はじめに|400名登録・会場満席のシルバーセッション
Hello Friends! W!th LINEヤフー 2026、DAY1のシルバーセッション2として、株式会社クレッシェンド・ラボがセッションに登壇しました。
セッションタイトルは「LINEを使う企業と、LINEを顧客体験に実装する企業 — 多慶屋・ミルボン・アニフェアに学ぶ成長戦略」。事前登録は400名に達し、当日は会場が満席となる大盛況となりました。
登壇者は、弊社日本法人カントリーマネージャー猪俣を含む、以下の4名です。
- 馬 躍原 様(株式会社多慶屋)
- 宮城 愛実 様(株式会社ミルボン)
- 横田 惟宇 様(一般社団法人アニマルウェルフェア東京)
このセッションが設定した問いは、シンプルで本質的なものでした。「LINEを使っている企業」と「LINEを顧客体験に実装している企業」——その違いはどこにあるのか。猪股が実装例の解説役として進行しながら、業種も規模も異なる3社がそれぞれの実践を語りました。

登壇の背景:なぜこの3社と組んだのか
クレッシェンド・ラボがこの3社を選んだ理由は、業種・規模・ミッションがまったく異なる3社が、同じ問いに向き合っていたからです。
3社に共通しているのは、「どうLINE配信するか」の最適化で止まらず、「LINEで顧客との関係をどう設計するか」というレイヤーまで踏み込んでいる点です。タッチポイント設計、ライブデータの収集、シームレスな分析と実行基盤 — この3つを一体で動かすことが、LINEで成果を出し続ける企業の共通項だと、猪股はセッション内で解説しました。
事例1:株式会社多慶屋|「上野にレーダーを張る」OMO設計
企業概要と課題
1947年創業、上野の老舗ディスカウントストア。2棟・9フロア・取扱10万点という規模で、年間売上約80億円(1店舗)を誇り、訪日外客も多く、国内外にまたがる顧客基盤を持ちます。
課題は「LINEをたまに届く告知から、毎日関係が続く売場へ」変えることでした。
MAACとビーコン(位置情報技術)を組み合わせたOMOソリューション
多慶屋が実装したのは、2段階の施策です。
施策①:友だち獲得とエンゲージメント設計
- Webウィジェット設置だけで2ヶ月で2,000人の友だち獲得を達成
- リッチメニューに常設ルーレットを設置し「毎日触れる売場」へ転換
- 紙DMへのQRコード掲載でオフライン接点をデジタルへ接続

施策②:ビーコンによる「上野レーダー」
- 多慶屋内2棟+上野エリア5施設にビーコンを設置
- 旅マエ(LINE友だち獲得)→旅ナカ(上野へ向かう)→街ナカ(エリアで反応)→店ナカ(多慶屋で反応)という顧客ジャーニーを可視化
- LINEユーザーが多く占める台湾・タイの国別動線の可視化に成功
「距離が縮まった瞬間に、届く」という設計思想のもと、セグメント配信×行動トリガーを組み合わせることで、ソリューションを通じて最適な顧客関係を構築しています。
事例2:株式会社ミルボン|BtoBtoCの複雑な構造をMAAC(マーク)で解く
企業概要と課題
売上高500億以上・従業員1,000名規模の化粧品メーカー。美容室専売のヘアケア製品を製造・販売し、「美容室を通じて、世界中の人々に美しさを届ける」をミッションとしています。
INEの難しさは、その構造にありました。「ミルボン→販売代理店→美容室→生活者(milbon:iD会員)」というBtoBtoCの商流の中で、公式LINEで配信しようとしても、どの会員がどの美容室に通っていて、どのブランドが購入可能なのかがわからなければ配信できない。一般的なMAツールの配信スキームのままでは、美容室にとっても会員にとっても機会損失が大きく、LINEのメリットが薄いという課題がありました。
MAACとの連携開発で実現した「milbon:iD式のLINE設計」
解決策は、登録美容室と購入可能ブランドをMAACでタグ付けし、セグメント配信を徹底することでした。さらにミルボンとクレッシェンド・ラボは連携開発を行い、美容室がログインするmilbon:iD管理画面から一部の配信を制御できる仕組みを構築しました。
配信は2つのトリガー構造で設計されています。
- トリガー1(美容室側):美容室個別のクーポン配信・店頭への再来店案内
