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D2Cとは?従来の通販 / ECとの違いやメリット・デメリットを解説

null • 2024/03/01 8:45:00 • Written by: Nae Saito

2020年以降、新型コロナウイルス感染症蔓延の影響を受け、様々なビジネス業態が影響を受けました。おうち時間が増加したことにより、オンラインショッピングがさらに普及し、オンラインショッピングがさらに普及したことで競争がさらに激化し、いかに顧客の需要に応え、競争から生き残るかを考えることが重要になりました。

D2Cとは

D2Cとは「Direct to Consumer」の略であり、企業が消費者に自社製品を直接販売するビジネスモデルのことを指します。似た言葉としてB2CやB2B、ECなどがありますが、D2Cとの違いについて、これからD2Cの運営を始めたい方にもわかりやすく、図や例を参照しながら詳しく説明していきます。

D2Cと従来のB2B2Cの違い

  従来のB2B2C D2C
顧客データの取扱 委託/仲介業者から提供されたデータのみ使用可能 顧客から直接提供されたすべてのデータが使用可能
主な顧客層 ECモールのユーザー メンバーシップ登録済み会員
主なマーケティング方法 ECモール上の競合商品との価格競争 それぞれの顧客に合わせたパーソナライズマーケティング
ブランドイメージの構築 ECモールによるが限られたマーケティング手法 複数のチャネルを活用するなど、自社で調整が可能
ブランド管理の焦点 ECモール中心 消費者中心

D2C と従来の B2B2Cを比較

従来のB2B2CがAmazonや楽天など大型ECモールを経由して消費者に製品を販売するのに対し、D2Cは自社ECサイトやSNSなどを利用して直接製品を販売することを指します。

自社サイトで製品販売を行うことの利点として、消費者のデータを直接獲得し、そのデータを元にパーソナライズ化したメッセージを送るなど、細やかなマーケティングを行うことができるため、さらに質の高いサービスを提供することができます。

また、B2B2CとD2Cはそれぞれ定義として別のものを指しますが、ひとつのECサイトの中にそれぞれのビジネスモデルが混在している場合もあります。

例えば、ZOZOTOWNは大型国内ECサイトですが、販売している会社の中にはZOZOTOWNに仲介販売を委託し、製造元が別の会社である場合(B2B2C)や、身体測定用のボディースーツを販売し、複数のブランド商品を購入検討する際に、衣服のサイズを検討できるようなサービス(D2C)を提供するなど、このようにひとつのECサイトの中にB2B2CとD2Cのビジネスモデルが混在している場合もあります。

D2CとECの違い

続いて、ECは電子商取引(e-commerce)を意味し、インターネット上で行われる取引=オンラインショッピング全般を指します。

そのため、オンラインショッピングを行うことのできるサイトは規模の大きさを問わずECサイトと言えますが、その中でも、特に販売元が消費者と直接やり取りを行っているビジネスのことをD2Cと言います。

D2Cのメリットとデメリット

メリットとデメリットを比較

次にD2C運用におけるメリットとデメリットをそれぞれ3つご紹介します。

D2Cのメリット①:収益性が高い

D2Cのメリット②:販促の自由度が高い

D2Cのメリット③:顧客データを収集し、マーケティング施策に活用できる

D2Cのデメリット①:商品そのものに魅力がないと売れない

D2Cのデメリット②:顧客開拓にコストがかかる

D2Cのデメリット③:事業が軌道に乗るまでに時間がかかる

D2Cのメリット①:収益性が高い

D2Cの大きな特徴として、消費者に直接商品を販売することが挙げられます。つまり、仲介業者を通さずに販促を行うため、支出面での経費カットが見込めます。

例えば、ECモールなどの大型プラットフォームで販売を行う場合、販売手数料がかかったり、場合によっては配送代行手数料がかかる可能性があります。しかし、自社サイト等で販売する場合、そういった仲介手数料を払わずに済むため、収益性が高いのがメリットです。

D2Cのメリット②:販促の自由度が高い

上記にも述べた通りD2Cでは、消費者と直接やり取りをすることができるため、商品を販売する際の自由度が高いです。

仲介販売業者に依頼し商品の販促を行う場合、販売サイトは、業者のフォーマットに従って構築されているため、比較的融通が利きづらいのが問題として挙げられます。

一方、自社のECサイトで販売する場合、独自のキャンペーンやセールを行うことができるため、マーケティング戦略に合わせた販促を行うことが可能です。

D2Cのメリット③:顧客データを収集し、マーケティング施策に活用できる

D2Cはオンラインを中心としたサービスであるため、商品配送のために顧客情報の入力をお願いする必要があります。

この時に得たデータや、LINEマーケティング等公式SNSアカウント、自社公式ホームページなど、複数チャネルの併用によって獲得したより多くの顧客情報を利用して、適切な情報を適切な顧客に届けることで、商品や企業へのエンゲージメントを高めることができ、リピート購入や企業/製品の評価UPにつながります。

