✅ この記事の要点
- LINE会員証とは、LINE上で会員番号やバーコード、ポイントなどを表示する仕組みです。専用アプリをダウンロードしてもらう負担を減らせます
- 作り方は「ショップカード」「LINEミニアプリ」「外部ツール」の3通りに整理できます。外部ツールがLINEミニアプリ形式の会員証を提供するなど、組み合わせて使う場合もあります
- 店舗とECの会員情報をつなぐには、共通の会員IDまたはIDの対応付けに加え、LINEとのID連携やPOS・ECシステムとの連携が必要です
- 会員証の発行後は、連携した来店・購買データを配信や接客に活かし、継続的な利用を促します
はじめに
「紙のポイントカードを持ち歩いてもらえない」「専用アプリを用意しても、ダウンロードが増えない」。会員制度を運営する店舗やブランドにとって、登録や利用の手間は見直したい課題です。
LINE会員証は、お客様が普段使っているLINEから会員証を開けるため、新しいアプリを入れてもらわずに、会員制度を使い始めてもらいやすいのが特徴です。店頭での提示だけでなく、顧客データやメッセージ配信と組み合わせれば、購入後のフォローにも活かせます。
ただし、会員証を用意しただけで、購入履歴の記録や店舗とECの会員統合まで自動でできるわけではありません。できることは、作り方と連携するシステムによって変わります。
この記事では、LINE会員証の基本とメリット、3つの作り方と費用の考え方、店舗とECの会員情報をつなぐ手順、発行後の活用方法を解説します。
LINE会員証とは?
LINE会員証とは、LINE上で開く画面に、会員番号やバーコード、ポイント残高、会員ランクなどを表示する仕組みです。表示する項目や使える機能は、導入するサービスによって異なります。

LINEヤフー for Businessのコラムでは、デジタル会員証を「主にスマートフォンアプリに会員証機能を持たせて、ユーザー情報や来店ポイントを管理するサービス」と説明しています。LINE会員証は、このデジタル会員証をLINEの中で提供する形といえます。リッチメニューから開く、店頭のQRコードからアクセスするなど、お客様が使いやすい入り口を設計できます。
引用元:[LINEヤフー for Business「LINEミニアプリでデジタル会員証を作成」
紙のカード・専用アプリとの違い:アプリを追加せずに使える
紙のカードは導入しやすい一方、紛失や持参忘れが起きやすく、印刷や再発行の手間がかかります。専用アプリは機能を柔軟に設計できますが、ダウンロードや初期登録の負担が利用開始の壁になることがあります。
LINE会員証なら、LINEを使っているお客様に、アプリを追加せずに会員証を使ってもらえます。さらにPOSやECシステムと連携すれば、会員ごとの購入情報を施策に活かせます。
ショップカードと会員証の違い:ポイントか、顧客の識別か
LINE公式アカウントのショップカードは、来店やサービス利用に応じてポイントを付ける機能です。紙のスタンプカードの置き換えには向いていますが、独自の会員番号でお客様を識別し、POSやECの購買履歴とつなぐ会員証とは役割が異なります。ポイントをためる仕組みが必要なのか、顧客情報を識別・管理する仕組みが必要なのかを、最初に整理しましょう。
活用しやすい業種:繰り返し利用される店舗
飲食店、美容室・サロン、小売店など、繰り返し利用される店舗で検討しやすい仕組みです。店舗とECの両方を持つアパレルや化粧品ブランドでは、チャネルをまたいで共通の会員証を使えるようにする設計も考えられます。
LINE会員証を導入するメリットは?

登録と利用の負担を減らせる
店頭のQRコードなどから登録画面に案内できるため、専用アプリのダウンロードや紙の申込書への記入を減らせます。入力項目を必要なものに絞り、会員になるメリットを示すと、登録しやすい流れをつくれます。すでに会員のお客様は、ログインや本人確認、LINEとの連携が必要になることもあるため、新規登録と既存会員の連携は分けて案内しましょう。
会員情報を配信や接客に活かせる
会員証とPOS・ECシステムを連携すると、会員ごとの購入商品や購入日、金額などを活かせます。会員証を表示するだけで購買データが記録されるわけではありません。来店履歴を残したい場合も、チェックインや会計時の読み取りなど、来店を検知する仕組みが必要です。どの操作で、どの情報が記録されるかを確認しましょう。
LINEで継続的に情報を届けられる
LINE公式アカウントの友だち追加と会員登録を組み合わせると、新商品や会員特典を案内する接点をつくれます。ただし、LINEミニアプリで会員登録しただけで、必ず公式アカウントの友だちになるわけではありません。友だち追加の導線と、会員情報とLINEのIDの連携を設計しておく必要があります。

