目次
今回のプロフェッショナルのご紹介
企業のデジタル領域におけるダイレクトマーケティングを支援するマーケティング企業、株式会社ワンスター(以下「ワンスター」)。
今回は、LINEビジネスソリューション本部 本部長の大内真吾さん(以下敬称略)に、LINE公式アカウント運用でF2転換率とLTVを高めるためのマインドセットや注意点を、クレッシェンドラボ日本支社統括・猪股唯耶が伺いました。CPAが上昇し続ける今、初回購入で終わらせず「2回目」につなげるF2転換の考え方は、あらゆるD2C・サブスク事業のヒントになるはずです。
F2転換率とは?なぜLTV向上の最大のカギなのか
F2転換率とは、初回購入した新規顧客のうち、どのくらいが2回目の購入に至ったかを示す指標です。1回目は買ってくれても2回目につながらない企業は多く、サブスクモデルのLTV課題の中でも最も大きいのがこのF2の壁です。F2転換率を高めることは、そのままLTV(顧客生涯価値)の向上に直結します。
ワンスターの大内氏は、営業マネジメントを経てLTV向上サービスの開発に携わり、メールやLINEなど様々なチャネルを検証してきました。
大内:メールだといくらブラッシュアップしても微々たる改善にしかならなかった一方で、LINEでシナリオ設計をして配信すると効果が純増していくことがわかり、LTVを改善するならLINEというチャネルはものすごいパワーを持っているな、と確信するようになりました。
大内:認知や獲得等に強い様々なメディアが存在しますが、日本において認知から獲得、CRMまでのフルファネルを1つのメディアで対応できるのはLINE公式アカウントしかないということもわかりました。そこからLINE専門の「LINEビジネスソリューション本部」を立ち上げ、サービスづくりに全振りして今に至ります。
初回購入者を2回目につなげる考え方や、F2転換率とLTVの関係をより体系的に整理したい方は、LTV(顧客生涯価値)とは何か・計算方法の解説記事や、リピーターを増やす施策もあわせてご覧ください。
CPAが上がり続ける今、なぜLTVがニーズになっているのか
広告の獲得単価(CPA)が上昇する局面では、新規獲得だけに依存する成長は難しくなります。だからこそ、一度つながった顧客のLTVを引き上げる発想が重要になります。
── LINEビジネスソリューション本部には、どのようなニーズが寄せられますか。
大内:業種を問わずCPAが上がってきている中で、どうにかしてLTVを上げたいというのがニーズとして強いです。LINEに限らず全体的にLTVを改善したいが、1つのブレークスルーとしてLINEをやりたい、というイメージです。
── CPAが上がってきている理由には何が挙げられますか。
大内:要因は2つあります。1つは長期的な観点で人口減少する日本のマーケットにおいては、新規のお客様獲得が厳しくなり続けるという背景があります。2つ目は、WEB広告においてトレンドとして年々CPCが上昇しているため、獲得効率(CPA)を維持することが難しくなってきています。
LINEでF2転換率を上げるには?サンクスページと友だち登録がカギ
LINEでF2転換率を上げる起点は、購入直後のサンクスページです。友だち登録のメリットをはっきり提示してID連携を促し、その後シナリオ配信で関係を育てます。友だち登録率が倍になれば、その後の効果は倍以上に伸びるため、サンクスページの作り込みが成果を左右します。
大内:LINE公式アカウントのソリューションは大きく2つあります。1つはF2転換に絞ったソリューションです。サブスクモデルのLTV課題の中で最も大きい課題がF2にあることが多いためです。具体的には、サンクスページ等から友だち登録・ID連携を促し、シナリオを配信していき、F2転換率を高めるための施策立案・実行支援をしています。
大内:例えばD2Cでは購入後は必ずサンクスページに飛ばすので、どのようなページであれば友だち登録しやすいのかをABテストします。多くの企業様が友だち登録ボタンをただ置くだけになりがちですが、それでは効果は期待できません。友だち登録率が倍になるだけで、その後の効果は倍以上になってくるので、どれだけサンクスページを作り込むかがかなり重要になってきます。
── サンクスページ作成の一般論的なアドバイスはありますか?
