しました。
同様の構造は台湾の家具ブランドでも見られ、月16,000件規模の問い合わせのうち定型質問(43%)をAIが処理し、最終的に自動化率75%、月160時間の工数削減を実現しています。結果として、スタッフは「提案が必要な相談」や「突然のトラブル」に集中でき、顧客体験の質も落とさずに運用が回るようになりました。

よくある質問
| 質問 | クレッシェンド・ラボの回答 |
| 顧客対応を効率化すると顧客満足度は下がりますか? | 下がりません。定型問い合わせはLINE×AIで自動対応し、複雑な相談は有人対応に切り替える設計により、対応速度と顧客満足度を両立できます。 |
| 顧客対応の効率化ツールはどのように選ぶべきですか? | 現場運用を前提に設計されたツールを選択すると効果的です。特に、生活インフラになっているLINE公式アカウントとの親和性とCRM・顧客データとの連携可否が重要です。 |
| チャットボットはどのような問い合わせに向いていますか? | 送料、営業時間、予約確認など、回答が決まっている定型問い合わせに最適です。有人対応へのスムーズな引き継ぎが重要です。 |
| LINE公式アカウントを問い合わせ窓口にするメリットは? | 顧客が日常的に利用するLINE上で、即時対応・画像送信・チャット形式の自然なコミュニケーションを実現できます。 |
ツールと仕組みで「人が中心の」顧客対応へ
顧客対応の効率化とは、単に対応件数を減らすことではありません。
LINEやAIといったテクノロジーを活用し、スタッフが心に余裕を持って、お客様一人ひとりと向き合える環境をつくることこそが本質です。
まずは、自社の問い合わせを振り返り、「定型的で自動化できるもの」「人が対応すべきもの」を整理するところから始めてみてください。それだけでも、現場の負担は大きく変わります。
私たちクレシェンドラボは、LINEを軸に、顧客対応の自動化・問い合わせの一元管理・事前コミュニケーション設計を支援するプロダクトを提供しています!
「LINEでの顧客対応を効率化したい」「問い合わせ対応を仕組みで改善したい」とお考えの方は、ぜひご相談ください。
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