- トリガー2(ミルボン側):新商品情報・サイト内イベントなどの公式配信
この設計により、メーカーとしてのファン育成、美容室の売上貢献、会員のメリットという3つを同時に満たす配信が実現。2026年4月29日時点で友だち数103,707人・ID連携率83.4%・コンタクトブロック率8.3%という高いエンゲージメント水準を維持しています。
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事例3:一般社団法人アニマルウェルフェア東京(アニフェア)|「想いをスケールさせた」CAACの使い方
団体概要と課題
30,000組以上への里親譲渡実績を持ち、500頭/月・全国5拠点を運営する保護犬譲渡の団体です。寄付モデルで運営し、譲渡後も長期的な関係性を継続することがミッションの核にあります。
アニフェアが直面していたのは、LINE・Instagram DM・メール・電話という複数チャネルにまたがる問い合わせ対応の「温度差」でした。「誰が返した?」「見落とし発生」「履歴が残らない」—チャネルが分断されることで、里親との接点に対応の温度差が生まれることが、最も避けなければならない問題でした。
登壇者の横田氏は「どう配信するか」だけで考えることの限界を明確に示し、「本当に問うべきは、anifareの思いが全ての接点で再現されているか」と語りました。
CAAC(カーク)で「分断」をなくす構造へ
アニフェアが実装したのは、CAACを中心に全チャネルの問い合わせを統合する仕組みです。
- LINE・Instagram DM・メール・電話の問い合わせをCAAC上で一元管理
- 対応履歴をチーム横断で見える化し、担当割り振りを最適化
- 「誰が」ではなく「どう対応するか」に集中できる環境を構築
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成果は、工数削減月60時間・対応品質の均一化・引き継ぎコストほぼゼロ。
アニフェアが実現したのは、効率化だけではなくブランドの「想いのスケール」でした。単発の接点だった「里親」が、アニフェアとの継続したコミュニケーションを通じて意義のある関係を持つ「共感者」へと変わる — CAACが起こした変化の本質は、カスタマーサポートの効率化だけではなく、里親様との信頼構築を顧客コミュニケーションを正しい形で実現した実例になりました。
3社に共通する「LINEを顧客体験に実装する」企業の原則
弊社が本セッションのキーポイントとして提示したのは、次の3点です。
- タッチポイント設計:どこで・誰に・どのタイミングで接触するかを設計する
- ライブデータ収集:行動・位置・属性データをリアルタイムで取得し続ける
- シームレスな分析+実行基盤:データが施策に直結するループをつくる
業種・規模・ミッションが異なる3社でも、この3つが揃っていることで、LINE CRMとしての運用が単なる配信管理を超えた「顧客との関係設計」へと進化することが示されました。
弊社運営メンバーよりコメント
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まとめ|「実装できる企業」と共に進化するクレッシェンド・ラボ
「LINEを使う企業」と「LINEを顧客体験に実装する企業」の差は、機能の多さでも予算の大きさでもありません。タッチポイントを設計し、データを循環させ、それを施策に直結させる基盤をつくれるかどうか、です。
多慶屋・ミルボン・アニフェアの3社は、業種も規模もまったく異なりながら、この設計思想を実践することで、それぞれの現場で再現性ある成果を出し続けています。
クレッシェンド・ラボはこれからも、LINEエコシステムを最前線で活用する企業とともに、顧客体験の実装を支え続けます。
3社を含む弊社が厳選した6社の事例集は以下よりリンクよりダウンロードください。
第一弾の記事「LINEヤフーイベントレポ|顧客管理・CRMの最新トレンド【第一弾】はこちら。
Nari Fujiie
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