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【ミルボン導入事例|BtoB編】LINE活用を次のステージへ。MAACで実現するBtoBコミュニケーションの革新

Kokoro Tomita

目次

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    記事サマリー

    株式会社ミルボンは、LINE公式アカウントで築いたサロン(美容室)とのコミュニケーション基盤をさらに進化させるため、MAACを導入。手動でのタグ付けや画一的な情報提供といった従来の運用から脱却し、「リッチメニューのパーソナライズ化」や「24時間対応のシナリオ型自動応答」を実現することで、サロン満足度の向上と、さらなる営業効率化の両立を目指す。その戦略的な取り組みとMAAC選定の決め手に迫る。

    はじめに

    美容室向けヘアケア製品で国内トップクラスのシェアを誇る株式会社ミルボン。同社は、多くのBtoB企業と同様に、サロンからの問い合わせ対応において「営業担当を経由した複雑なコミュニケーションフロー」という課題を抱え、その解決策としてLINE公式アカウントの活用を進めてきました。

    しかし、基本的なLINE運用だけでは解決しきれない、より高度な課題が顕在化。この課題を乗り越え、サロンとの関係性を次のステージへ引き上げるため、同社はCRMツール「MAAC」の導入を決定しました。

    本記事では、MAACの導入によって、ミルボンのBtoBコミュニケーションがどのように進化しようとしているのか、その戦略的な取り組みの詳細を、デジタルマーケティングをご担当される岩田絵里様と西田洋介様(以下、敬称略)にお伺いしました。

    ※本記事はBtoB向けの活用事例です。エンドユーザー向けのBtoC活用事例はこちら

    導入前の課題:複雑化したコミュニケーションと、LINEネイティブ運用の「次の壁」

    MAAC導入以前、ミルボンは二つの大きな課題に直面していました。

    1. 複雑化したBtoBコミュニケーションフローの限界

    従来からの課題として、「サロン → 営業担当 → マーケティング部門」という複数の担当者を経由しなければならないプロセスが存在していました。

    • 対応スピードの遅延: 専門的な質問への回答が遅れ、サロンの迅速な問題解決を阻害。
    • 営業リソースの非効率配分: 本来の提案活動に割くべき時間を、問い合わせ対応に費やさざるを得ない状況。
    • 顧客体験における質の停滞: 解決までの時間とコストが増大し、特に夜間や営業時間外の対応が困難

    2. LINEネイティブ運用で見えてきた「次の壁」

    上記課題に対し、ミルボンはLINE公式アカウントを活用し、一定の営業効率改善を実現。とりわけ、リッチメニューへのマニュアル設置や、LINEでの問い合わせ導線確保は有効な一手でした。しかし、運用を続ける中で、LINEの標準機能だけでは超えられない、新たな3つの壁が見えてきました。

    • 手動タグ付けの限界: あいさつメッセージを活用したアンケートでサロン情報を取得していましたが、その後のタグ付けは手動。また、サロンの属性情報変更が発生した場合に追い切れず、最新のマスタを保持し続けることの困難さも重なり、運用に限界を感じていました。
    • 画一的な情報提供の限界: milbon:iDを解約したサロン様や、退職されたスタッフ様にもmilbon:iDの情報が提供され続けている状態でした。LINEネイティブ運用だけでは「必要な人に必要な情報だけ」を届けられず、最適化した情報提供が困難でした。
    • 営業時間外対応の限界: LINEの自動応答機能はキーワード応答が中心で、営業時間外の複雑な問い合わせには対応しきれず、LINE導入前と変わらず、営業担当へ直接連絡が入るケースが後を絶たず、時間外対応の負担は依然として残っていました。

    これらの「次の壁」を乗り越え、さらなる効率化とサロン満足度向上を実現するために選ばれたのがクレッシェンド・ラボのMAACです。


    LINE CRM導入の決め手:MAAC選定理由と期待効果

    MAAC導入の主な理由は、MAACが持つ以下のBtoBコミュニケーション最適化機能でした。

    • 1. 店舗・担当者単位での柔軟な情報管理: サロンコードと店舗名による正確な所属特定と、ブランド情報との自動紐づけが可能になる点。
    • 2. SurveyCakeとの外部ツール連携: アンケートツールで収集した顧客データを、手間なくMAACに取り込み、セグメント作成までを一元化できる点。
    • 3. 直感的な操作性による導入コスト削減: 複雑な設定を必要とせず、導入後すぐに主要機能を活用開始できる点。

    主にこれら3つのポイントが、スムーズかつ効率的な移行の決め手となりました。

    LINE活用マーケティングの高度化:MAACが実現する「3つのブレークスルー」

    MAAC導入は、これまでのLINE活用マーケティングを一気に次のステージへ引き上げるものでした。先日リリースされた新機能を活用し、ミルボンが実現しようとしている3つの「高度化(ブレークスルー)」をご紹介します。

    高度化1:手動から「完全自動へ」。高精度な顧客セグメンテーション基盤の構築

    • Before(LINEネイティブ): あいさつメッセージのアンケートを基に、スタッフが手動でタグ付けを行っていました。
    • After (with MAAC): アンケートツール「SurveyCake」で収集したサロン情報と、MAACで保有する最新のブランド情報を自動で突合し、正確なタグを全自動で付与する仕組みを構築
    • 期待される効果: これにより、これまで大きな負担であったタグ付けの運用工数が軽減されます。さらに、ヒューマンエラーを撲滅し、今後のブランド構成変更にも柔軟に対応できる、高精度で効率的な顧客管理基盤が実現します。

