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【OMO成功事例】アディダスのLINE活用に学ぶアパレルOMO戦略|開封率66%を実現した3つの施策

Nari Fujiie

目次

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スマートフォンが生活の中心になった今、顧客は実店舗とオンラインを自由に行き来しながら買い物をします。世界のオムニチャネル小売市場は2026年の約115.7億ドルから2033年には約293億ドルへ、年平均14.2%で拡大すると予測されており(出典:Coherent Market Insights)、アパレル・小売にとってOMO(Online Merges with Offline)の実現は成長の必須テーマになっています。

とはいえ「OMOの成功事例が知りたい」「具体的に何から始めればいいのか分からない」という声は少なくありません。本記事では、アパレルOMOの代表的な成功事例であるアディダス(adidas Taiwan)が、日本でも月間利用者数1億人を超えるLINE(出典:LINEヤフー株式会社(2025年12月末時点))を起点に、どのようにオンラインとオフラインを融合させたのかを、データと具体的な施策で解説します。

そもそもOMOとは?アパレル業界で注目される理由

OMO(オー・エム・オー/Online Merges with Offline)とは、実店舗・ECサイト・SNSなどの顧客データを統合し、チャネルの境界を感じさせないシームレスな購買体験を提供する戦略です。単なる情報発信ではなく、顧客一人ひとりの好み・現在地・行動履歴に基づいて「最適なタイミングで価値を届ける」点が本質です。

アパレルでOMOが重視されるのは、試着や素材確認のために来店したい一方、在庫確認や購入はスマホで済ませたいという「店舗とオンラインの行き来」が当たり前になっているためです。O2Oやオムニチャネルとの詳しい違いや基礎は、OMOとは?意味・O2O・オムニチャネルとの違いで解説しています。あわせて、複数チャネルを横断する設計の考え方はオムニチャネルの記事もご覧ください。

なぜアパレルにLINE公式アカウントとCRMが効くのか?

アパレルにLINE公式アカウントとCRMが効くのは、顧客に「タグ」を付けてセグメント化することで、セール感を抑えつつ関心の高い層だけに必要な情報を届ける「精密なコミュニケーション」が可能になるからです。これにより既存顧客の維持、クロスセル、アップセルを効率的に実現できます。

購買行動が多様化するなか、全員宛の一斉配信は「ノイズ」としてブロックされるリスクが高まっています。一方でLINEはプッシュ通知で届くため、メール(メルマガ)と比べて開封率が高い傾向があり、日本市場では顧客との日常的な接点をつくる有力なチャネルです(LINEとメールの反応比較の一例:LINE 42.4% vs メール 16.2%という調査値もあります)。だからこそ「誰に・何を・いつ届けるか」を設計できるLINEを活用したCRMが、アパレルOMOの土台になります。

アディダスOMO戦略

図2:タグ付けとセグメント配信で「関心のある人にだけ届ける」精密なコミュニケーション

事例:アディダス(adidas Taiwan)がLINEで実現したアパレルOMO戦略

ここからは、アパレルOMOの成功事例としてアディダス(adidas Taiwan)の具体的な取り組みを紹介します。同社は2021年12月にランニングシューズ「UltraBOOST 22」を発売し、LINE公式アカウントとMAACを組み合わせて次の3ステップを実行しました(数値の出典:Crescendo Lab 導入事例(adidas OMO))。

施策1:タグ付けによる精密なセグメント配信(開封率66%・クリック率23%)

アディダスは全ユーザーへの一斉配信ではなく、属性や行動に基づいた配信を行いました。「女性」「ランニング」「セール」などのタグを持つユーザーを抽出し、新製品「UltraBOOST 22」の情報を配信。その結果、開封率66%、クリック率23%という高い数値を記録しました。関心に合致した情報を届けることで、ブロックを避けつつ反応を最大化するセグメント配信の好例です。

