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D2Cとは?意味・ECとの違いからメリット・デメリット、成功事例・始め方まで完全ガイド【2026年版】

クレッシェンド・ラボ 編集部

D2Cサイトを通じてオンラインショッピングをしている人
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    2020年以降、新型コロナウイルスの影響で在宅時間が増え、オンラインショッピングは一気に普及しました。その結果、EC市場の競争は激化し、「いかに顧客の需要に応え、競争から生き残るか」が事業の生命線になっています。こうした環境で急速に存在感を高めているのが、ブランドが消費者と直接つながるD2C(Direct to Consumer)という販売手法です。この記事では、これからD2C通販やネットショップの立ち上げを検討している方に向けて、D2Cの意味から成功のカギまでをわかりやすく解説します。

    D2Cとは?意味とビジネスモデルをわかりやすく

    D2Cとは「Direct to Consumer」の略で、企業が仲介業者や小売店を通さず、自社ECサイトやSNSを通じて消費者へ商品を直接販売するビジネスモデルを指します。製造から販売、顧客とのコミュニケーションまでを自社で一貫して担い、得られた顧客データを次のマーケティングに活かせる点が本質的な特徴です。

    似た言葉にB2CやB2B、ECなどがありますが、これからD2Cの運営を始めたい方にもわかりやすいよう、図と具体例を交えながら違いを整理します。まずは従来のB2B2C(大型ECモール経由の販売)との比較から見ていきましょう。

    図2:D2Cと従来のB2B2Cの比較。顧客データ・顧客層・マーケティング手法・ブランド管理のすべてで「自社主導」に変わる。

     

    従来のB2B2C

    D2C

    顧客データの取扱

    委託/仲介業者から提供されたデータのみ使用可能

    顧客から直接提供されたすべてのデータが使用可能

    主な顧客層

    ECモールのユーザー

    メンバーシップ登録済み会員

    主なマーケティング方法

    ECモール上の競合商品との価格競争

    それぞれの顧客に合わせたパーソナライズマーケティング

    ブランドイメージの構築

    ECモール依存で限られた手法

    複数チャネルを活用し自社で調整可能

    ブランド管理の焦点

    ECモール中心

    消費者中心

    従来のB2B2CがAmazonや楽天などの大型ECモールを経由して消費者へ販売するのに対し、D2Cは自社ECサイトやSNSを利用して直接販売します。自社サイトで販売する利点は、消費者のデータを直接獲得し、そのデータを元にパーソナライズしたメッセージを届けるなど、きめ細かなマーケティングができることです。

    なお、B2B2CとD2Cは定義としては別物ですが、ひとつのECサイトの中に両方のモデルが混在する場合もあります。例えばZOZOTOWNは大型国内ECサイトですが、製造元が別会社で仲介販売を委託しているケース(B2B2C)と、身体測定用のボディースーツを提供しサイズ検討を支援するサービス(D2C)が同居しています。自社ブランドを立ち上げる際は、こうしたモデルの違いを理解し、クレッシェンドラボのような自社主導のコミュニケーション基盤を前提に設計することが第一歩になります。

    D2CとECの違いは?

    ECは電子商取引(e-commerce)を意味し、インターネット上で行われる取引=オンラインショッピング全般を指す広い概念です。D2CはそのECの一形態で、「販売元が消費者と直接やり取りしているビジネス」という点で区別されます。つまりすべてのD2CはECですが、すべてのECがD2Cとは限りません。

    オンラインショッピングができるサイトは規模を問わずECサイトと言えます。その中でも、モールに出店せず自社チャネルで顧客と直接つながり、顧客データを自社で保有・活用するものがD2Cです。この「直接性」と「データの自社保有」こそが、後述するメリット・デメリットのすべての起点になります。

    D2Cのメリット・デメリットは?