    高度化2:画一的から「パーソナライズへ」。サロン毎に最適化されたリッチメニューの実現

    • Before(LINEネイティブ): 友だちになったすべての方に同じ情報の発信をしていました。限られた情報(よくある質問)しか掲載できておらず、必要な情報を見つけにくい場合がありました。
    • After (with MAAC):自動付与されたタグに基づき、特定のサロン(milbon:iD出店サロン) にだけ表示されるリッチメニューを動的に出し分けすることが可能に。
    • 期待される効果: サロンは自分に関係のある情報だけにすぐにアクセスでき、UX(顧客体験)が飛躍的に向上します。まさに「必要な情報を、必要な人にだけ届ける」という理想的なコミュニケーションが実現し、エンゲージメント強化に繋がります。

    高度化3:時間内対応から「24時間365日対応へ」。シナリオ型自動応答による営業負荷の抜本的改革

    • Before(LINEネイティブ): 営業時間外にきた質問は、簡易的な自動応答しかできず、翌営業日の対応になるか、急ぎの場合は営業担当へ直接連絡が入っていました。
    • After (with MAAC): MAACの高度なシナリオ機能を活用し、営業時間外でもユーザーが対話形式で疑問を自己解決できる自動応答システムを構築。
    • 期待される効果: この仕組みにより、受付時間外であってもサロン様がシナリオを通じて必要な情報に自力でたどり着けるようになり、疑問を即座に解決できるため、顧客満足度の低下を防ぐ効果が期待できます。 そして、ユーザーが自動応答で自己解決できるようになることで、担当営業の時間外の負担を抜本的に軽減することに繋がります。

    「営業担当が本来の提案活動の時間を担保するため、そしてmilbon:iDに関わる専門的な質問や問い合わせをダイレクトに運営に届かせ対応していくため、LINEの活用をスタートさせました。MAACによるこれらの『進化』は、その流れをさらに加速させ、営業担当の生産性とサロン様の満足度を、もう一段高いレベルで両立させるものだと期待しています。」(ミルボン岩田様・西田様)

     

    今後の活用計画:AIのさらなる活用と自己解決率の向上

    これらの基盤の上で、ミルボンはさらなるコミュニケーションの高度化を見据えています。

    「今後は、個別チャットを減らし、自動配信やシナリオ配信でなるべく自動化を進め、サロン様が分からない点を自己解決に繋がる仕組みをさらに強化したいです。サロン様は早く知りたいと望むユーザーが多いので、それに応えたいですね。」(ミルボン岩田様・西田様)

     

    具体的には、FAQやトレンドの質問リストをベースとしたAIチャットボットの段階的な導入を検討。基本的な質問への即時回答により、さらなる効率化と、より複雑な相談にスタッフが集中できる環境を目指しています。

    BtoB企業のLINE活用における成功要因とMAACの価値

    ミルボンの事例は、MAACがBtoB企業のLINE活用をどう進化させるかを示しています。

    オペレーション効率の最大化: 手動作業を自動化し、営業担当を問い合わせ対応から解放することで、売上に直結するコア業務への集中を可能にします。

    顧客体験(CX)の飛躍的向上: 24時間対応の自己解決システムと、パーソナライズされた情報提供により、顧客満足度を大幅に改善します。

    データドリブンな意思決定基盤: 蓄積されたデータを基に、より効果的なコミュニケーション施策を立案するPDCAサイクルを加速させます。

    スケーラブルな成長基盤: 将来的なビジネス成長や顧客ニーズの変化にも柔軟に対応できる、拡張性の高いシステムを構築します。


    美容メーカー・BtoB企業の皆様へ

    ミルボンのように、複雑なBtoBコミュニケーションフローの改善と営業効率化を両立させたいとお考えの企業様、LINE CRMツールMAACを活用したデジタルコミュニケーション改革を検討されてみてはいかがでしょうか。

    業界を問わず適用可能な成功パターンとして、以下の企業様に特におすすめします:

    • 営業担当経由の技術的問い合わせが多い製造業
    • 代理店・パートナー企業との密なコミュニケーションが必要な商社
    • 専門知識を要する問い合わせ対応が多いSaaS・IT企業
    • 24時間対応ニーズがあるBtoB事業者

    ▼ 株式会社ミルボンについて

    美容室向けヘアケア製品および化粧品のリーディングカンパニーとして、サロン専売品の開発・販売を展開。「美容室とエンドユーザーをつなぐ架け橋」としての役割を担い、「Aujua(オージュア)」「LASSICAL」などの多様なブランドを展開しています。ECサイト「milbon:ID」では、美容室が出店するプラットフォームとして、サロンとエンドユーザーの関係を深めるビジネスモデルを構築しています。

    ▼ MAAC(マーク)とは

    クレッシェンド・ラボが開発・提供する、AIを活用したLINEマーケティングCRM(顧客関係管理)・MA(マーケティングオートメーション)ツールです。LINE公式アカウントの友だち獲得から顧客育成、コンバージョン促進までを支援します。

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