LINE活用図

図3:関心の高いセグメントに絞って新製品情報を配信し、来店・購買へ誘導

施策2:位置情報を活用したストアロケーターで実店舗へ送客

アディダスはLINE公式アカウントにパーソナライズされたリッチメニューを設置し、「店舗を探す」セクションを追加。オンラインのユーザーをスムーズに実店舗へ導きました。ユーザーがLIFF形式の地図で現在地をシェアすると、近隣店舗をカルーセル表示し、そのままGoogleマップでナビゲートします。

これにより顧客の「今すぐ買いたい」という意欲を逃さず、オンラインの関心をオフラインの売上へ直結させました。まさにOMOの核心である「オンラインとオフラインの融合」を体現する仕組みです。

OMO施策事例

図4:現在地をシェアすると近隣店舗をカルーセル表示するストアロケーター機能

施策3:ゲーミフィケーション(ガチャ)で12日間に友だち5万人増

さらにアディダスは季節イベントに合わせた体験型コンテンツでエンゲージメントを高めました。クリスマス限定の「ガチャポン」キャンペーンでは、チャットルームでMAACの自動応答機能によるQ&Aを出題し、回答内容を自動でタグ付けしながら最後にリワードを付与する仕組みを構築。12日間で3万回以上の参加、新規友だち5万人増加を達成しました。

楽しみながらアンケートに答えてもらうことで、短期間で爆発的に友だちを増やしつつ、顧客の解像度を高めるデータ(属性タグ)を同時に収集できた点がポイントです。ゲーム性を使った友だち獲得やリピート育成の考え方は、ゲーム機能で体験設計しリピーターを増やす方法もあわせてご覧ください。

LINE施策内容

図5:クリスマス限定「ガチャポン」企画。回答を自動タグ付けし友だちを5万人増

【特別掲載】adidas Taiwan 担当者インタビュー・ボイス

Q:LINE公式アカウントの運用で最も重視したことは?

「公式アカウントが単なる『宣伝ツール』にならないよう、セールス感を抑えることを意識しました。そのためにMAACを活用してユーザーに細かくタグをつけ、各セグメントが本当に興味のある情報だけを届けるようにしました。」

Q:OMO(オンラインとオフラインの融合)における手応えは?

「ストアロケーター機能が非常に効果的でした。ユーザーが自分の現在地をシェアするだけで、最も近い店舗を即座に提案できる。このシームレスな体験が、オンラインの関心をオフラインの購買行動へ変える鍵となりました。」

Q:キャンペーンの成功要因をどう分析していますか?

「クリスマスキャンペーンでは『ガチャポン』というゲーム性を取り入れました。楽しみながらアンケートに答えてもらうことで、顧客の解像度を高めるデータ(属性タグ)を収集しつつ、短期間で爆発的な友だち数の増加を実現できました。」

アディダスの成果を支えたMAACとは?CAAC・DAACとの役割

アディダスの成果を支えたのが、クレッシェンドラボが提供するLINE起点のマーケティングツール「MAAC(マーク)」です。MAACはデータとAIで見込み客の獲得と顧客育成を同時に実現するプラットフォームで、タグ付け、セグメント配信、自動応答、ストアロケーター、ゲームテンプレートなど、本記事の3施策をまとめて運用できます。

クレッシェンドラボは「アジアのブランドのためのAI Communication Cloud」を掲げ、台湾・日本・タイでLINEの認定パートナーとして認められています(出典:Crescendo Lab|LINE)。用途に応じて次の3製品を組み合わせられます。

  • MAAC:LINEを起点にしたCRM/マーケティングオートメーション。自動カスタマージャーニー、AIによるコンテンツ生成、購買確度・離反リスクでのセグメント配信。
  • CAAC:AI会話型の接客・カスタマーサポート。LINE・Instagram・Facebook・Web・音声の問い合わせを1つのコンソールに統合し、自動応答や商品レコメンドを実現。
  • DAAC:散在する顧客データ(通話ログやLINEの会話も含む)を統合プロフィール化し、予測分析やカスタマージャーニー分析に活用。

自社のアパレルOMOを始める3ステップ

アパレルOMOは大がかりなシステムがなくても、LINE公式アカウントを起点に始められます。アディダスの事例を、自社で再現するための3ステップに整理します。

ステップ1:接点をつくる。店舗のQRコードやショップスタッフ経由で友だちを増やし、来店客をオンラインのデータとしてつなぎます。ゲーム企画やキャンペーンで初速を高めるのも有効です。