カードの発行・管理の手間を減らせる
カードの印刷や在庫管理、紛失時の再発行といった作業を減らせます。会員情報をオンラインで登録してもらえば、申込書の手入力も減らせます。一方で、スマートフォンの操作に慣れていないお客様への案内や、通信・システム障害への備えは必要です。
引用元:[LINEヤフー for Business「LINEミニアプリでデジタル会員証を作成」
LINE会員証はどうやって作る?3つの方法の違いは?
LINE会員証の作り方は、次の3つに整理できます。
| 方法 | 主な機能 | 費用の考え方 | 向いている目的 |
|---|---|---|---|
| ショップカード | ポイントの付与、特典、有効期限の設定 | 作成・利用は無料。メッセージ配信の費用は別途確認 | 紙のスタンプカードを置き換える |
| LINEミニアプリ | 会員番号やバーコードの表示、ポイント・ランクなどを要件に応じて実装 | パッケージの利用料、開発・連携・保守の費用など | 独自の会員制度をLINE上で提供する |
| 外部ツール・連携アプリ | 会員証の提供、EC・POSとの連携、配信との連動など | 製品のプラン、追加機能、連携要件による | 既存の顧客データと会員証を連動させる |
外部ツールがLINEミニアプリ形式の会員証を提供する場合もあり、3つは完全に独立した選択肢ではありません。
ショップカード:ポイントカードを手軽に始める
ショップカードは、LINE公式アカウントの標準機能です。LINEヤフー for Businessのマニュアルでは、「商品購入やサービス利用・来店などのインセンティブとして、デジタルのポイントをLINE上で発行・管理できる機能」と説明されています。

ポイントは、管理画面から取得したQRコードをお客様に読み取ってもらって付けます。ゴール時の特典や途中の特典、有効期限も設定できます。ただし、コラムでは「簡易的な会員証を無料で作成することができますが、機能は限定されます」とも書かれています。独自の会員番号の管理や、POS・ECとの購買データ連携が必要な場合は、別の仕組みを検討しましょう。
LINEミニアプリ:会員制度に合わせて設計する
LINEミニアプリは、LINE上で使えるWebアプリです。会員証の表示やポイント残高の確認などを、自社の会員制度に合わせて実装できます。導入方法には、既存のパッケージを使う、開発会社に依頼する、自社で開発する、の3つがあります。パッケージは導入しやすい一方、独自の要件にどこまで対応できるかの確認が必要です。

