この記事で話を聞いた人
株式会社CDG デジタルマーケティング部長 二瓶 竜太 氏。1999年に前身の株式会社クリエートへ営業として入社し、約20年にわたり販促ノベルティの企画営業に従事。2011年頃からデジタル活用を推進し、2017年にLINE販促特化型プラットフォーム「SP CONNECT」を業界に先駆けて開発。以降、LINEを活用したプロモーションを数多く手がける。聞き手はクレッシェンドラボ日本支社統括・猪股唯耶。
LINE運用に携わるBtoB企業の担当者の中には、「友だちがなかなか増えない」「キャンペーン後にすぐブロックされてしまう」といった課題を抱えている方も多いのではないでしょうか。本記事では、そのお悩みを解決し、運用を成功に導くための友だち集客・キャンペーン設計・ブロック対策の具体的なノウハウを、プロの事例を交えてお届けします。より基礎から押さえたい方は、あわせてLINE公式アカウント運用の基本ガイドもご覧ください。
LINEキャンペーンにはどんな成功事例がある?
代表的な成功事例が、健康系飲料メーカーの「LINEポイント×マイレージ」キャンペーンです。対象商品の二次元コードを読み込むと1本につき1マイルが貯まり、5マイルでLINEポイント50ポイントを獲得できる仕組みで、第2弾・第3弾と継続実施。毎回参加するリピーターを多数生み出し、飲用の習慣化まで実現しました。

対象ペットボトルの二次元コードを読み取り、マイルを貯めてLINEポイントに交換する店頭販促キャンペーンの事例。
二瓶:これが好評で第2弾、第3弾と継続的に展開したのですが、中にはキャンペーンに毎回参加してくれるユーザーも多数いらっしゃいました。毎日継続的に飲むと効果が見込める、飲む習慣づけを推奨する商品だったので、マイレージキャンペーンとの相性がよかったというのはあります。
ポイントを配るだけで終わらせなかったのも成功の理由です。LINE公式アカウントで、参加者にキャンペーン終了日のリマインドや次回告知を配信し、リッチメニューからは自分の体調を記録できるセルフモニタリングサービスを提供。こうして「習慣づけ」を後押しし、ユーザーが離脱しそうなタイミングでは継続を促すプッシュ通知を送り、離脱防止にもつなげました。

LINEポイントは「50ポイントでLINEスタンプが買える」など、少額でも幅広い年齢層に喜ばれる景品になりやすい。
二瓶:他のポイントだと「たった50円分か」とがっかりされがちですが、LINEポイントなら10ポイントや20ポイントなど少額でも欲しいというLINEユーザーが多いので、LINEポイントを用いたキャンペーン採用事例は今も多いです。景品にLINEスタンプやポイントを絡めると、LINEクーポンの作り方と組み合わせて店頭・オンライン双方で使いやすくなります。
なぜ企業はLINE公式アカウントを使うべき?
LINE最大の価値は、友だちになった後も「つながり続けられる」ことです。他のSNSはタイムラインで情報が流れてしまいますが、LINEはユーザーと1 to 1で直接つながる邪魔されない空間を持てます。過去のメッセージもさかのぼれ、リッチメニューを起点に情報のポータルとして使えるため、単なるSNSよりオウンドメディアに近い感覚で運用できます。

図4:LINEは「ストック型メディア」。感度の高い既存の友だちに新しいキャンペーンを届けられる点が、毎回新規で広告を打つより効率的だ。
二瓶:最初は「リーチが多そうだしやってみたい」というマス的な考えの企業様が多く、1 to 1でつながり続けられる部分に魅力を感じている企業様は少ないです。ただ、普段は静かでもキャンペーンの時だけ活発になるアカウントも、必ずしも悪いことではありません。毎回新規でWeb広告を打つよりも「前回キャンペーンに参加してくれた感度の高いユーザー」へ新しい情報を届けられるので、当然反応はいいわけです。「ストック型のメディア」としてLINE公式アカウントを育てる、という感じでしょうか。
ちなみにLINEはユーザーが9,900万人以上(※2025年6月末時点、LINEヤフー調べ)と、年齢を問わず使われているのも企業にとって魅力です。
LINEの友だちを増やすにはどうすればいい?
最も効果的なのは、販促キャンペーンの参加条件に「友だち追加」を組み込むことです。全国規模のナショナルキャンペーンなら、一度で数十万人の新規友だちを獲得できることもあります。店頭では見落とされがちなPOPよりも、商品にQRコードを貼って持ち帰り先で参加してもらう導線の方が、圧倒的に効果的です。