ステップ2:タグ付けしてセグメント配信する。タグ付けで顧客を分類し、関心に合わせて内容を出し分けます。全員一律ではなくセグメント配信に切り替えることが、ブロックを抑えて反応を高める王道です。

ステップ3:反応を分析して最適化する。配信ごとの開封率やクリック率、来店データを分析し、送信タイミングと内容を磨き込みます。このサイクルこそがOMOの精度を継続的に高めます。

他のアパレル・小売のLINE活用事例は?

アパレル・小売のLINE活用事例は、アディダス以外にも数多くあります。自社の業態に近い事例を参考にすると、施策のイメージが具体化します。

OMO戦略の成果

図6:小売OMOの事例

  • 多慶屋(TAKEYA):ユーザー興味の可視化と再来店施策で、LINE配信開封率66%・ブロック率11%台を実現した小売OMOの事例。
  • フィッツコーポレーション:配信中心から脱却し、MAACでデータドリブンなLINE戦略へ移行したEC・ビューティの事例。
  • ミルボン:メール離れ時代の顧客接点をLINE×MAACで再構築した事例。
  • Palladium:アディダスと同じくグローバルブランドのLINE活用事例。

おわりに:LINE公式アカウントを「売上を牽引するOMOの基点」へ

アディダス(adidas Taiwan)の事例が示す通り、LINE公式アカウントは単なる「一斉配信ツール」ではなく、MAACのようなツールと組み合わせることで、実店舗とデジタルを融合させる強力なOMO推進ツールへと進化します。顧客一人ひとりのニーズをタグとして蓄積し、パーソナライズされた体験を届け続けることが、ブランドロイヤルティとシームレスな購買体験の両立に直結します。

アパレルOMOやAIを活用した顧客コミュニケーションの全体像は、AI×顧客コミュニケーションのeBookや、セグメント配信の設計をまとめたダウンロード資料でも詳しく解説しています。貴社のLINE公式アカウントを「売上を牽引するOMOの基点」へ変革したい方は、お気軽にお問い合わせください

よくある質問(FAQ)

OMOの成功事例にはどのようなものがありますか?

代表的なアパレルOMOの成功事例が、アディダス(adidas Taiwan)のLINE活用です。タグ付けによるセグメント配信で開封率66%・クリック率23%、位置情報を使ったストアロケーターで実店舗送客、ガチャ企画で12日間に友だち5万人増を達成しました。小売では多慶屋やフィッツなどの事例もあります。

OMOとO2O・オムニチャネルの違いは何ですか?

O2Oはオンラインからオフラインへの「送客」、オムニチャネルは複数チャネルを連携させた「一貫体験」に主眼があります。OMOはさらに一歩進み、オンラインとオフラインのデータを完全に統合して、一人ひとりにリアルタイムで最適化した体験を届ける点が異なります。詳しくはOMOとはの記事をご覧ください。

アパレル業界でLINE公式アカウントを活用するメリットは?

タグ付けとセグメント配信で、関心の高い顧客にだけ必要な情報を届けられる点です。これによりブロック率を抑えつつ開封率・クリック率を高め、来店(オフライン送客)とEC購買の両方を後押しできます。試着や在庫確認など店舗とオンラインを行き来するアパレルの購買行動に適しています。

ストアロケーター機能を導入するには何が必要ですか?

MAACの小売プランにあるストアロケーター機能を利用し、LINEのLIFF形式の地図とGoogleマップを連動させることで実現できます。ユーザーが現在地をシェアすると近隣店舗をカルーセル表示し、そのままナビゲートまで案内できます。

LINEで新規友だちを増やすキャンペーン施策はありますか?

ゲームテンプレートなどを活用したゲーミフィケーション施策が効果的です。アディダスはクリスマス限定のガチャポン企画で12日間に友だちを5万人増やしました。季節イベントに合わせ、参加したくなる体験型コンテンツを設計するのがポイントです。

参考・出典