大内:大前提として覚えていてほしいのが、「友だち登録メリットがはっきり書かれているか」ということです。当たり前のことのように聞こえますが、実際はこれができていない企業様がかなりいらっしゃいます。メリットの例としては、割引クーポンやお得な情報配信などがあります。中には友だち登録で配送日の変更ができるようになる、というユニークかつ魅力的なメリットを提供している企業様もいらっしゃいます。「LINE限定オファー」「LINE限定クーポン」など、LINE友だち限定であることを強調することもポイントです。
登録後のシナリオを顧客の状態に合わせて出し分けるには、セグメント配信の考え方を押さえておくと効果が高まります。
LINE公式アカウントのフルファネル活用とは?認知〜獲得〜CRMを1アカウントで
フルファネル活用とは、認知・新規獲得・CRMまでを1つのLINEアカウントで一気通貫に行う運用です。LINE公式アカウントに登録しているユーザーは、登録していないユーザーよりLTVが約1.2倍高くなる傾向があり、フルファネルで取り組むことで成果が最大化します。

図2:認知から新規獲得、CRMまでを1アカウントで担うLINEのフルファネル活用イメージ
大内:もう1つのソリューションは、LINE公式アカウントを活用したフルファネル支援です。認知・新規獲得・CRMまで1アカウントで全てを行います。認知であればLINEスタンプやCPF広告、LINEのポイントキャンペーン等の企画実行を行いますし、新規獲得〜CRMであればMAACのような配信ツールをつなぎ込み、新規顧客と既存顧客で配信内容を変えたり、顧客属性に合わせた配信を行っています。
── 200社以上を支援されてきた実際の成功事例はありますか。
大内:1年以上継続的に取り組んでいる広告主様で、LINE経由の売上がメールの8倍になった事例があります。年2回スタンプ等の大型集客を実施し、集客→新規獲得→CRMの導線を、セグメントとクリエイティブを合わせて設計することで効果の最大化につながりました。既存顧客には休眠向けやポイント未利用者向けの配信を、新規顧客にはアクセスログや開封後日数に応じたリターゲティング配信を行うなど、お客様に合わせた配信の重要性を改めて感じた事例です。
こうしたフルファネルの配信設計は、LINEマーケティングプラットフォーム「MAAC」のようなツールで実現できます。実際のLINEマーケティングの成功事例もあわせてご覧ください。
LINE最大の活用価値は「顧客リストの集約による客単価向上」
大内氏が語るLINE最大の活用価値は、顧客リストの集約と、それに伴う客単価の向上です。継続的に情報を届けてアプローチし続けられることが、LINEというチャネルの本質的な強みです。
大内:客単価を上げるためには継続的に顧客に情報を送りアプローチし続けることが大事ですが、LINEは顧客リストの作り込みや既存顧客の囲い込みを効果的に行えます。メールは効果が出にくくなっている状況ですし、9,500万人が使うLINEを活用して友だちを集め、新しい情報を届けて啓蒙し、客単価を上げていくというのが一番いいやり方だと考えています。
セグメント配信で客単価を伸ばす具体的な設計は、無料のセグメント配信実践eBookで手順を確認できます。
LINE公式アカウント運用でよくある落とし穴とは?
運用でつまずきやすいのは主に2点です。1つは「データの利活用」で、どのデータを何のために使うのかが曖昧なまま進めると成果が見えにくくなります。もう1つは「クリエイティブ」で、メッセージフォーマットの利用自体が目的化してしまうことです。

図3:聞き手を務めたクレッシェンドラボ日本支社統括 猪股唯耶
大内:一つは「データの利活用」です。「ID連携をして、このような施策を行いたいからシステムをいじろう」と目的がはっきりしている企業様は上手くいくことが多いのですが、「とりあえずセグメントを作りたいからすぐID連携をしたい」と目的が曖昧なまま進めてしまうと、結局欲しいデータがなかったり、データ連携に失敗したりするパターンが多いです。そのため弊社では、ID連携の目的をしっかり擦り合わせた上で先導していきたいと考えています。
大内:二つ目はクリエイティブの重要性です。弊社が最も重視しているのは、LINEのメッセージフォーマットよりもユーザーの状態を定義することです。「このタイミングにはカルーセルを使いたい」というようにフォーマットの使用が目的になってしまうことがありますが、フォーマットはあくまで手段でしかありません。その時々のユーザーの状態を見極めて配信につなげる、というのが本来のマーケティングの流れです。多機能なツールには、いつの間にか手段が目的にすり替わっているという落とし穴があるので、ユーザーの状態に合わせたクリエイティブの実装を行うべきです。
データの利活用でつまずかないために、ファーストパーティデータの考え方や、LINEとCRMのデータ連携の基本もあわせて確認しておくと安心です。
LINE+APIツールで何ができる?データ活用で配信を最適化
APIツールの最大の利点は、打ち手の幅が広がることです。LINE公式アカウント単体では一斉配信や一部データに基づく配信までですが、APIツールを使うとアンケートデータやアクセスログ、顧客IDなどを組み合わせ、誰に何を送るかを最適化できます。