    D2Cのメリットは「収益性の高さ」「販促の自由度」「顧客データの活用」の3つ、デメリットは「商品力への依存」「顧客開拓コスト」「立ち上げに時間がかかる」の3つに整理できます。強みとリスクは表裏一体で、データ活用とマーケティング設計でデメリットを補えるかどうかが成否を分けます。

    図3:D2Cのメリットとデメリットは表裏一体。直接販売の強みを活かしつつ、開拓コストと立ち上げ期間をどう乗り越えるかがカギ。

    メリット①:収益性が高い

    消費者に直接販売するため、仲介業者を通さず支出面での経費カットが見込めます。ECモールなどの大型プラットフォームでは販売手数料や配送代行手数料がかかる一方、自社サイト販売ではそうした仲介手数料を払わずに済むため、収益性が高くなります。

    メリット②:販促の自由度が高い

    消費者と直接やり取りできるため、販売時の自由度が高いのも特徴です。仲介業者に依頼する場合は業者のフォーマットに従う必要があり融通が利きづらいのに対し、自社ECサイトなら独自のキャンペーンやセールを実施でき、マーケティング戦略に合わせた販促が可能です。

    メリット③:顧客データを収集しマーケティングに活用できる

    D2Cはオンライン中心のため、商品配送のために顧客情報を入力してもらう機会があります。ここで得たデータや、LINE公式アカウント・自社ホームページなど複数チャネルで獲得した顧客情報を活用し、適切な情報を適切な顧客へ届けることで、商品・企業へのエンゲージメントが高まり、リピート購入や評価向上につながります。自社で集めるファーストパーティデータは、Cookie規制が進む今、最も価値の高い資産です。

    デメリット①:商品に魅力がないと売れない

    オンラインショッピングが普及した今、世の中は競合商品であふれています。多くの競合から選ばれるには、商品そのものの優位性か、卓越したマーケティング戦略が必要です。特に自社サイトでは「消費者に見つけてもらう」プロセスが重要で、認知後も友だち獲得やシナリオ配信を駆使してニーズに合った情報を発信し続ける必要があります。

    デメリット②:顧客開拓にコストがかかる

    ECモールでの委託販売はモール自体の知名度に乗れますが、D2Cでは認知のための広告費、理解を促すマーケティング費用、購入検討から購入までの人件費など、顧客開拓コストが多岐にわたります。自社サイトに合ったマーケティングオートメーションツールを活用し、効率的に開拓する仕組みづくりが解決策のひとつです。

    デメリット③:事業が軌道に乗るまでに時間がかかる

    自社で製品開発を行い、ECサイトを開設・構築し、企業や製品の認知度・人気を育てる必要があるため、事業が軌道に乗るまで時間がかかります。これから始める場合は特に、この過程を腰を据えて乗り越える覚悟が求められます。

    D2Cを成功させる特徴とマーケティングのカギ

    「Direct to Consumer」という定義どおり、消費者に直接情報を伝えられることがD2C最大の特徴です。この情報伝達、つまりマーケティング戦略をどう設計するかがD2C運営のカギとなります。実務では次の3ステップが軸になります。

    図4:マルチチャネルで発信し、各チャネルの顧客データを統合し、その統合データをマーケティングに活かす。D2C運営の3つの型。

    1. マルチチャネルでの情報発信

    複数のチャネル上で発信することで、より多くの顧客へ情報を届けられます。自社サイト、LINE、各種SNSを組み合わせるオムニチャネルの発想が、接点の総量を押し上げます。

    2. 各チャネルの顧客データを統合

    それぞれのチャネルで獲得した顧客データを統合することで、包括的なデータ分析が可能になります。チャネルごとにバラバラだった顧客像を一人の顧客としてつなぎ直すことが、パーソナライズの前提です。

    3. 統合したデータをマーケティングに活用

    統合・分析したデータを次のコンテンツに反映したり、取得データを基にセグメント配信を行うことができます。顧客の行動に沿って自動でメッセージを届けるカスタマージャーニー設計まで踏み込めれば、D2Cの収益性は一段と高まります。

    D2C・EC市場の最新動向

    D2Cと密接に関わるEC産業の市場規模を、経済産業省の電子商取引(EC)実態調査を元に整理します。2023年の日本国内のBtoC-EC市場規模は22.7兆円(前年比9.91%増)に拡大し、EC化率も9.13%(前年比0.35ポイント増)と増加傾向にあります