LINE Developersのドキュメントでは、LINEミニアプリは「弊社による認証審査に通過しているかどうかによって、未認証ミニアプリと認証済ミニアプリに分かれます」と説明されています。ホーム画面へのショートカット追加やLINE内の検索など、認証済ミニアプリでのみ使える機能もあるため、必要な機能に応じて審査の要否を確認しましょう。仕組みや開発の進め方は、LINEミニアプリとは?で解説しています。
引用元:[LINEヤフー for Business「LINEミニアプリでデジタル会員証を作成」
外部ツール:既存システムとの連携を重視する
LINE公式アカウントの拡張ツールやカート連携アプリにも、会員証の表示や会員登録を支援するものがあります。たとえばShopify App Storeでは、「CRM PLUS on LINE」や「Lipify(LINE連携アプリ)」が会員証に関わる機能を案内しています。
選ぶときは、会員証の見た目より、利用中のPOS・ECシステムと連携できるかを確認しましょう。会員情報だけを連携するのか、購入商品やポイント残高まで連携するのかで、できる施策が変わります。
どの方法を選ぶ?判断の目安
- スタンプカードを置き換えたい:ショップカード
- 独自の会員番号や会員ランクを表示したい:LINEミニアプリ、または会員証に対応した外部ツール
- 店舗とECの購入情報をまとめたい:会員管理・POS・ECの連携を含めて検討する
当社の見解として、最初から店舗・EC共通の会員制度を目指すなら、将来のデータ連携を前提に方法を選ぶのが進めやすい順番です。ショップカードから始めた場合、あとでそのまま統合できるとは限りません。
LINE会員証の費用はどれくらいかかる?無料で作れる?
無料で作れるのはショップカード
ショップカードは、LINE公式アカウントの機能として無料で作成・利用できます。ただし、会員向けにメッセージを送る場合は、公式アカウントの料金プランや配信数に応じた費用がかかることがあります。
LINEミニアプリは導入と運用の費用を分けて考える
LINEヤフー for Businessのコラムでは、「LINEミニアプリ自体の利用には費用はかかりません」としたうえで、パッケージなら「数万円の初期費用から比較的安価に導入できます」と案内されています。プラットフォームの利用料がかからなくても、パッケージの契約や開発、連携、保守には費用が発生します。
見積もりで確認したい項目
| 項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 初期費用 | 初期設定、開発、会員データの移行 |
| 月額費用 | パッケージの利用、サーバー、保守・サポート |
| 連携費用 | POS、EC、既存の会員データベースとの接続 |
| 配信費用 | LINE公式アカウントや配信ツールの料金 |
| 運用費用 | 店頭での案内、スタッフ研修、データ確認、施策の設定 |
会員証を表示するだけなのか、ポイント・ランク・クーポンまで実装するのかを整理すると、必要な機能と費用を比べやすくなります。
店舗とECの会員情報をつなぐにはどうする?
店舗とECで会員情報が分かれていると、同じお客様でも購入履歴や特典が別々に管理されます。会員証を共通にするときは、画面をそろえるだけでなく、その裏側のデータをつなぐ設計が必要です。
ステップ1:会員IDをそろえる
店舗とECで共通の会員IDを使うか、それぞれのIDを同じお客様として対応付けます。どのシステムを会員情報の管理元にするか、会員ランクやポイントをどこで計算するかも決めておきましょう。
すでに会員情報がたまっている場合は、重複や不一致を整理します。メールアドレスや電話番号の一致だけで自動統合すると、家族で共有している連絡先などで誤って統合される場合があります。本人確認や例外の扱いも含めて、移行のルールを決めましょう。
ステップ2:会員IDとLINEをID連携する
会員のログインや認証を通じて、会員IDとLINEのユーザーIDを紐付けます。これにより、LINE上で対応する会員証を表示したり、会員情報に応じて配信の対象を決めたりできます。LINEとのID連携だけで、店舗とECの会員データが統合されるわけではないため、ステップ1と合わせて設計します。ID連携の仕組みは、LINEのID連携の解説記事で紹介しています。

ステップ3:POS・ECから購買情報を連携する
店頭で会員証のバーコードを読み取り、会計の情報を会員IDに紐付けます。ECでも注文情報を同じ会員に対応付けると、店舗とECの購入履歴をまとめて活かせます。返品やキャンセル、ポイントの利用・取り消し、データの更新頻度も確認し、画面に表示する残高と実際に使える残高がずれないようにしましょう。
ShopifyとLINEをつなぐ仕組みの全体像は、ShopifyのAI機能とは?Sidekick・Shopify MagicとLINE連携の活用方法で解説しています。
LINE会員証を発行したあと、どう活かす?
会員ランク:ランクに応じて案内を変える
会員ランクや購入履歴に応じて、先行販売や会員限定の商品、特典を案内します。対応する配信ツールを使えば、会員の状態に合わせてリッチメニューを出し分けることもできます。リッチメニューの作り方は、LINEリッチメニューの作り方で解説しています。
来店・購入後のフォロー:データをきっかけに配信する
購入後に使い方を案内する、ポイントの条件を満たした会員に特典を知らせるなど、連携したデータをきっかけに配信します。会員証に情報を表示する機能と、自動で配信する機能は別のものです。必要なデータが取れるか、配信のきっかけとして使えるかを確認しましょう。
誕生日・入会記念日:特典を届ける
誕生月や入会日を取得していれば、特典やお礼のメッセージを送れます。誕生月だけで施策ができるなら、生年月日のすべてを聞く必要はありません。目的に合った情報だけを集めましょう。
休眠会員:再利用のきっかけをつくる
一定期間、購入や来店のない会員に、関心のありそうな商品やイベントを案内します。ポイントの期限を知らせる場合は、実際の残高や期限を連携できていることが前提です。
店舗とEC:両方の利用をつなぐ
店舗で購入したお客様にECでの追加購入を、ECのお客様に近くの店舗のイベントを案内します。会員特典や履歴がチャネルをまたいで引き継がれると、利用時の不便も減らせます。顧客データ活用の進め方は、ECのCRMとは?で解説しています。
LINE会員証を導入するときの注意点は?
店頭での案内:手順をそろえる
スタッフが、新規登録、既存会員の連携、会員証の表示方法を説明できるようにします。レジやPOPでは、会員になるメリットと登録の手順を短く伝えましょう。スマートフォンを持っていないお客様や、システム障害のときの対応も決めておくと、店頭の混乱を防げます。
ポイントとカードの仕様:公開前に確認する
ショップカードのマニュアルでは、作成できるカードは「公開中」「下書き」を合わせて最大10種類まで、「一度公開停止にした場合は復活できません」と案内されています。ポイントの付与条件や有効期限、特典は、公開前によく検討しておくことが大切です。LINEミニアプリや外部ツールでも、ポイントの計算方法や失効の条件を会員規約とそろえましょう。
紙のカードからの移行:ルールを決める
既存のポイントを引き継ぐ場合は、対象のカード、確認方法、移行期間、移行後の紙カードの扱いを決めます。並行して運用する期間は、ポイントの二重付与を防ぐ手順を用意しましょう。切り替えの期限は、既存会員への案内や対応状況を踏まえて決めます。
データの利用目的:わかりやすく示す
会員情報を配信や分析に使う場合は、利用目的を具体的に示します。取得方法に応じた明示・通知・公表などは、個人情報保護委員会の個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)をご確認ください。退会時の処理、LINEとの連携解除、スタッフの閲覧権限も整理しておきます。
発行後の運用:担当者と指標を決める
会員登録数だけでなく、会員証の利用状況、ID連携率、会員の再購入・再来店、配信後の反応を確認します。当社の見解として、運用の担当者を決め、入会後の案内や購入後のフォローなど目的を絞った施策から始めるのが進めやすい方法です。
MAACで会員証のデータをどう活かす?
MAAC(マーク)は、クレッシェンドラボが提供するLINEマーケティング自動化ツールです。ECや会員管理システムと連携した顧客データを活かし、セグメント配信やシナリオ配信を支援します。

