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【プロに学ぶ】LINE公式アカウント運用成功のカギ #8

インタビュー • 2024/05/02 17:46:57 • Written by: Tomona Hamada

デジタル・マーケティングのフルサービスを伴走型で提供されているクリエイティブテック・エージェンシーTAMグループ(以下「TAM」)。今回は、その子会社TAMSANの代表取締役を務める二階堂仁さん(以下敬称略)に、LINE公式アカウント運用支援の事例や運用時の注意点などをクレッシェンドラボ日本支社統括・猪股唯耶が伺いました。

1.「共創パートナー」として伴走型のDX支援を強みとするTAM

── まずは自己紹介をお願いします。

二階堂大阪で基幹系システムのエンジニアを経験後、東京のWeb制作会社に転職し、Webディレクターを10年以上務めました。独立後、大規模Webサイト開発、クラウド連携開発を多数経験したのち、現職のTAMに入社いたしました。現在は、TAMSANという子会社の代表取締役として、主にクラウドサービス連携開発に携わっています。

 

TAMSAN代表取締役の二階堂
── 現在のTAMのサービス領域について教えてください。

 

二階堂:はい。私たちTAMは、お客様のサービス開発からリサーチ、企画、デザイン、運用、さらにマーケティングまで、デジタル戦略のすべてを伴走型でサポートしています。

現在私が代表を務めているTAMSANは、2012年にシンガポールを拠点に設立された子会社で、Salesforce Sales CloudやkintoneなどのCRM導入支援を主に行っています。クラウドサービスの多くは海外製で、グローバル展開されていることが多いという背景から、シンガポールの他に東京と大阪にもクラウドサービスの連携開発体制を用意しています。それにより、日本とアジア間のコミュニケーションがスムーズになる上、それぞれのローカライズにも対応することができます。

── 御社の海外事業についてもお聞きしてよろしいでしょうか?

二階堂:まず台湾拠点では、日系企業のサポートや、現地の製品の現地のデジタルマーケティングのサポートなどを行っています。ロンドンやアムステルダムなどの他の海外拠点も事業内容は基本的には同じですが、ロンドンはどちらかというと編集者が多く、様々な有名ブランドの記事を現地用に作成しています。アムステルダムはUXデザインに強いのが特徴です。

2. LINE APIを活用したLINE運用支援事例

── 御社はLINE事業にも携わられていますが、始められた背景を教えてください。


二階堂:LINE事業は3年ほど前に始めました。当時、とあるメディア業界のお客様のSNSやクリエイティブ等の配信内容の作成を行っていました。そのお客様が、新番組が始まる際に、番組の内容を題材にした謎解きキャンペーンを企画し、謎解き作成の専門業者と協力して冊子で行っていたそうです。ただ、デジタル化が進む中でスマホでも謎解きができるようにしようということになり、LINEを使った謎解きを開発できる会社として、当時すでに関わりのあった私たちにお声がけいただきました。その時に初めてLINE APIを使用したのがきっかけで、弊社のLINE事業がスタートいたしました。

── 謎解きをきっかけにLINEの案件が増えていったんですね。他にはどのようなLINE事業をされていますか?


二階堂:はい。弊社はどちらかというと開発に力を入れていますが、運用のサポートをさせていただくこともあります。やはりLINE運用担当者の方が他の部署と兼任されているケースが多いため、LINEの仕組みへの理解が十分ではなく、うまく活用できていない場合もみられます。

弊社は、そんなLINE運用でお困りの企業に対して、「どんな」コンテンツを「いつ」「誰」に配信するかを設定するサポートや、次のステップとして「こういう風なアプリケーションを作りましょう」などの提案までさせていただいています。

── 今まで開発されたものはどのようなものがありますか?


二階堂はい。Messaging APIを使った、LINEのトークルーム上の遊びのコンテンツを開発しました。先ほどの謎解きがその一例です。トークルームのボットで行う謎解きも開発経験があります。 また、謎解き以外ですと、​​GPSを使ってチェックイン機能を実装し、実際の行動履歴を取得したり、レシートから読み取った購買情報をマーケティングに活用する企画などを行いました。

── わざわざLINEを使用するということは、友だち登録をしてもらい、それ以降に繋げたいという意図があるということでしょうか?

 

二階堂はい。自治体でも毎年行われる企画ではLINEで前回参加者に新企画が始まったことを案内し、継続的な参加につながっています。また、アプリ内でもアンケートを収集するなど積極的にお客様の声を活かせる仕組みにしています。

二階堂と猪俣が話している

──なるほど。御社のLINE運用支援に関して、他社と差別化されている点はありますか?