図商品に貼ったQRコードは、店頭POPより持ち帰り先での参加を促しやすく、友だち集客の主力導線になる。
二瓶:ズバリ、販促キャンペーンの実施です。仮に年に3回、4回と継続して弊社に販促キャンペーンをお任せいただくことで、友だち数を100万人に到達させることも可能な場合があります。なので「まず店頭キャンペーンで友だちを集めましょう!」と提案させていただくことが多いです。
注意点は、LINE担当と店頭販促担当が別部門だと、店頭とLINEの連動ができないケースがあること。せっかく店頭で購入してくれるお客様を友だちにしないのはもったいないので、部門をまたいだ導線設計が重要です。
キャンペーンで集めた友だちのブロックを防ぐには?
キャンペーンで集めた友だちのブロックを防ぐには、「友だちであり続けるメリット」を設計しておくことが不可欠です。特に効果的なのが、登録直後に配信するアンケートを「初期設定」と位置づける手法。「あなたに最適な情報を届けるための初期設定」と伝えることで、企業側の一方的な情報収集ではなく、ユーザー自身のメリットとして受け止めてもらえます。
二瓶:外食チェーン様で、店頭でのQRコード読み取りと友だち登録でLINEスタンプをプレゼントする施策を行った際、友だち登録直後にアンケートを配信しました。ただ「アンケート」と聞くと面倒なイメージを持たれがちなので、「お客様に最適な情報をお届けするための『初期設定』として、情報を教えてください」という言い方をしたんです。
この「初期設定」は、LINE公式アカウントのリサーチ(アンケート)機能で無料で実装できます。よく利用する時間帯・目的・好きな食べ物などを聞き、パーソナライズ配信の基盤をつくることで、当初スタンプ目的で登録した友だちの解除やブロックの抑制に成功しました。実際の作成手順を見てみましょう。

図6:ステップ1|LINE Official Account Managerにログインし、メニューから「リサーチ」を開いて新規作成を始める。

図7:ステップ2|リサーチ名・回答期間・メイン画像を設定し、「初期設定」として聞きたい項目(利用時間帯・目的・好みなど)を用意する。

図8:ステップ3|回答完了後のサンクスページで、クーポンなどの特典を案内する。回答するとお得、という体験がブロック抑制につながる。
あわせて、常設で「レシートのアップロードでポイントがたまる」など、つながっていれば継続的にお得だと訴求しておくのも有効です。リッチメニューに毎日チャレンジできる抽選やメンバーカード表示機能を置き、「楽しい」「便利」というイメージを持ってもらうことも、友だちでい続けてもらう重要なポイントになります。ブロックの数値を下げる具体策はブロック率を下げる方法もご参照ください。
成果につながるLINE運用のKPIと費用対効果の考え方
うまくいっている企業に共通するのは、LINE公式アカウントのKPIや目標設定が明確で、売上につながる設計になっている点です。EC・通販なら当たり前ですが、オフラインでも配信ごとのコンバージョンや来客数、キャンペーン参加者数をKPIに置くと運用が安定します。