会員の状態に応じてメッセージとメニューを出し分ける
会員ランクに応じたリッチメニューの自動切り替えや、購買確率や行動傾向をAIが分析してセグメントを自動で作る「AIスマートセグメンテーション」を使い、会員の状況に合った情報を届けて継続利用を後押しします。
Shopify連携では、会員カードや注文通知、Web上の行動データを組み合わせた施策も検討できます。利用できるデータ項目や連携方法は、利用するシステム・契約プラン・個別要件によって異なります。会員証の提供方式やPOSとの連携範囲も、導入時にご確認ください。
店頭から会員登録につなげる
MAACの会員登録モジュールなどを使い、店頭のQRコードやPOPから登録を案内する流れを設計できます。友だち追加と会員登録、ID連携の状況を整理し、登録後のフォローにつなげます。
料金と導入前の確認
MAACの基本プランは、月額80,000円からご利用いただけます。初期費用やオプションを含む料金は、ご利用機能、配信規模、データ連携の要件に応じてご案内します。契約期間は1年です。会員証の表示やポイント管理、POS連携などが基本料金に含まれるかは、導入時に個別にご確認ください。詳しくは料金プランをご覧ください。他社ツールとの違いは、LINEマーケティングツール比較でまとめています。
まとめ
- LINE会員証とは、LINE上で会員番号やバーコード、ポイントなどを表示する仕組み
- 作り方はショップカード、LINEミニアプリ、外部ツールの3通り。組み合わせて使う場合もある
- 費用は作り方と、機能の範囲・連携するシステム・運用の体制で変わる
- 店舗とECの会員情報をつなぐには、会員IDの対応付け、LINEとのID連携、POS・ECとの連携が必要
- 発行後にどのデータを取り、どの配信や接客に活かすかまで決めると、作り方と費用を判断しやすくなる
ポイント付与が中心ならショップカード、会員番号やランクの表示、購買データとの連携が必要ならLINEミニアプリや外部ツールが選択肢になります。
- まず全体像を知りたい方:LINEのセグメンテーション(無料eBook)、AI × 顧客コミュニケーション(無料eBook)
- 具体的な施策を探している方:MAAC、ホテラバの事例
- 導入を相談したい方:料金プラン、お問い合わせ・無料相談
クレッシェンドラボでは、既存の会員制度やECシステム、LINEの運用状況を踏まえ、会員データの連携と活用方法をご提案します。自社に合った進め方を知りたい方は、お問い合わせ・無料相談からご相談ください。
Nari Fujiie
LINEマーケティングとAI活用の最新トレンドをわかりやすく発信し、貴社のマーケティング課題解決に役立つインサイトをお届けします。