    物販系分野の内訳では「食品、飲料、酒類」「生活家電・AV機器・PC・周辺機器等」「衣類・服装雑貨等」「生活雑貨、家具、インテリア」の割合が大きく、これらで物販系分野の73%を占めます。EC化率は「書籍、映像・音楽ソフト」(52.16%)、「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」(42.01%)、「生活雑貨、家具、インテリア」(29.59%)が高い値です。

    中国・米国との比較

    世界のEC市場規模は中国が最も大きく、次いで米国という動態です。特に中国は世界市場の半数近くを占め、EC技術が発達しているとされます。一方、日本はコンビニ文化が発達し日用品を手軽に買えるため、EC化率は世界平均と比べるとやや低い傾向にあると考えられます。

    日本・米国・中国3か国間の越境ECは、いずれも増加しました。中国消費者による日本事業者からの越境EC購入額は2兆2,569億円(前年比5.6%増)、米国事業者からは2兆7,499億円(前年比6.7%増)と、引き続き伸びています。

    どのような事業がD2Cに向いているのか?

    D2CとECは密接に関わるため、食品・生活家電・衣類・生活雑貨など、EC市場規模の大きい分野にはD2C事業拡大のチャンスがあります。一方で、書籍・生活家電・生活雑貨などEC化率の高い分野は競合も多く、数多くの企業から選ばれるには優れたマーケティング戦略が必須です。次に、業界別の成功事例を見ていきましょう。

    D2Cで成功しているブランドの共通点は?(業界別の成功事例)

    D2Cで成功しているブランドに共通するのは、商品力に加えて「顧客との直接的な関係づくり」に投資している点です。EC市場規模が大きい分野・EC化率が高い分野で、実際に実践されているD2Cビジネスモデルの事例を業界別に紹介します。

    【食品/飲料】顧客のニーズに合わせて商品情報を提供する

    厳選した有機食品や無添加食品、それらを用いた自炊キットを提供する企業の事例です。もともとは多忙でも豊かな食生活を送れるようにと考案された自炊キットでしたが、コロナ禍の外出自粛ニーズに合わせてマーケティングを展開しました。特に話題となったのは、YouTuberなどインフルエンサーがPR動画を配信する手法で、視聴数と認知度を確保し、多数の視聴者のニーズに合う「おうちごはんの手段」として商品提案に成功しました。

    【生活家電】卓越した顧客体験を重視・提供する

    ある生活家電ブランドは、顧客体験を重視したサービスで業界内の地位を確立しています。競合よりやや高い価格設定ながら、見た目のスタイリッシュさや機能性で評価され、トースターやケトルなど複数の家電が支持されています。競合にはない唯一無二の機能で消費者の心をつかみ、さらに商品製造に至った経緯を公式サイトに掲載することで、背景や価値を密に伝え、信頼を勝ち取っています。

    【生活雑貨】マルチチャネルで媒体に合わせたコンテンツを提供する

    ある雑貨ブランドは、顧客に寄り添うコンセプトを軸に、競合と一線を画す業態を展開しています。特徴的なのはYouTubeチャンネルの短編映像やラジオ配信などユニークな手法で、ながら聴きできるポッドキャストのような媒体はタイムパフォーマンス重視の現在に重宝されています。各SNSに合わせたコンテンツを作り込むことで、一貫した企業の想いをより多くの視聴者へ届けています。

    小売・OMOでのD2C的なデータ活用の実例は、多慶屋のLINE活用事例も参考になります。オンラインとオフラインの顧客データをつなぎ、パーソナライズした販促で成果を上げています。

    D2C通販・ネットショップの始め方とマーケティング施策

    D2C通販・ネットショップを始める基本ステップは、(1)自社ECサイトの構築、(2)LINEやSNSなど顧客と直接つながるチャネルの用意、(3)顧客データを軸にしたマーケティング設計、の3つです。中でも「直接消費者に情報を届ける仕組み」をどう作るかが、立ち上げ後の伸びを左右します。ここでは、ECサイトと相性の良いLINEマーケティングの活用を紹介します。

    図6:ECサイトでカートに入れたまま購入されない「カゴ落ち」も、LINEのリマインド配信で再来訪を促せる。

    D2C×LINEマーケティングの強み

    見込み顧客を獲得しやすい:LINEマーケティングでは友だち限定クーポンやゲーム要素を取り入れた特典など、見込み客に訴求しやすいのが特徴です。公式サイト内に友だち追加ウィジェットを設置すれば、すでに商品に興味がある顧客にも呼びかけられます。LINE公式アカウントでの集客・売上施策は、D2C運営における効果的な顧客獲得方法のひとつです。