D2Cのデメリット①:商品に魅力がないと売れない

オンラインショッピングが普及した現在、世の中にはたくさんの競合商品で溢れかえっています。

多くの競合の中から消費者に選ばれるためには、商品自体が優れていたり、マーケティング戦略が秀でていたりとする必要があります。特に自社サイトで商品を販売する場合は、消費者に商品を見つけてもらうプロセスが特に重要です。さらに、消費者が商品を購入するプロセスに至るには、商品が認知された後も、友だち獲得やシナリオ配信など様々な方法を駆使して、顧客のニーズに合った商品情報を発信する必要があります。

D2Cのデメリット②:顧客開拓にコストがかかる

ECモールなどの大型プラットフォームで仲介販売委託する場合、一般的に既に知名度が高いケースが多く、広告を出す場合以外は、企業側から特別に顧客開拓のためのお金を投資する必要はありません。

一方、D2Cの場合顧客開拓にかかるコストは多岐にわたります。顧客に商品を認知してもらうためにかかる広告費や、より顧客に商品を理解してもらうためのマーケティングにかかる費用、購入検討から実際に購入するまでのプロセスで必要な人件費など。自社サイトに合ったオートメーションツールの利用するなど、効果的にマーケティング戦略を立てることが解決策のひとつとして考えられます。

D2Cのデメリット③:事業が軌道に乗るまでに時間がかかる

また、顧客開拓にコストがかかるだけでなく、事業が軌道に乗るまでも時間がかかります。

D2Cのビジネスモデルでは、自社で製品開発を行い、さらにECサイトの開設・構築をした後、顧客を該当企業や製品の認知度や人気を高めていく必要があります。これからビジネスを始める場合においては、特に時間をかけてこの過程を乗り越えていくことになるでしょう。

D2Cの特徴

マルチチャネルにおけるデータを活用してD2Cを運用している人

「Direct to Consumer」という定義からもわかる通り、消費者に直接情報を伝えられることがD2Cの大きな特徴です。この情報伝達、つまりマーケティング戦略をどのように立てていくが最も重要であり、D2C運営のカギとなります。

  1. マルチチャネルでの情報発信

    複数のチャネル上で発信することでより多くの顧客に情報を届けることができます。

  2. 各チャネルでの顧客データを統合

    それぞれのチャネルで獲得した顧客データを統合することで、包括的なデータ分析が可能になります。

  3. 統合したデータをマーケティングに活用

    データを分析し次のコンテンツに適用したり、取得したデータを基にセグメント配信することが可能です。

D2C業界における近年の傾向

次に、D2C/ECの市場規模やどのような事業がD2Cに向いているのか、近年の傾向について紹介します。

D2C/EC市場規模について

D2Cと密接に関わるEC産業の市場規模について、経済省が2023年に行った電子商取引(EC)実態調査を元に要点をご紹介します。

2023年の日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は、22.7 兆円(前年比 9.91%増)に拡大しています。

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引用:電子商取引(EC)実態調査

また、EC 化率 は、BtoC-EC で 9.13%(前年比 0.35 ポイント増)と増加傾向にあります。

物販系分野の BtoC-EC 市場規模の内訳をみると、「食品、飲料、酒類」、「生活家電・AV 機器・PC・周辺機器等」、「衣類・服装雑貨等」、「生活雑貨、家具、インテリア」の割合が大きく、これらのカテゴリーが物販系分野の 73%を占めています。 EC 化率については、「書籍、映像・音楽ソフト」(52.16%)、「生活家電、AV 機器、PC・ 周辺機器等」(42.01%)、「生活雑貨、家具、インテリア」(29.59%)において高い値となっ ています。

中国・米国との比較

ECの市場規模を世界で見ると、中国が最も高く、次いで米国というような動態になっています。

特に中国は世界市場の半数近くを占め、EC技術が発達しているとされています。

一方、日本ではコンビニエンスストア文化が発達しているため、日用品の買いやすさの観点から、EC化率が世界平均と比べるとやや低い傾向にあると考えられています。

また、日本・米国・中国の 3 か国間における越境 EC の市場規模は、いずれの国の間でも増加しました。なお、中国消費者による日本事業者からの越境 EC購入額は 2 兆 2,569 億円(前年比 5.6%増)、米国事業者からの越境 EC 購入額は 2兆 7,499 億円(前年比 6.7%増)であり、昨年に引き続き増加しています。

越境EC購入額 伸び率
日本 3,954億円 6.1%
米国 2兆2,111億円 8.3%
中国 5 兆 68 億円 6.2%

表:日本・米国・中国 3 ヵ国の越境 EC 市場規模

どのような事業がD2Cに向いているのか?