図9:ショップカード機能で「パフェ1つでスタンプ1個、3個で割引クーポン」のように、リピーター数やクーポン利用者数を追える設計にするのがコツ。
二瓶:LINEは配信ごとに通数費用がかかりますので、だからこそ費用対効果をクリアにさせる必要があると思います。費用対効果を把握してしっかり取り組めば、目標達成をしやすいツールです。逆に「ファン度を高める」などの曖昧で数値化しづらい目標を掲げたり、なんとなく友だち全員へ配信したりする運用は、効果が見えにくく、うまくいきづらい傾向にあります。
下の表は、二瓶氏の話から整理した「成果が出る運用」と「つまずきやすい運用」の違いです。
|
観点 |
成果が出るLINE運用 |
つまずきやすいLINE運用 |
|---|---|---|
|
目標設定 |
CV・来客数・参加者数など数値化されたKPI |
「ファン度を高める」など曖昧な目標 |
|
配信対象 |
セグメントを絞った一点集中配信 |
なんとなく友だち全員へ一斉配信 |
|
友だちの集め方 |
販促キャンペーンを参加条件に大量獲得 |
導線がなく自然増を待つ |
|
ブロック対策 |
初期設定・常設特典で継続メリットを設計 |
キャンペーン後は放置 |
|
費用の考え方 |
通数費用を費用対効果で管理 |
どんぶり勘定でコスト感が不明確 |
LINE運用を次のレベルへ:セグメント配信とMAACでROIを最大化する
LINEの基本機能でもセグメント配信は充実していますが、リアルな対話データに基づく無駄のないパーソナライズ配信まで踏み込むと、コストのコントロールがさらにしやすくなります。ターゲットを絞った一点集中配信は、通数費用を抑えながら反応率を高める王道です。
二瓶:クレッシェンドラボさんのMAAC・CAAC・DAACが連携したマルチチャネルエコシステム(マーケティング・営業・サービスの一元化)などを活用すれば、リアルな対話データに基づき無駄のないパーソナライズ配信が可能になるため、コストのコントロールは比較的しやすくなってきています。

図10:MAACなら、アンケートやキャンペーンで得た情報を一人ひとりのプロフィールとして蓄積し、その人に合ったOne to One配信に活用できる。
実際の成果イメージは、多慶屋のLINE×OMOの事例が参考になります。友だちを増やすだけ・配信を増やすだけにコストをかけるのではなく、売上に直結する顧客資産へと変換していく発想が、ROIを伸ばすLINE運用の分かれ目です。AI時代の顧客コミュニケーション設計をよより深く学びたい方は、AI活用のeBook(無料)も参考になります。
LINE運用で悩む企業へ:プロからのメッセージ
二瓶:LINE公式アカウントをメディアとして捉える企業様は多いですが、メッセージを配信することばかりを考えるのではなく、ユーザーにとってメリットがある場にしていくというマインドで運用するのがいいと思います。「友だちになってくれた方々にお得、便利、楽しい、を感じてもらえるアカウントはどんなものか?」を考え抜いたうえで設計することをお勧めします。