二階堂:TAMの強みは対応力の高さや伴走型の支援をとっている点だと考えています。 例えば、私たちは最初のUXの部分から噛み砕いて、お客様と伴走しながらプロジェクトを進めていく形をとっています。良い意味で「システム会社らしくない」フレンドリーな対応は、実際にお客様からもご好評いただいております。

── それはやはり二階堂さんが技術出身でディレクター歴が長いという前提があるからなのでしょうか?


二階堂:それも理由の一つとしてあるかもしれませんが、やはり会社全体でお客様の立場に立った視点での支援を心がけているという点が大きいと思います。お客さんのエンドの実際に使う人にどう良い結果が生まれるかということを考えながら物事を考えたり、デザインを作ったりするようにしています。

3. 意外と知られていないLINE公式アカウントの利用価値

── 開発を中心にLINE運用の支援をされている御社ですが、LINE公式アカウントの最大の利用価値は何だとお考えですか?


二階堂:やはり利用者が幅広いということだと思います。世代を問わず老若男女が使っているアプリなので、ビジネス活用しない手は無いと思います。また、アプリを新規でインストールしてもらう必要も無く、かつ1対1のメッセージやコミュニケーション、さらにそれらの行動のログも取れるという点もLINEの大きな強みだと考えます。また、他のSNSと異なりAPIもしっかり解放されているため、開発者視点でも非常に提案しやすいプラットフォームだと考えます。

── そのようなLINE公式アカウントの利用価値に気づいていない企業も多いですか?


二階堂:おっしゃる通りです。企業の方も、LINEと聞くと普段使っているチャットアプリというイメージが強く、それ以外にできることをよく知らないという方が多いため、ビジネス利用と個人利用のギャップが大きいと感じています。

また、LINE公式アカウントのメッセージ配信にかかるコストを懸念されている方も多いですが、工夫次第で配信コストを削減することが可能になるという点もあまり知られていません。例えば、先ほどの謎解きの企画では、自動応答をメインの機能として使っていたため、一斉配信にかかる配信コストは実はあまりかかっていないんです。私たちはこのように、開発費はかかるものの、ランニングコストがかからない仕組みで開発するように意識しています。

── LINE公式アカウントの運用において、御社の支援が入ることによって加えられる付加価値とは何だとお考えですか?

クレッシェンドラボ日本支社統括の猪股

二階堂:LINE公式アカウント活用のアイデアの幅を広げられる点だと考えています。例えば、*LIFFアプリを立ち上げると、ユーザーの行動ログを取ることができますが、このような機能は意外と知られていません。Webサイトだと、会員登録をして初めてユーザーを特定しますが、LINEだと友だち登録だけで個人を特定することができるため、LIFFアプリを普通に遊んでいるだけで行動履歴の追跡が可能になります。

さらに、追跡した行動履歴を元に個人の趣味嗜好に合わせたメッセージを配信する仕組みを作ることも可能になります。このように、LINE公式アカウントは活用方法次第でその可能性を広げることができます。私たちの強みは、そのような活用アイデアを最大限広げるサポートができるという点です。

*LIFF(LINE Front-end Framework):LINEが提供するウェブアプリのプラットフォーム。このプラットフォームで動作するウェブアプリをLIFFアプリと呼ぶ。

4. LINE運用で悩む企業へメッセージ

── 最後に、LINEを上手く活用できているお客様に共通している特徴を教えてください。


二階堂:好奇心を持って積極的にアイデアを出したり、出したアイデアを採用するスピードが早い企業は上手く活用できていると感じます。LINE公式アカウントでできることは意外と多いため、好奇心を持って色々アイデアを出していただくことで、LINE活用の幅は格段に広がります。

さらに、私たちをチームのメンバーとして受け入れて下されば、より伴走型の支援が可能になるので、LINEのさらなる効果的な活用に繋がると思います。

──ありがとうございました!

 

■株式会社TAMについて
お客さまと共に製品・サービスの新しい価値を共創し、制作・開発のモノづくりから、マーケティング、現場運用まで伴走型で支援をされているクリエイティブテック・エージェンシー。サンフランシスコ、ロンドン、シンガポール、台湾、アムステルダムにも拠点を置くなど、積極的に海外展開されています。
公式サイトhttps://www.tam-tam.co.jp/

 

インタビューをさせていただいたコワーキングスペース。

 

TAMSANのコワーキングスペース

Tomona Hamada

Content Marketer @Japan