── APIツール活用の利点やコツ、注意点はありますか。
大内:利点は打ち手の幅の拡張です。LINE公式アカウントだけですと一斉配信や一部データに基づいた配信しかできないので、これを広げられるのがAPIツールの一番の利点です。アンケートデータやアクセスログ、顧客IDなどのデータを使い、様々なセグメントを作成して配信先を最適化できるのが最大の強みだと思います。
大内:最近はクレッシェンドラボ社のMAACをはじめとして、WEBサイトのデータとLINEユーザーとを紐付けられるツールもあるので、そのようなデータ活用を行う企業様も増えてきていますよね。
クレッシェンドラボのMAACは、WEB行動データとLINEを紐付け、AIも活用しながら顧客一人ひとりの状態に合わせたオムニチャネルの配信を実現します。
LINE運用に悩む企業へ:中長期で取り組むべき理由
最後に、これからLINE公式アカウントの活用を検討する企業へのメッセージを伺いました。
大内:LINEアカウント運用は、友だち集客というハードルがあるため、すぐに効果が出るものではありません。しかし、メールに代わるコミュニケーションチャネルとして友だち登録さえいただければ、高い反応率につながります。だからこそ、中長期的な観点でLINE公式アカウントの活用に取り組んでいただきたいと考えています。本日お話ししたことが、皆様の今後のLINE公式アカウント運用のお役に立てれば幸いです。
株式会社ワンスターについて

図4:D2C特化型のデジタルマーケティング総合支援企業、株式会社ワンスター
D2C特化型のデジタルマーケティング総合支援企業。創業以来、D2C事業者様(サブスクリプションモデル)のダイレクトマーケティングを支援している。新規獲得支援だけでなく、ロイヤル顧客の育成、LTVの最大化までを一気通貫で支援することが顧客貢献の追求につながると考え、提供サービス領域を広げている。
公式サイト:https://one-star.jp/
まとめ:F2転換率とLTVを高めるLINE運用のカギ
初回購入で終わらせず2回目につなげるF2転換率の改善は、LTV向上の最短ルートです。LINE公式アカウントなら、サンクスページでの友だち登録とID連携、状態に合わせたシナリオ配信、そして認知〜獲得〜CRMのフルファネル運用を1つのチャネルで実現できます。フォーマットではなくユーザーの状態を起点に設計することが、成果を分ける最大のポイントです。
AI時代の顧客コミュニケーション戦略を体系的に学びたい方は、無料のAI時代のビジネスコミュニケーション戦略eBookもご活用ください。自社のLINE運用でF2転換率やLTVをどう伸ばせるか具体的に相談したい方は、お気軽にお問い合わせください。
よくある質問(FAQ)
F2転換率とは何ですか?
F2転換率とは、初回購入した新規顧客のうち、一定期間内に2回目の購入に至った割合を示す指標です。サブスクモデルやD2Cでは、このF2がLTV課題の中で最も大きな壁になりやすく、F2転換率を高めることがLTV向上に直結します。
LINEでLTVを向上させるにはどうすればいいですか?
購入直後のサンクスページから友だち登録とID連携を促し、顧客の状態に合わせたシナリオ配信を行うのが基本です。さらに認知・新規獲得・CRMを1アカウントで担うフルファネル運用に広げると、LINE登録者のLTVが約1.2倍高まる傾向を最大限に活かせます。
サンクスページで友だち登録率を上げるコツは?
最も重要なのは、友だち登録のメリットをはっきり明示することです。割引クーポンやお得な情報配信、配送日の変更などの具体的な価値を示し、「LINE限定オファー」としてLINE友だち限定であることを強調します。ボタンを置くだけでなく、ABテストで登録率を高める作り込みが効果を左右します。
LINE公式アカウント運用でよくある失敗は何ですか?
よくある失敗は2つあります。1つは目的が曖昧なままID連携やデータ活用を進め、必要なデータが揃わないこと。もう1つは、カルーセルなどのメッセージフォーマットを使うこと自体が目的化してしまうことです。ユーザーの状態を起点に施策とクリエイティブを設計することが重要です。
LINE運用はどのくらいで成果が出ますか?
LINE運用は友だち集客というハードルがあるため、短期で成果が出るものではありません。友だち登録さえ得られれば高い反応率につながるため、中長期的な視点で継続的に取り組むことが成果への近道です。
| ■株式会社ワンスターについて D2C特化型のデジタルマーケティング総合支援企業。創業以来、D2C事業者様(サブスクリプションモデル)のダイレクトマーケティングを支援している。新規獲得支援だけでなく、ロイヤル顧客の育成、LTVの最大化までを一気通貫で支援することが、顧客貢献の追求に繋がると考え、提供サービス領域を広げている。 公式サイト:https://one-star.jp/ |
クレッシェンド・ラボ 編集部
LINEマーケティング、CRM、AIを活用した顧客コミュニケーションをテーマに、現場で使える実践ノウハウと最新トレンドを発信しています。日本・アジア800社以上の支援実績と、MAAC・CAACをはじめとする自社プロダクトで培った知見をもとに、LINE公式アカウントの運用やセグメント配信、顧客データ活用、AIカスタマーサービスまで、成果につながる情報をお届けします。