    顧客情報を統合して活用できる:LINEのデータを連携すると、行動履歴や会員情報を元にカテゴリー分けし、セグメントとして配信できます。こうしたLINE CRMの発想は、D2Cの「データを自社で持ち、直接届ける」という強みそのものです。また、カートに商品が入ったまま一定時間が経過した顧客へリマインド配信でリピート購入を促すのは、カゴ落ち対策として有効です。

    「MAAC」がD2C・ECサイト運用に選ばれている理由

    図7:クレッシェンドラボが提供するLINEオートメーションツール「MAAC」の操作画面。

    弊社が提供するLINEオートメーションツール「MAAC」では、D2C・ECサイト運営に活用できる多彩な機能をご利用いただけます。

    • オートマチックジャーニー(顧客の行動に沿った自動シナリオ配信)
    • カゴ落ちリターゲティング
    • 友だち追加ウィジェット

    AIとオムニチャネルを活かしたD2Cマーケティングの全体像は、無料のAI×ビジネスコミュニケーションeBookで体系的に解説しています。さらに、LINEを起点としたECビジネスの成功のカギや、MAACの導入事例もあわせてご覧ください。

    まとめ:D2Cは「直接つながり、データで育てる」時代へ

    D2Cは、仲介を挟まず消費者と直接つながることで、収益性・販促自由度・顧客データ活用という3つの強みを得られるビジネスモデルです。一方で、商品力への依存・顧客開拓コスト・立ち上げ期間というデメリットもあり、これらを乗り越えるカギはマルチチャネルでの発信と、統合した顧客データを活かしたパーソナライズマーケティングにあります。

    これからD2C通販・ネットショップを立ち上げるなら、最初から「顧客データを自社で持ち、AIとオムニチャネルで一人ひとりに最適な情報を届ける」設計にしておくことが近道です。具体的な進め方は無料のAI×ビジネスコミュニケーションeBook各種お役立ち資料にまとめています。詳しく知りたい方は、お気軽にお問い合わせください

    D2Cに関するよくあるご質問(FAQ)

    D2Cとは何ですか?

    D2Cとは「Direct to Consumer」の略で、企業が仲介業者を通さず、自社ECサイトやSNSを通じて消費者へ商品を直接販売するビジネスモデルです。顧客データを自社で保有し、パーソナライズしたマーケティングに活かせる点が特徴です。

    D2CとB2C・ECの違いは何ですか?

    B2Cは企業が消費者に商品を販売すること全般を指し、ECはインターネット上の取引全般を指します。D2Cはそのうち、自社ECサイトやSNSで販売元が消費者と直接やり取りし、顧客データを自社で保有・活用するモデルを指します。すべてのD2CはECですが、すべてのECがD2Cとは限りません。

    D2Cのメリット・デメリットは何ですか?

    メリットは、仲介手数料を省ける収益性の高さ、独自キャンペーンを打てる販促の自由度、顧客データを直接活用できる点の3つです。デメリットは、商品力への依存、顧客開拓にコストがかかること、事業が軌道に乗るまで時間がかかることの3つです。マーケティングオートメーションやデータ活用でデメリットを補えるかが成否を分けます。

    D2C通販・ネットショップの始め方は?

    基本は、(1)自社ECサイトの構築、(2)LINEやSNSなど顧客と直接つながるチャネルの用意、(3)顧客データを軸にしたマーケティング設計、の3ステップです。特にLINE公式アカウントとMAACのようなツールを組み合わせると、友だち獲得からカゴ落ち対策、リピート促進までを自動化でき、立ち上げ後の成長を加速できます。

    D2Cに向いている商材・ブランドは?

    食品・飲料、生活家電、衣類・服装雑貨、生活雑貨など、EC市場規模が大きく購入者の多い分野はD2C参入の余地があります。競合が多い分野ほど、商品力と、顧客に直接届くマーケティング戦略の両立が成功の条件になります。