図11:「お得・便利・楽しい」をユーザーに感じてもらえるアカウント設計こそ、LINE運用成功のカギ。
「LINEだけ」では実現できない「お得!」「便利!」「楽しい!」という顧客体験を、IPやリアルと掛け合わせて実現していく。これがCDGの目指すLINE活用の姿です。
株式会社CDGについて
店頭からオンラインまでをつなぐプロモーショナル・マーケティング(IP×デジタル×リアルを軸としたマーケティング領域)の企画立案・実施をはじめ、幅広い販促ソリューションサービスを提供。消費者起点で立案・実施する効果の高いソリューションは、各業界のトップブランドを含む21業種以上の企業に導入。1974年大阪で創業、2022年12月度連結売上高8,044百万円(9ヶ月の変則決算)、グループ従業員数271名(2022年12月末現在)。東証上場(証券コード2487)。公式サイト:https://www.cdg.co.jp
まとめ:LINE運用を成功させ、売上につながる顧客資産を築く
本記事では、友だち集客からブロック対策、費用対効果を高める運用設計まで、LINE公式アカウントを成功に導く具体的なノウハウを、プロの事例とともに解説しました。ポイントは、キャンペーンで友だちを集め、「初期設定」や常設特典で継続メリットを設計し、KPIと費用対効果で運用を回すこと。この3点が揃うと、LINEは「ストック型メディア」として育っていきます。
一方で、実際の運用では「取得したデータがバラバラで活用しきれない」「一斉配信ばかりでROIが改善しない」という壁にぶつかる企業も少なくありません。クレッシェンドラボは、LINEを中心にマルチチャネルを統合するAIコミュニケーションクラウド(MAAC/CAAC/DAAC)を提供し、AIの力で顧客データを売上に直結する顧客資産(Living Assets)へと変換。無駄のないパーソナライズ配信でROI成長を支援します。
自社のLINE運用を次のレベルへ引き上げたい方は、まずはMAACの資料をダウンロードいただくか、お気軽にお問い合わせください。
よくある質問(FAQ)
LINEキャンペーンで友だちを一気に増やす方法は?
最も効果的なのは、販促キャンペーンの参加条件に「友だち追加」を組み込むことです。全国規模のナショナルキャンペーンなら一度で数十万人、年3〜4回の継続実施で100万人規模の友だち獲得も可能な場合があります。店頭POPより、商品に貼ったQRコードで持ち帰り先での参加を促す導線が効果的です。
キャンペーン後にブロックされないようにするには?
「友だちであり続けるメリット」を設計することが重要です。登録直後のアンケートを「初期設定」と位置づけて配信し、パーソナライズの基盤をつくること、常設で「レシートのアップロードでポイント」などのお得を用意すること、リッチメニューに抽選やメンバーカードを置いて「楽しい・便利」を感じてもらうことが有効です。
LINE公式アカウントの「初期設定」アンケートとは何ですか?
友だち登録直後に配信するアンケートを、「あなたに最適な情報を届けるための初期設定」と伝える手法です。「アンケート」より心理的ハードルが低く、回答率が上がります。LINEのリサーチ機能で無料実装でき、利用時間帯・目的・好みなどを聞いてパーソナライズ配信に活用します。
LINE公式アカウント運用のKPIには何を設定すべき?
配信ごとのコンバージョン、来客数、キャンペーン参加者数、クーポン利用者数、リピーター数など、数値化できる指標を設定します。LINEは配信ごとに通数費用がかかるため、費用対効果を明確にすることが成果の分かれ目です。「ファン度を高める」など曖昧な目標は避けましょう。
LINEの費用対効果を高めるにはどうすればいい?
友だち全員への一斉配信ではなく、セグメントを絞った一点集中配信に切り替えることです。基本機能でもセグメント配信は可能ですが、MAACなどでリアルな対話データに基づくパーソナライズ配信を行うと、通数費用を抑えつつ反応率を高め、ROIをコントロールしやすくなります。
| ■株式会社CDGについて 店頭からオンラインまでをつなぐプロモーショナル・マーケティング(IP×デジタル×リアルを軸としたマーケティング領域)の企画立案・実施をはじめ、クライアント企業の営業促進に向けた幅広い販促ソリューションサービスを提供。消費者起点で立案・実施する効果の高いソリューションは、各業界のトップブランドを含む21業種以上の企業に導入いただいている。1974年大阪で創業、2022年12月度連結売上高8,044百万円(9ケ月の変則決算)、グループ従業員数271名(2022年12月末現在)。大阪本社とともに、千代田区有楽町に東京本社を構える。東証上場(証券コード2487)。 公式サイトhttps://www.cdg.co.jp |
クレッシェンド・ラボ 編集部
LINEマーケティング、CRM、AIを活用した顧客コミュニケーションをテーマに、現場で使える実践ノウハウと最新トレンドを発信しています。日本・アジア800社以上の支援実績と、MAAC・CAACをはじめとする自社プロダクトで培った知見をもとに、LINE公式アカウントの運用やセグメント配信、顧客データ活用、AIカスタマーサービスまで、成果につながる情報をお届けします。