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D2CとECは密接に関わっているため、食品、生活家電、衣類、生活雑貨など、EC市場規模の大きい分野においてはD2C事業拡大のチャンスがあると言えるでしょう。

また一方で、書籍、生活家電、生活雑貨など、特にEC化率の高い分野では競合も多く、数多くの企業の中から消費者に選ばれるために、優れたマーケティング戦略が必須であると考えられます。

次に、それぞれの業界別におけるD2C成功事例と近年の傾向を見ていきましょう。

業界別に見るD2C成功事例

EC市場規模が大きい分野/EC化率が高い分野で、実際に実践されているD2Cビジネスモデルの事例をご紹介します。

【食品/飲料】顧客のニーズに合わせて商品情報を提供する

まず初めに紹介するのは、厳選した有機食品や無添加食品、それらを用いた自炊キットを提供する企業での事例です。

もともと、仕事や家事など時間に追われて自炊ができなくても豊かな食生活を送れるようにと考案された自炊キットでしたが、新型コロナウイルス感染症蔓延に伴って増加した外出自粛のニーズに合わせてマーケティング展開がされました。

当時特に話題となったのは、YouTuberを始めとしたインフルエンサーがPR動画を配信するという方法です。このマーケティング戦略によって、視聴数を確保し認知度を高めるとともに、多数の視聴者のニーズに合う自炊/おうちごはんの手段として該当商品を提案することに成功しました。

【生活家電】卓越した顧客体験を重視・提供する

ある生活家電ブランドでは、顧客体験を重視したサービスを提供することによって、業界内での地位を確立しています。

実際、競合と比較してやや値が張る価格設定ではありますが、見た目のスタイリッシュさや機能性の面で評価され、主にトースターやケトルなど複数の家電が支持されています。

特に機能性においては、競合商品にはない観点から唯一無二の機能を提供することで消費者の心を掴むことに成功しています。

さらに商品製造に至った経緯を公式サイトに掲載するなど、顧客自身が実際に利用する時のことを想像させ、背景や商品の価値を密に伝えることで、消費者の信頼を勝ち取っているのです。

【生活雑貨】マルチチャネルでの発信と媒体に合わせたコンテンツを提供する

ある雑貨ブランドでは、顧客に寄り添ったコンセプトを基に商品を販売し、競合と一線を画すビジネス業態を展開してます。

その方法として特徴的なのは、YouTubeチャンネルでの短編映像やラジオ配信などユニークな配信方法です。特に、鑑賞しながら別の作業を行えるポッドキャストのような媒体はタイムパフォーマンスが重視されている現在、とても重宝されるコンテンツとなっています。

また、複数の媒体上でそれぞれのチャネルに適した配信を行なっており、ひとつ一つの質が高いのはもちろん、各SNSに合わせたコンテンツをつくることで、一貫した企業の想いをさらに多くの視聴者に届けることができます。

D2C / ECサイトの運用には「MAAC」がおすすめ!

株式会社クレッシェンドラボが開発したLINEオートメーションツールMAACの操作画面

D2Cを運用するにあたって、直接消費者に企業や製品の情報を届けることは最も重要な特徴です。

ここでは、ECサイトと相性の良いLINEマーケティングの活用についてご紹介いたします。

D2C×LINEマーケティングの強み

見込み顧客を獲得しやすい

LINEマーケティングでは友だち限定のクーポンを配布したり、ゲーム要素を取り入れた特典など、見込み客に対して訴求しやすいことが特徴です。

また、公式ホームページ内に友だち追加を促すウィジェットを設置するなど、既に商品に対して興味がある顧客に対しても呼びかけを行うことができるため、LINEマーケティングを活用することは、D2C運営をする上で効果的な顧客獲得方法の一つです。

LINE IDと会員情報を統合することでマーケティング戦略に活用できる

また、LINEのデータを連携することで、それぞれの顧客に合った情報を効果的に配信することができます。例えば、LINE上での行動や会員情報を元に分類されたカテゴリーや、分析された趣味などを活用し、セグメントとして設定、配信することができるのです。

他にも、ECサイト内で商品をカートに入れたが何らかの理由ですぐに購入せず、商品がそのまま入っている場合、一定の時間が経過した後、リマインド配信を行うことはカゴ落ち対策として有効な方法のひとつです。

「MAAC」が選ばれている理由

弊社が提供するLINEオートメーションツール「MAAC」では、ECサイトを運営する際に活用できるさまざまな機能をご利用いただけます。

  • オートマチックジャーニー
  • カゴ落ちリターゲティング
  • 友だち追加ウィジェット

「MAAC」でご利用いただけるその他の機能や、実際の導入事例については下記記事をご参照ください。

【導入事例】MAACで顧客とのコミュニケーションを強化

LINEを起点としたECビジネスの成功する3つの鍵

LINE公式アカウントの売上アップ!4つの施策をわかりやすく解説

D2Cに関するよくあるご質問

Q:D2Cとは?

A:D2Cとは「Direct to Consumer」の略であり、企業が消費者に自社製品を直接販売するビジネスモデルのことを指します。


Q:D2CとB2Cの違いは?

A:B2Cは企業が消費者に商品を販売することを指します。その中でも、D2Cは自社ECサイトやSNSなどを利用して直接商品を販売することを指します。


Q:D2Cに向いている製品は?

A:食品や生活家電、衣類など、ECサイトにて購入する人が多い分野の商品ではD2Cビジネス参入の余地があると考えられます。


Q:D2Cで商品を購入してもらうために重要なポイントは?

A:消費者に直接情報を届けられるということが最も画期的な特徴です。LINE公式アカウントを活用するなど、顧客にとって身近な方法で適切な情報を伝え、企業や製品の認知度や親近感を向上させることがポイントです。

Nae Saito

台湾在住のコンテンツマーケター